米ブランディング会社のインターブランドが10月4日、企業の「ブランド評価ランキング」を発表しました。このランキングの中で、AppleとGoogleが6年連続で1位2位を受賞。日本勢ではTOYOTAが7位にランクインしています。このように企業のブランド力を高く評価されている企業は、何が違うのでしょうか。

今回は、社会的イメージを構築する“企業ブランディング”について、その必要性と構築方法について考えてみたいと思います。ランキングに登場するような大企業だけに関係がある話ではありません。すべての企業にとって事業を継続していく上で非常に重要な取り組みです。

企業ブランディングとは

企業ブランディングとは、その企業の魅力や特徴を社会的に認知させることです。AppleといえばiPhoneやMacbookを思い浮かべるかもしれません。ただし、それら商品へのイメージはあくまで「プロダクトブランディング」であり、企業ブランディングではありません。その企業にどのような人が働いていて、社会に対してどのような価値を提供しているのか、企業単位で積み重ねてきたものが企業ブランディングです。Appleでいえば“革新的なプロダクトを生み出す企業”“高いデザイン力がある企業”といったイメージのことを指すでしょう。また、プロダクトブランディングが「消費者」から受けるイメージなのに対して、企業ブランディングは株主や取引先、従業員など、あらゆる関係者を対象とします。

企業ブランディングによって得られるメリット

では、現代の企業活動において、なぜ企業ブランディングに力をいれるべきなのでしょうか。実施することで得られる3つのメリットについて見ていきましょう。

①文化が生まれ組織力が高まる
企業ブランディングが浸透すると、その企業の存在意義や進むべき方向性が明確となり、働く従業員は自分たちの仕事がどのように社会に貢献しているのかを理解することができます。そうすると、仕事に対する「誇り」や「満足感」を感じやすくなり、従業員のモチベーションがあがると考えられます。組織の色が明確になることで、採用のミスマッチも減らすことができます。組織力を向上させるために、非常にポジティブな効果を期待できるでしょう。

②マーケティング戦略の一環となる
企業のブランディングが消費者に浸透すると、「○○なら△△」といったイメージによって競合優位性を持つことができます。過去の取り組みやプロダクトの中で企業の魅力や特徴を認知してもらえていると、その企業に共感する人が消費者となります。「あの企業のものなら試してみよう」と感じてもらうことができるのです。

③事業運営の資金を調達しやすくなる
投資家や銀行は投資の意思決定を現状の経営状況によっておこないますが、未来にむけての“将来性”も十分に加味されることとなります。その将来性とはどのように図ることができるのか。それは市場を把握し、自らのポジションを理解し、優位性を打ち出していけるのか。つまりブランディング活動の計画性が描けているのかに他なりません。そのため、企業ブランディングを上手く実施できている企業は、資金調達の際も有利に進めることができると考えられます。

企業ブランディングは「企業のことを知る」ことから始める

企業ブランディングは抽象的であり、何から手をつけていいかわからないとの声を多く聞きます。確かに、あらゆる要素を包括する企業ブランディングには正解が無く、様々なアプローチの方法があります。ただ、まずはじめに行うことはどの企業も変わりません。それは、“自分たちのことを知る”ということです。簡単なことのようで、実は自分たちのことを深く理解できている企業はそれほど多くありません。

自分たちの強みと弱みはどこにあるのか?業界の中でのポジションは?競合に対する優位性はどこにあるのか?それらを徹底的に分析することから始まります。SWOT分析や3C4P分析といったフレームワークを利用するのも良いでしょう。

まとめ

企業ブランディングを実施したとしても、あらゆる関係者に理解してもらい、浸透するまでには長い期間と労力が必要です。外部の関係者に打ち出すのに従来はマス広告を利用することがほとんどでしたが、近年ではその手法も多様化してきました。自らでオウンドメディアを運営し、自由に情報を届けることができます。また、企業出版という形で本によって自分たちのことを知ってもらうという手法もあります。

いずれにせよ、継続的なコミュニケーションが不可欠です。近年、企業ブランディングの重要性が見直されていますが、実行するためにはそれなりの時間とコストが必要です。最近では、企業ブランディングを専任とする部署を設置する企業も増えてきているようです。今一度自社のブランディングへの取り組みを考え直してみてはいかがでしょうか。