出版業界のトレンドや傾向を分析し、コンテンツ作成のヒントを探る「幻冬舎式 出版業界研究」。
今回は、書籍タイトルの付け方として読者が享受できるメリットをタイトルに込める「メリット系」についてご紹介します。
参考にするデータは、紀伊國屋書店PubLine*の、2018年12月の売上ランキング(社会分野)をもとにしています。

2018年12月書籍売上ランキング(社会)のなかの「メリット系」

「メリット系」のタイトルとは、「~がわかる教科書」や「~できるようになる50のルール」といったように、その本を読むことで読者が享受できるメリットが、ダイレクトに伝わるタイトルをいいます。
2018年12月度の社会分野における書籍売上20位のなかに、「メリット系」は5タイトルありました。

 1位『お金は愛』小山昇/ダイヤモンド社
 2位『ゼロトレ』石村友見/サンマ-ク出版
 3位『新世界』西野亮廣/KADOKAWA
 4位『漫画君たちはどう生きるか 吉野源三郎』羽賀翔一/マガジンハウス
〇5位『学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑/サンクチュアリ出版
 6位『感動経営』唐池恒二/ダイヤモンド社
 7位『FEAR恐怖の男 ボブ・ウッドワ-ド』伏見威蕃/日本経済新聞出版社
〇8位『一般社団・財団法人の税務と相続対策活用Q&A』平松慎矢/清文社
〇9位『医者が教える食事術最強の教科書』牧田善二/ダイヤモンド社
 10位『心に折り合いをつけてうまいことやる習慣』中村恒子・奥田弘美/すばる舎
 11位『1分で話せ』伊藤羊一/SBクリエイティブ
 12位『福岡市を経営する』高島宗一郎/ダイヤモンド社
〇13位『頭が良くなり、結果も出る!モテる読書術』長倉顕太/すばる舎
 14位『世界のビジネスエリ-トが身につける教養としてのワイン』渡辺順子/ダイヤモンド社
 15位『日本の論点 2019~20』大前研一/プレジデント社
〇16位『毎月100万円!確実に増える不動産投資』曽我ゆみこ/辰巳出版
 17位『会社四季報業界地図 2019年版』東洋経済新報社/東洋経済新報社
 18位『出会いは最大のレバレッジ』板東浩二/ダイヤモンド社
 19位『決断=実行』落合博満/ダイヤモンド社
 20位『税務手帳 2019年版』日本税理士会連合会/中央経済社

ビジネス書や実用書のジャンルで「メリット系」のタイトルは根強い

書籍のタイトルは、意外性をつくものや、ギャップで気を引くようなものが良く売れる印象があり、実際に上記のランキングでも上位を占めています。
一方で、ビジネス書や実用書ではダイレクトにメリットを伝えるタイトルも人気があり、根強く上位に食い込んでいます。20位までのランキングのなかに、5つの「メリット系」タイトルがありました。

ストレートな「メリット系」のタイトルは少なく、別の法則と組み合わせる傾向がある

ただ、メリットの伝え方は一様ではありません。『医者が教える食事術最強の教科書』のように「最強の」という形容詞でメリットを強調しているものもあれば、『頭が良くなり、結果も出る!モテる読書術』のように意外な効果をうたうことで読者を惹きつけるものもあります。このように、いくつかの法則を組み合わせることで、タイトルに力をもたらすものも、書籍タイトルの傾向として多くなっていると思われます。

まとめ

「メリット系」のタイトルはダイレクトに本の内容と読者へのメリットを伝えられるため、ビジネス書や実用書のジャンルでは根強く人気があるものの、ストレートなタイトルだけでなく「強調」や「意外性」を組み合わせたタイトルが多くなっている傾向にあります。

※紀伊國屋書店PubLine(パブライン)
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