ブランディングと「トンマナ」

現在マーケティングを考える上で、ブランディングは外せない要素となっています。なぜなら、ブランディングの成否が、集客や販促、PRなどのマーケティング活動のあらゆる面で大きな影響を及ぼすようになっているためです。

ブランディングでは、商品やサービスが持つ世界観を消費者に伝えることが重要です。ブランドの世界観を正確に、そしてわかりやすく消費者に伝えるには、その過程で「トンマナ」を揃えることがポイントになるのです。と、このように使われる「トンマナ」という言葉ですが、その意味が曖昧なまま使っている方もいるのではないでしょうか?

今回は、そんな「トンマナ」の意味と、ブランディングとの関係性について解説したいと思います。

デザインの一貫性を維持させる「トンマナ」はブランディングにも大きな影響を持つ

まず、「トンマナ」とは、「トーン&マナー」の略称で、広告デザインに一貫性を持たせることを指します。デザインのカラーやフォントに一貫性を持たせることで、消費者に刷り込みが行われるため、トンマナが統一されていれば、別の広告になったとしても、消費者のイメージを継続させることができます。例えば、コーラに赤いラベルと青いラベルのどちらが貼られているのかで、消費者が何をイメージするかが変わります。これは二つの商品が長い間トンマナを維持してマーケティングを行ってきた結果です。まさに「色」が商品のブランディングにつながっているのです。

ブランディングは、商品のブランドを消費者に認知させ、市場でのポジションを明確する活動となります。わかりやすく言えば、「○○といえばあの商品」というイメージを消費者に浸透させるための活動です。しかし、ブランディングには、決まったやり方があるわけではなく、広告宣伝や販促、PRなどのマーケティング活動を行う中で、同時にブランディングも行っているというのが実情でしょう。

ブランディングには時間がかかり、効果が見えにくいというデメリットがあるため、ブランドのデザインを大幅に刷新し、ブランドの再浸透を狙うケースもあります。しかし、これはあまり得策とはいえません。

その際、消費者の持つ企業や商品に対するイメージも刷新されてしまうので、また一からイメージを積み上げる必要があるためです。もちろん、消費者が商品を識別するのに使っていたトンマナも一旦廃棄されるため、競合商品の中に埋もれていく可能性もあります。
このようにトンマナとブランディングには密接な関係があり、トンマナをうまく活用することがブランディングにつながるというわけです。

文章や表記、画像などを統一することは、ユーザーのイメージの統一にもつながる

さて、現在、企業が積極的にブランディングを行う場はWEBへと移り変わっています。そして、WEBにおけるブランディングにおいても、トンマナは大きな役割を果たします。ここでは、WEBにおいて守るべきトンマナについて解説します。

WEBデザイン

WEBサイトでブランディングを行う際には、サイトのデザインにトンマナが必要になります。サイトはブランドの「顔」となるものなので、フォントや配色に統一感を持たせることで、ユーザーにサイトの持つメッセージが伝わりやすくなります。

その際に気をつけるべきは、サイトが企業とユーザーとの間を取り持つ存在になるという点です。企業のメッセージを伝える役割と、ユーザーに好まれる存在を両立する必要があります。

例えば、フォント一つとっても、明朝体であれば誠実なイメージがあり、ゴシック体には力強いイメージがあります。それらをバラバラに使うのではなく、サイトで一番打ち出したいイメージに合わせて選択することが重要です。

文章のスタイル

文章のスタイルに統一感を持たせることは特に重要です。文章中に「です・ます調」と「である調」が交じり合うと、文章のリズムが悪くなり、内容に集中できなくなってしまいます。

これは表記に関しても同様で、ひらがななのかカタカナなのか、英語表記を使うのか使わないのか、記号が全角なのか半角なのか、わずかな違いがサイトの印象を大きく変えてしまいます。文末や表記の不統一は、ユーザーの信用にも関わる部分なので、必ずトンマナを決め、守るようにしましょう。

SNSの文章のスタイル

SNSは、ユーザーとの距離感が非常に近いメディアとなるため、特にトンマナに気をつける必要があります。例え企業が運用しているSNSであっても、ユーザーにとっては一個人と捉えられるので、担当者によって文章の印象が異なるのは好ましくありません。

企業によってはあえてSNSでは砕けた表現を使う場合もありますが、ユーザーにそれを受け入れてもらうには、そのキャラクターをやり通すことが重要です。あまりにケースバイケースでSNSのキャラクターを変更させていると「仕事感」が強まるため、ユーザーの信頼を獲得することが難しくなります。SNSの運用担当者が日によって異なる場合は、「月曜日担当の○○です」と先に名乗って、複数人でSNSを担当していることをユーザーに伝えておけば、逆に担当者の個性を前面に出すこともできるようになります。

文章や表記に関しては、文字数制限があるSNSもあるので、柔軟な対応が求められます。そういった際に言葉足らずで「炎上」を起こさないためにも、SNSでは「人格」のトンマナが必要となるのです。

SNSにアップする画像

WEBではユーザーの視覚に如何に訴えかけるかでその効果が大きく変わります。SNSが顕著な例で、ユーザーの印象に残る画像は拡散効果も高く、ブランディングには欠かせません。
そこで、重要になるのがアップされる画像のトンマナです。華やかなのか、シックなのか、スタイリッシュなのか、親近感を湧かせるのか、その方向性は様々です。画像はサムネイルでまとめて表示されるため、画像に統一感があれば、ユーザーに強い印象を与えることができるのです。

画像に統一感を持たせるためには、できれば画像の品質管理者を1人に決めるのがよいでしょう。感性は個々のセンスによるところが大きく、別の担当者が同じトーンの画像だと判断しても、画像をまとめて見た際にトンマナがブレるというケースもあります。
また、事前にSNSのコンセプトをしっかりと固めておき、それにふさわしい画像を用意することが重要です。
ブランドを浸透させるためには、ブレは許されません。どれだけトンマナを守り抜けるかが、ブランディングの成否につながるのです。

まとめ

トンマナに人格設定をして、チームや組織内でイメージを共有することも一つの手

ブランディングをするためには、ユーザーに企業の伝えたいメッセージを正確に伝え、共感してもらう必要があります。そのためには、「トンマナ」を統一させることが重要です。特に、WEBでブランディングを行う際は、より多くのユーザーに訴えかける必要があるため、企業の「カラー」をわかりやすくしておく必要があるのです。

ブランディングは組織的に行われることが一般的で、様々な部署が連携するためには自社の「ブランド」に対するイメージの共有が求められます。その際に大いに役に立つのがトンマナなのです。

さらに社内のイメージの共有を深めたいということであれば、トンマナに人格を持たせるのも一つの手です。なぜなら「あの人であればこうするだろう」と想像できることは、チームや組織内でのイメージの統一に効果があるためです。これからのブランディングの成否はトンマナの統一とその有効活用にかかっているのでしょう。