Web記事はタイトル

WEBマーケティングで重要なのは、ユーザーを如何にWEBコンテンツへ導くかです。例え良質なコンテンツを揃えたとしても、ユーザーに見つけてもらえなければ意味がありません。

そこで大きな役割を果たすのが、コンテンツの「タイトル」です。WEBコンテンツにおいては、ユーザーの8割がタイトルだけを見て、その記事を読むかどうかを決めるとも言われています。検索結果で上位に表示されたとしても、タイトルがユーザーに響かなければ、クリックされない可能性もあるのです。

今回は、ユーザーのクリックにつながる「タイトル」のつけ方について考えてみたいと思います。

WEBコンテンツでは、均一化したタイトルが増えているのが現状

タイトルの重要性はWEBに携わる人間にとって周知の事実で、タイトルのつけ方を教授する記事もインターネットに溢れています。方法論としては正しいとは思うのですが、それが定番のスタイルとして広まってしまったために、どこも同じ様なタイトルばかりで少し食傷気味という印象は否めません。

「正しい」タイトルだとしても、それが検索結果にずらりと並ぶとその「正しさ」は平均化され、無個性なものに感じられてしまうのです。

WEBマーケティングでは、如何に他社と差別化を図るかがポイントとなるはずなのですが、ユーザーをコンテンツへと導くタイトルが均一化しているのは皮肉な結果です。

そこで、本コラムでは、4つのポイントでタイトルのつけ方を考えてみたいと思います。

検索エンジンではなく、ユーザーを意識したタイトルのつけ方が重要

最初に取り上げたいのは「タイトルの緩急」についてです。現在、タイトルのつけ方で鉄則となっているのは、「記事のタイトルは全角32文字以内で収める」ということです。これは検索結果の表示に則ったもので、全角32文字以内であればタイトルがすべて表示されるため、ユーザーに内容を一目でわかってもらえるはずという「正しい」考え方です。

しかし、ユーザーにタイトルを全部読んでもらえるという先入観は捨ててしまいましょう。これだけネットに情報が溢れる状況で、読むか読まないかを決めるユーザーの判断は一瞬です。練りに練ったタイトルなのだから、ユーザーも吟味してくれるはずというのは甘い考えなのです。

文字数と併せてよく語られているのが、「『重要なキーワード』はなるべくタイトルの最初に持ってくる」ということです。確かに重要なキーワードを最初に持ってくることで、ユーザーの興味を引くことはできます。しかし、これは諸刃の剣でもあります。自社にとっては重要なキーワードでも、ユーザーにとってそれがありふれた言葉であれば、「またか」という失望感をタイトルから覚えるのです。

落語に「まくら」というものがあります。演目に入る前の導入部分を指すのですが、内容は噺す演目の説明であったり、落語家の自己紹介であったり、様々な形をとります。目的は聴衆を演目に引き込むためで、この「まくら」の出来がいいと同じ演目でも新鮮な気持ちで聴き入ることができるのです。

これはWEBコンテンツでも同様で、タイトルに一工夫あれば、似たような内容でも新たな気持ちでユーザーは閲覧することができるのです。

では、実際にどのような方法があるのか考えてみましょう。
WEBで重視されるのはやはり視覚効果です。ただキーワードを入れるのではなく、カギカッコや記号を活用して、ユーザーの目をとめることを狙うのがいいでしょう。使いすぎると目が滑っていくので、ポイントを押さえることが重要です。

漢字とカタカナを並べるのも効果的です。日本語特有の性質として、文字の表記そのものがイメージをかき立てるという点があります。漢字であれば「古くからあるもの」「しっかりとしたもの」、カタカナであれば「新しいもの」「スピード感」といった印象が無意識のうちに働きます。その印象をうまく利用することで、ユーザーに何か「気になる」という気持ちを芽生えさせることができるのです。相反する単語を並べることでも、ユーザーの「気になる」気持ちを刺激することができます。

次に重要なのは、やはりキーワードの使い方でしょう。タイトルが使い慣らされたビッグキーワードのみで構成されていては、ユーザーも飽きが先んじてしまいます。

そこで、検索数に関係なく、記事を象徴するようなキーワードをビッグキーワードと一緒に並べることで、「これは他の記事とは違う」と思わせることが可能になります。

スモールキーワードを思い浮かべる方もいるかとは思いますが、検索数だけで見てしまうと記事の内容とはかけ離れたタイトルになる可能性があるため、あくまでも検索数がそれほどでもなく、内容を象徴するキーワードを探すことがポイントです。

このように、ユーザーにタイトルを読ませるための工夫がまずは必要となるのです。

「数字」の持つ「具体性」はイメージを喚起するとともに、ユーザーをふるいにかける

次は「数字」の使い方です。数字が持つ強みはその「具体性」です。タイトルに数字を入れることで、内容がはっきりとするため、タイトルには必ず数字を入れるべし、というような暴論も見かけることがあります。

確かに数字を入れることで、「何がどうなるのか」という内容が明確に示されます。また、「○○の10のコト」や「△△ベスト30」といった文言がタイトルに入ることで、ユーザーはある程度記事のボリュームを想像することができます。

しかし、それは同時にユーザーをふるいにかけているということも知っておく必要があります。ダイエットをしているからといって、誰もが「1週間で3kg」やせたいわけではありません。具体的な数字を示すことで、離れるユーザーもいるのです。記事がユーザーの目標を勝手に設定するなどもってのほかです。記事のターゲットや内容を精査した上で、数字を入れるようにしなければ、逆効果になることがあると心得ておきましょう。

扱いの難しい数字の例としては、「年月日」も挙げられます。年月日を入れることで、その時点で最新の情報だとユーザーに印象付けることができますが、同時に記事の普遍性が損なわれることになります。例えば、2018年に2015年の占いの記事を読む人は少ないでしょう。しかし、七夕やクリスマスといった日付自体に意味がある場合は、その時期が来るたびに記事がユーザーの目に触れやすくなるという効果もあります。

数字の持つ強いメッセージをコンテンツにどう活かしていくのか、よく考えてから使うようにしましょう。

ユーザーの長期的な信頼を獲得するために、タイトルと内容は必ず一致させること

「タイトルと記事の内容がどれだけ一致しているのか」ということも重要なポイントです。
WEBマーケティングは継続的に行う必要があります。記事を1つ読んでもらえばそれで終わり、というものではありません。そのため、扇情的なタイトルや誇張的なタイトルでユーザーを集めて、内容が伴わなかった場合は、大きなしっぺ返しを食らうことになります。

ユーザーが自社のWEBサイトから遠ざかるだけならまだいいのですが、ユーザーが「アンチ」として目覚めてしまうとその後のマーケティングに大きな影響を与え兼ねません。タイトルはユーザーに対して誠実であるべきです。

ここで重要なのが、タイトルと内容を一致させる必要はあるのですが、タイトルですべての内容を語ってはいけないということです。タイトルはユーザーにある種の期待感を抱かせます。そのため、内容がタイトルどおりのものでしかなかった場合、ユーザーはどこかがっかりしてしまうのです。逆に、タイトルから想定した内容にプラスαが感じられた場合、ユーザーのサイトや記事に対する好感度は上がります。出しすぎないことも、時には必要なのです。

また、ユーザーに親近感を与えるために口語的なタイトルが好まれる傾向がありますが、それは内容によりけりです。あまりに砕けた表現のタイトルになることで、記事の内容の信頼性が落ちるケースもあります。タイトルと内容に加えて、論調も一致させることでより正確なメッセージをユーザーに伝えることができるのです。

そのためには、記事の執筆後に本当にそのタイトルがふさわしいのか、見直すことが重要です。小手先のテクニックやSEO対策のために、一度設定したタイトルをいじらないケースもあるようですが、WEBコンテンツはあくまでもユーザーのために用意されたものであることを忘れないことが大切です。

タイトルで記事の方向性を示しておくことで、無用な争いを避けることができる

最後に、タイトルでは「記事のスタンスをはっきりさせること」が重要です。
記事がユーザーに「回答」を与えるものなのか、それともユーザーの「共感」を呼ぶものなのか、タイトルの時点ではっきりさせておく必要があります。

よく紹介されているテクニックに「タイトルを疑問形にするとよい」と示されることがありますが、必ずしもそうではありません。WEBコンテンツにおいて、疑問を提示した場合は、必ず回答を用意しておかなければいけません。ユーザーがそれを期待するためです。

記事の内容にタイトルの疑問に対する回答がなかった場合や、意図的にポイントをすらした回答を示した場合、ユーザーに不誠実と見られ、大きく信頼を落とすことになるでしょう。

完全には解決できない「共感」にとどまるのか、明確に結果を出せる「回答」まで与えられるのか、タイトルでスタンスを示しておくことが重要です。

取り上げるテーマに対して「肯定」なのか「否定」なのかという立場をはっきりさせることも、これに当たります。無用な「炎上」を招かないためにも、ユーザーに端的に自社の立場を伝えることが求められるのです。

近年はタイトルや記事の一部を切り抜いて、自分の都合のいいように利用するものもいます。二重否定を使ったタイトルなどは少し区切りの位置を変更するだけで、全く反対の意味にもとられます。ですから、できる限りシンプルにわかりやすく伝えることが重要です。

まとめ

「読ませる」のではなく、「読んでもらう」という気持ちを忘れないことが重要
タイトル一つで、ユーザーが記事を読むのか読まないのか左右されるため、タイトルのつけ方に悩む企業は少なくありません。小手先のテクニックでは、紋切り型のタイトルが量産されるばかりで、ユーザーを記事に引き込むには至りません。

今回の記事では4つのポイントに絞って考えてみましたが、これがすべてではありません。
タイトルを考える際は、どうしても目の前の記事のことしか頭にないため、サイト全体や他の記事の存在が考慮されない傾向があります。

しかし、タイトルも立派なWEBコンテンツの1つです。資産としてサイトに残り続けることを忘れてはいけません。記事を一覧表示させたときに恥ずかしくないタイトルをつけることが重要なのです。
テクニックやSEO対策を盛り込んだタイトルを考えるのではなく、ユーザー目線を忘れずにその期待や信頼を裏切らないタイトルをつけることが大切なのだと思います。