リード

企業が事業や利益の拡大を目指す際、新規顧客の開拓が求められます。しかし、新規顧客を開拓するためには、まず潜在的な顧客、つまり「リード」を掘り起こす必要があります。

リードと一口に言っても、自社の商品やサービスに関する情報を伝えれば誰もがリードになるわけではなく、リードの関心を自社へと向かせて初めて商機の可能性が芽生えるのです。また、リードになったからといってすぐに自社の顧客となるわけでもなく、今度はリードを顧客にまで育成するという“水やりの時期”が必要になります。

今回は、企業の成長のために切っても切れない関係である「リード」について解説したいと思います。

企業が成長していくためには、リードを新規顧客へと育てることが最重要課題

「リード(Lead)」とは、「手がかり、糸口、きっかけ」という意味を持つ英単語ですが、マーケティングの分野では「見込み客」という意味で使用されます。この「見込み客」という言葉がくせもので、同じ社内であっても部署によってその定義が変わるというのが実情です。

例えリードの定義が同じであったとしても、リード一人ひとりで商品やサービスへの関心度合いが異なるため、やはりひとまとめにして扱うことはできないのです。では、なぜそのように定義の難しいリードの存在が重要視されるのかというと、リードの存在がマーケティングの要となるためです。

食料品や日用品であれば、同じ顧客に定期的に商品を購入してもらうことができます。しかし、それ以外の分野では、同じ顧客に短期間で何度も同じ商品を購入させることは難しく、企業が成長するためには新規顧客の獲得が必須となります。そのため、新規顧客につながる可能性のあるリードの獲得に多くの企業が躍起になっているというわけです。

創出・育成・絞り込みといった3つのステップが、リードの価値をより高めるものとなっている

マーケティングにおいて、リードが話題に上る際、「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」の3つがセットで語られることがほとんどです。これらはリードを顧客へと育てる一連の流れを示すもので、それぞれが重要なステップとなります。

1. リードジェネレーション

「リードジェネレーション」とは「見込み客の創出」を指します。自社の商品やサービスに興味を持ち、将来的に顧客となる可能性を秘めた企業や消費者を開拓するための活動で、まずは自社の商品やサービスを知ってもらうことから始まります。

リードジェネレーションには、「アウトバウンド型」と「インバウンド型」の2種類があります。

・アウトバウンド型

まずは、展示会やセミナーを企画し、名刺交換やアンケート調査を来場者に行います。その情報を元にリスト化し、電話やメールで継続的にアプローチしていく従来のマーケティング手法が「アウトバウンド型」となります。
新聞や雑誌、TVやWEBに広告を出稿することで、不特定多数の企業や消費者に向けて認知度を高める方法もアウトバウンド型に分類されます。

プッシュ型のアプローチがメインとなるため、自ら情報収集を行わない受動的な消費者や、押しに弱い消費者に対して有効な方法です。

しかし、インターネットが発展し、スマートフォンやタブレット端末が台頭したことによって、容易に情報が収集できるようになった昨今、見込み客の創出でも苦戦が続いています。特に、単価が高く、購入までの比較検討期間が必要となる商品やサービスでは、事前の下調べが当たり前のものとなっているので、強引なプッシュ型のアプローチは逆効果となるケースもあるようです。

・インバウンド型

「インバウンド型」は、技術の発展もあり近年よく用いられるようになってきたマーケティング手法です。オウンドメディアやメールマガジンといったコンテンツを通じて、見込み客に有益な情報を継続的に提供していくことで、見込み客の方から問い合わせてくるように働きかけていきます。

相手のアクションを企業が待つ手法となるため、成果が出るまで時間が必要となります。一方で、アウトバウンド型と比べて、マーケティングコストがかからず、WEBサイトのコンテンツは資産として残っていくため、継続的に見込み客を創出していけるという利点があります。

2. リードナーチャリング

「リードナーチャリング」とは「見込み客の育成」を指します。電話やメールを介して有益な情報を提供することで、見込み客と接点を持ち続け、見込み客の商品やサービスへの関心を高めていきます。

近年は、WEBサイトやSNS、メールマーケティングなどのコンテンツを通じて、見込み客との結びつきを強め、自社の商品やサービスへの関心を高めていく方法が主流となっています。そのため、リードジェネレーションとリードナーチャリングが一貫して行えるWEBマーケティングに取り組む企業が増えています。

3. リードクオリフィケーション

「リードクオフィケーション」とは「リードの絞り込み」を指します。育成している見込み客の中から、自社の商品やサービスへの関心が十分に高まり、気持ちが購入へと向かっている見込み客を選び出すことで、見込み客のリストを絞り込みます。

現在は、リードクオリフィケーションを助けるマーケティングオートメーション(MA)というシステムの登場で、より精度の高い見込み客の絞込みが可能になっています。

MAでは、企業のマーケティング活動で発生する定型的な業務や、膨大なコストや時間がかかる複雑な処理を自動化することができるため、マーケティングを効率的に行えるようになります。

また、見込み客のデータベースを一元管理することができ、WEBサイトの閲覧やメールの開封といった見込み客の行動をスコアリングする機能も有するため、見込み客の関心度合いを正確に測り、最適なタイミングでアプローチできるようになっています。

他にも、電話やメールで継続的に接点を持ち続けることで、見込み客との関係性を維持・強化する「インサイドセールス」という考え方が、最近では注目を浴びていることもあり、「リード」に対する意識は、今後益々高まっていくと見られます。

まとめ

状況にいち早く適応し、新たな取り組みにも積極的にチャレンジする姿勢がリード創出の鍵

企業が新規顧客を開拓し、事業を成長させていくためには、何よりもまずリードの創出が求められます。
一方で、リードの定義は同じ社内でも異なるケースが多く、リードを顧客に育成するという最終目的を共有しておくことが重要です。

インターネットの発展で、リードを顧客へと育成する方法も様々なものになっています。また、MAやインサイドセールスなどリードに関する取り組みを効率化してくれる要素も増えています。このような状況にいち早く適応し、新しい取り組みにも積極的にチャレンジしていく企業が今後の競争を勝ち抜いていくのでしょう。