ホワイトペーパーの役割と作成ポイント

コンテンツマーケティングの方法はいくつかありますが、企業と顧客で温度差のあるコンテンツとしては「ホワイトペーパー」が挙げられるのではないでしょうか。

企業側としては、ホワイトペーパーの作成には時間と労力がかかるため、それに見合うマーケティングの効果が感じられず、ホワイトペーパーの作成に二の足を踏む企業も多いようです。

一方、顧客側としては、商品やサービスの比較検討に役に立つホワイトペーパーの存在はありがたいものです。しかし、あくまでも比較検討が目的のため、必ずしも購入につながるというわけではありません。
そこで、今回は、ホワイトペーパーの役割について考えてみたいと思います。

比較検討に役立つ資料として、顧客からは重宝されているホワイトペーパー

「ホワイトペーパー」とは、もともと政府や公的機関による年次報告書、つまり「白書」を意味する言葉でしたが、近年では、企業が特定の技術や商品を売り込むために作成された、調査に基づく技術や商品の利点を説く文書を指す言葉になっています。

マーケティングで使用されるホワイトペーパーは、市場環境や技術動向の分析から、導入事例の解説、他社商品との比較など、多岐に渡る内容となっています。営業の足がかりとして使われる資料ではありますが、作成には部署をまたいだ連携が求められるため、時間や労力がかかることもあり、現場の人間からは敬遠される嫌いがあります。

しかし、顧客にとっては自身の悩みや課題を解決する手がかりとなることもあるため、商品やサービスの購入を決定する大きな要因となるケースも多いのです。特に、B to Bビジネスでは、単価の高さや組織的な意思決定が原因で、商品やサービスの購入までの比較検討期間が長期化する傾向があるため、様々な面で比較検討できるホワイトペーパーの存在は重宝されています。

あくまでも顧客目線で「無駄」のない構成にすることが重要

アメリカでは、WEBコンテンツを駆使して、顧客の関心を自社に向けさせるインバウンドマーケティングが主流になっていることもあり、ホワイトペーパーに関する書籍も出版され、方法論の研究が進んでいます。そこで、ここからは、現在トレンドになっているホワイトペーパーの作成法を紹介したいと思います。

まず、基本構成では「5パラグラフの法則」が採用されることがほとんどです。「イントロダクション」「問題提起」「解決策」「商品情報」「結論」という順番の5つのパラグラフからなる構成で、論文やエッセイで使われる基本構成を応用したものとなります。

1. イントロダクション

イントロダクションに求められるのは、顧客の興味を引き付けることです。この資料を読むことでどんな利益が得られるのか、顧客に端的に伝える必要があります。

また、中にはホワイトペーパーを流し読みする顧客もいます。そういった顧客はイントロダクションと結論に目を通し、その資料に読む価値があるのかを決めてしまいます。ですから、イントロダクションには「○○ができる」というある程度の結論を提示することが重要です。あくまで要約で構いません。結論を少し見せることで、この資料を読む時間が無駄にはならないことを顧客に伝えることが大切なのです。

2. 問題提起

次に、顧客が抱える悩みや課題を掘り下げます。内容はなるべく具体的なものがよいでしょう。このパラグラフで顧客の共感を呼ぶことができればできるほど、後の解決策が顧客の心に刺さることになります。

また、この企業は自分のことをわかっていると顧客に思わせることで、ホワイトペーパーからの離脱を減らすことができます。一度引き付けた興味は離さないようにすることが重要です。

3. 解決策

先のパラグラフで掘り下げた問題の解決策を提示します。長々と書き連ねる必要はなく、端的かつ明確に解決策を示すことが重要です。調査や実験の数字に基づく効果を併せて示すことができれば、顧客を大きく納得させることができます。近年は、顧客に強い印象を残すために、ストーリーテリングの手法を使うケースも増えているようです。

4. 商品情報

3で示した解決策を実現する手段として、自社の商品を詳しく紹介します。
ここではホワイトペーパーのターゲット設定や目的に合わせて、併記する情報を変更することで、より効果を高めることができます。もし商品やサービスの認知度向上が目的であるのなら、導入事例や顧客の声で広く受け入れられていることをアピールするのがよいでしょう。

一方、すでに比較検討の段階に入っている顧客に対しては、より詳細な商品のスペックや、他社商品に勝るポイントを提示した方が効果的でしょう。

5. 結論

ここまでの内容をまとめるパラグラフとなります。イントロダクションでは「○○ができる」という結論を示すことが重要でしたが、結論では「なぜこの商品を選ぶとよいのか」という理由をはっきりと提示することが大切です。
極端な話ではありますが、イントロダクションと結論だけでも成立するような構成になっていることがベストです。顧客の印象は最後に読んだ結論に引きずられるケースも多いため、最も伝えたいことを中心に結論を構成するとよいでしょう。

内容以外の部分でも、顧客にとって有益であることを示すことが重要

構成がしっかりとしていれば、顧客も最後までホワイトペーパーに目を通し、相応の効果が得られるでしょう。しかし、ここに実践的なテクニックを加えることで、ホワイトペーパーの効果をより高めることができるのです。

ホワイトペーパーが最初に越えるべきハードルとして、顧客に如何にしてダウンロードさせるのかということがあります。その際に重要になるのは、ホワイトペーパーのタイトルです。印象的なタイトルを考えることは難しいですが、あまりにも無機質なタイトルではせっかく用意したホワイトペーパーもダウンロードされません。

先にも述べましたが、顧客にまず伝えるべきことは「○○ができる」という結論です。ですから、自社の商品の売り込みを前面に出すよりも、顧客に何ができるようになるのかを伝えるタイトルにするとよいでしょう。

レイアウトに配慮することも重要です。メリハリなく文章と図表が続くばかりでは、興味のある内容でも読んでいる内に飽きがきてしまいます。印象的なフレーズを小見出しにしたり、字の太さや色を変えることで強調したり、あえて要点だけをまとめた箇条書きにしたりと文章にアクセントをつけていくことが大切です。インフォグラフィックスを活用して、図表と文章を一つにまとめてしまうというやり方も有効です。

文章を置く位置も本文は左側、解説は右側など一定の法則を持たせることで、顧客は文章を読む前にある程度予測できるようになります。「顧客の目線」を大事にすることが、ホワイトペーパーの価値を高めるのです。

最終的に顧客にどうしてほしいのかを明確に示すことも必要です。基本構成でも触れましたが、イントロダクションと結論がホワイトペーパーでは重要です。自社の商品やサービスへの関心を高めた顧客をスムーズに自社へと誘導するため、結論と併せて自社のWEBサイトや商品紹介ページ、問い合わせページへのリンクを記載しておきましょう。ホワイトペーパーに合わせたランディングページを用意できるのであれば、顧客をそこへ導くことで効果をより高めることができます。顧客に対して「特別感」を演出することも大切なのです。

内容を盛り込みすぎてホワイトペーパーのページ数が増えてしまうこともありますが、そのような時は顧客の目的に合わせて分割してしまうのもよいでしょう。

複数の目的に一つのホワイトペーパーで答えようとすると、顧客によっては必要のないページが出てくる恐れがあります。コンテンツマーケティングなのですから、顧客の利益を一番に考えることが重要です。

まとめ

質のよいホワイトペーパーは、自社の優秀な営業マンになりうる

ホワイトペーパーの作成には手間や時間がかかりますが、顧客の意思決定に大きな影響を及ぼすことができます。商品やサービスを購入する際に、比較検討用の資料として使用されるため、他社のホワイトペーパーと見比べられることも多いのです。

そのような際に、ホワイトペーパーの出来がよければ、単純に商品やサービスの魅力や強みをアピールできるだけではなく、顧客へのサポートや企業の基本姿勢について好印象を与えることができるのです。
ホワイトペーパーを単なる資料の一つだと捉えるのではなく、自社の「営業担当者の1人」だと考えられるかどうかで、今後のマーケティングに差がつくのでしょう。