SNS広告の特徴

スマートフォンやタブレット端末の台頭で、時や場所を選ばずインターネットへのアクセスが自由にできるようになりました。その事実がビジネスに与える影響は大きく、企業はインターネットへの対応を余儀なくされています。

消費者のライフスタイルが変わったことで、チラシ広告やTVCMなど従来の広告手段だけでは企業が届けたい情報を消費者に届けることができず、より多くの消費者の目に触れる可能性のあるインターネットを宣伝広告の場として活用せざるを得なくなったためです。

今回は、そうしたインターネット広告(以下、ネット広告)の中で、コミュニティの力を借りることで広告効果を高める「SNS広告」について解説したいと思います。

ニーズに合わないネット広告はユーザーから避けられる傾向にある

ネット広告とは、インターネットのメディアによって用意された有料の広告枠に掲載される広告のことです。代表的なものとしては、検索エンジンの検索結果に表示される検索連動型の「リスティング広告」や、GoogleやYahoo!のサービスサイトや提携サイトの広告スペースに表示されるコンテンツ連動型の「ディスプレイ広告」などがあります。

ネット広告の特徴は簡単な登録と設定で素早く出稿できる点にあります。また、クリック課金型の広告も多いため費用対効果が高く、広告を表示させるユーザーを細かく設定できることから、広告の無駄打ちを減らすことができます。他にも、広告をリアルタイムで運用することができるため、ユーザーのニーズに合わせて広告を改善していくことができます。

しかし、近年はユーザーの間で「リスティング広告」や「ディスプレイ広告」の存在への認知が広まったことで、意識的に広告を避けるユーザーが増え、以前よりもクリック数が伸びないというのが現状です。
これはユーザーのニーズに合わない広告が表示されることで、ユーザーの広告に対する警戒心が強まっていることが原因の一つだと考えられます。

リスティング広告やディスプレイ広告はオークション形式での出稿となっているため、必ずしもターゲット設定がうまくいっている広告がユーザーに対して表示されるわけではありません。そのため、自身のニーズから外れた広告を表示されたユーザーはネット広告に対して不快感を覚え、広告の存在を邪魔だと感じてしまう傾向があります。

ネット広告では、どれだけ詳細に、そして適切にターゲットを設定できるかが重要なのです。

「少数」を理解し、「少数から多数へ」と広げていけることがSNS広告の強み

適切なターゲット設定を行うためには、ユーザーの情報や趣向をしっかりと把握する必要があります。しかし、様々な属性や趣味趣向を持つユーザーが集まるインターネットにおいて、それらの情報を把握し、分類することは容易なことではありません。

そこで白羽の矢が立ったのが「SNS」です。「Facebook」や「Instagram」、「Twitter」といった様々なSNSが存在しますが、そこにはユーザーの年齢や性別、住んでいる地域といった属性や興味を持つ対象などの情報が登録されています。

SNS広告もネット広告の一種ですが、これらの情報を元にユーザーを分類することができるため、他のネット広告と比較して、より適切なターゲット設定を行うことができます。

また、SNSのタイムライン上に通常の投稿と同じ形式で配信されるため、比較的視認率が高くなる傾向があります。そして、この通常の投稿と同じ様に扱われるという部分が、SNS広告の大きな強みとなります。ユーザーのニーズを捉えた広告は、ユーザーの評価に直結する「いいね」機能や、情報の拡散につながる「シェアボタン」および「リツイート」機能により、より多くのユーザーに拡散し、波及効果をもたらします。これはユーザー同士が独自につながるコミュニティの影響が大きく、企業だけでは把握できない潜在顧客の掘り起しにもつながります。

SNS広告はターゲットを絞り込むため、少数への広告だと思われがちですが、その実は「少数から多数へ」広げていく広告でもあるのです。

SNS広告ではそれぞれのSNSの世界観を理解し、それに合わせた運用が求められる

しかし、SNS広告には大きな注意点があります。それはそれぞれのSNSにそれぞれの世界観があるということです。一口にSNSと言っても、中心となるユーザー層は様々で、投稿内容にもそれぞれの特色が出ます。ですから、全く同じ広告を複数のSNSをまたいで配信しても意味はなく、逆にユーザーから世界観を乱したと判断され、反感を買う恐れさえあるのです。

SNS広告を活用するためには、ユーザーに加えて、SNSそれぞれの特色を押さえておく必要があるのです。そこで、ここからはSNS広告の中でも代表的な「Facebook広告」「Instagram広告」「Twitter広告」の3つの特徴をご紹介します。

Facebook広告

Facebookは、約2,800万人(2017年9月時点)の国内ユーザーを持ち、30代と40代の男女がその中心となっているSNSです。

Facebookでは実名登録が基本となっている他、ユーザーの細かな属性情報が登録されています。そのためFacebook広告では、他の広告媒体と比べて精度の高いターゲット設定を行うことができます。

また、Facebookでは実際に面識のある友人や知人とのつながりがコミュニティの中心となるため、内向きになる傾向があります。この傾向により投稿には一定の責任が求められますが、その分投稿の信頼性が上がります。

一方で、情報の確度が精査されることにより、情報の拡散力やそのスピードが他と比べて落ちる傾向にあります。ですから、Facebook広告には、マスマーケットを狙う商品より「信頼性」を強く求められる商品やサービスの方が向いていると言えるでしょう。

Instagram広告

Instagramは、国内で約2,000万人のユーザー(2017年10月時点)を集めており、特に若い女性を中心にユーザーが急増しているSNSです。写真の投稿がメインとなるInstagramですが、「インスタ映え」という言葉を生み出したようにおしゃれでキャッチーな写真が好まれる傾向があります。

FacebookやTwitterのような投稿の拡散に特化した機能はありませんが、「インスタグラマー」と呼ばれるインフルエンサーに取り上げられることで、特定のコミュニティで爆発的な拡散が行われることがあります。

写真に撮って見栄えがすることが重視されるため、有効活用できる業界はある程度制限されますが、「ファッション」「グルメ」「旅行」に関する情報へのユーザーの感度は高く、視覚から訴えかけることで情報の浸透力も比較的高い傾向があります。

Twitter広告

Twitterは、特に日本での人気が高く、約4,500万人の国内ユーザー(2017年10月時点)を有し、10代や20代の若い世代に利用者が多いSNSです。匿名性が高いことから、自身の趣味を介した「ゆるいつながり」となる傾向があり、自身にとって有益な情報を求めて利用するユーザーが多いようです。

その「ゆるさ」からユニークな投稿がユーザー内で注目を浴びることも多く、企業が自社のブランディングに活用するケースも見受けられます。

また、情報の拡散力が高く、拡散スピードも速いことから、企業の販促キャンペーンとの相性がよく、「リツイート」機能と絡めることで広告を幅広いユーザー層に向けて、爆発的に拡散することができます。

ただし、その拡散力は企業の対応ミスにも発揮されるため、自社商品の広告を行うつもりがユーザーの「炎上」を招き、企業のマイナスイメージが広がってしまうという危険性もあります。

これらのSNS広告に共通するのが、広告は生き物であり、適切なターゲットに適切なタイミングで配信するというきめ細かな運用ができなければ効果が出ないという点です。

まとめ

流行に乗るのではなく、明確な目的を定めて広告を運用していくことが重要

スマートフォンやタブレット端末から気軽にインターネットにアクセスできるようになった今、企業としてはそれをマーケティングに活用しない手はありません。

しかし、インターネット広告の主導権はユーザーにあり、ユーザーの興味を引けなければ見向きもされないという難しさがあります。そのためには、ユーザーに合わせた広告を提供する必要があり、ユーザー情報から細かなターゲット設定ができるSNS広告に注目が集まるのも自然なことだと言えるでしょう。

また、SNSにはすでにユーザーのコミュニティや世界観が形成されているため、それをうまく活用できれば広告効果を一気に高めることができます。しかし、そのためにはユーザーを正確に分析し、適切に広告を運用していく必要があるのです。流行だからと安易に飛びつくのではなく、明確な目的を持って広告に臨むことが重要なのでしょう。