出版業界のトレンドや傾向を分析し、コンテンツ作成のヒントを探る「幻冬舎式 出版業界研究」。
今回は、今売れているビジネス書のタイトルの付け方として、読者を惹きつける2つのポイントについてご紹介します。
参考にするデータは、紀伊國屋書店PubLine*の、2018年第3週の売上ランキング(社会分野)をもとにしています。

2018年12月第3週の売上ランキング(社会分野)

1位『明日でもいいことは今日やるな』中西輝政/海竜社
2位『コミュニティをつくって、自由に生きるという提案』マツダミヒロ/きずな出版
3位『漫画君たちはどう生きるか』吉野源三郎 羽賀翔一/マガジンハウス
4位『学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑/サンクチュアリ出版
5位『新世界』西野亮廣/KADOKAWA
6位『医者が教える食事術最強の教科書』牧田善二/ダイヤモンド社
7位『最高の人生のつくり方』高橋佳子/三宝出版
8位『武器としての会計思考力』矢部謙介/日本実業出版社
9位『働きアリからの脱出個人で始める働き方改革』越川慎司/集英社
10位『1分で話せ』伊藤羊一/SBクリエイティブ

読者を惹きつけるタイトル「命令する」

「命令形」は読み手の頭に「なぜ?」という疑問が沸き、本文を読みたくなるという効果があります。今週の社会分野での人気書籍でも、1位『明日でもいいことは今日やるな』10位の『1分で話せ』が、命令形に当てはまります。人に伝える際に‟言い切る”ことは重要です。どのような主張であっても中途半端であったり中立である意見は、深く人の意識に刺さることは難しいからです。命令することで、普段から該当ジャンルに関心が高く答えを求めている読者層であれば「答え」を与えられる期待から本を手に取るでしょう。

読者を惹きつけるタイトル「願望系」

「願望系」は多くの人が望んでいることを表すタイトル。たとえば、誰も病気にはなりたくないし、いい人生を送りたいと思っています。そういったツボを刺激するようなタイプのタイトルです。今週の書籍の中では、2位の『コミュニティをつくって、自由に生きるという提案』。‟自由に生きる”というワードから、しがらみを抱えながら社会で生きる現代人に新しい考え方を提案しています。また、9位の『働きアリからの脱出個人で始める働き方改革』も、労働に対しての変革を提案するタイトルです。どちらも現代の社会人が「こうであったら良いのにな…」といった願望に対して訴えかけるタイトルとなっています。

まとめ

社会分野ジャンルは特に惹きつけるタイトルを意識してつけられていることが多いため、参考になります。それは、「作者」や「思想」ではなく、シンプルに書籍の内容(ノウハウ)が読者にとっての価値となるジャンルだからでしょう。どれだけ有益な情報と得ることができるのかをまずはタイトルで訴求することができなければ本を手に取ってもらうことはできません。タイトルによって読者の関心を惹きつけるテクニックを学ぶために効果的なジャンルです。今回は「命令する」「願望系」の2つのパターンをご紹介しましたが、タイトルのテクニックは様々。別のパターンも次回ご紹介します。

※紀伊國屋書店PubLine(パブライン)
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