パンくずリスト

WEBサイトを閲覧していると、コンテンツの左上に、ユーザーがサイト内のどこに居るのか表示されることがあります。TOP画面から現在見ているページまで「>」でつないである部分のことです。これは「パンくずリスト」と呼ばれるものなのですが、なぜこのようなものが表示されているのか、不思議に思ったことはないでしょうか?

今回は、「パンくずリスト」が何のために存在し、どんな効果があるのかについて考えてみたいと思います。

パンくずリストはユーザだけではなく、クローラーにとっても「道しるべ」となる

「パンくずリスト」とは、WEBサイトの構造をわかりやすく視覚化したもので、ユーザーがWEBサイトのどの位置(階層)に居るのかを示すものです。

breadcrumb-list

上の画像の赤枠で囲まれた部分がパンくずリストとなります。童話『ヘンゼルとグレーテル』で、主人公が森で迷子にならないように、道しるべとしてパンをちぎって道においていったエピソードに由来するものなのですが、この「道しるべ」という部分がパンくずリストにとって大きな意味を持つのです。

パンくずリストはサイトに訪れたユーザーのために用意するものだと考えられる傾向がありますが、実はそれだけではありません。

ここでは、パンくずリストの持つメリットを3つ紹介します。

1.ユーザビリティの向上

パンくずリストがあることで、ユーザーはサイト内のどこ(どの階層)に居るのかを一目で知ることができます。基本的にパンくずリストでは、コンテンツのカテゴリーを示す言葉が間に挟まれます。そのため、ユーザーが記事の内容に興味を持ち、関連する記事も読みたいと思った際に、カテゴリーにさかのぼることで多くのコンテンツに触れることができるというメリットがあります。また、カテゴリー名から大よその記事のテーマを知ることができるのも利点です。

このようにパンくずリストをユーザーの道しるべとして用意することで、サイトを巡回しやすくなるため、ユーザーの回遊率を高めることができるのです。

2.クローラビリティの向上

「クローラビリティ」とは、クローラーの巡回しやすさを指します。サイトを巡回するのはユーザーばかりではありません。検索エンジンがクローラーというプログラムを走らせることで、サイトやページを巡回して情報を収集しています。クローラーはサイト内のリンクをたどって巡回しているため、パンくずリストでサイト内のどの階層にどのようなコンテンツがあるのか示すことにより、クローラーの巡回を手助けすることができるのです。

それらの情報はすべて検索データベースに反映されるため、検索結果により適切な形で表示されることになります。検索結果とコンテンツの内容が一致しているかどうかは、ユーザーの評価にも関わる部分なので、SEO対策にもなります。

3.内部SEO対策

パンくずリストを有効活用することで、内部SEO効果を高めることができます。検索エンジンのクローラーがサイトやページを巡回していることは先述しましたが、クローラーはサイト内の階層構造に従って、サイト内のリンクをたどり、リンク先のテキストを確認するという手順を踏みます。

その際、クローラーは、テキストや画像、動画などあらゆる情報を取得していきます。ですから、その通り道にSEO対策になるキーワードを散りばめておくことは、検索順位を上げることにつながるのです。パンくずリストにはカテゴリーや記事のタイトルを表示できるため、特別な施策を行わなくとも自然とSEO対策につながるというわけです。

カテゴリー構成やコードの記述など、パンくずリストを有効活用するためにはしっかりとした準備が必要

パンくずリストはサイトの階層構造を視覚化するためのものなので、パンくずリストを設定する前に、サイトのカテゴリー構成を明確にしておく必要があります。

例えば、電機メーカーの商品紹介のサイトで、
「トップ>生活家電>冷蔵庫」といったパンくずリストがある場合、サイト内のページの位置がわかりやすくなります。

しかし、もし「トップ>生活家電>冷蔵庫>エアコン」というパンくずリストが表示されてしまった場合、ユーザーは冷蔵庫の下位コンテンツにエアコンがあることに戸惑い、サイトの情報をイマイチ信用できなくなってしまいます。

普通に考えれば起こり得ないことですが、「冷蔵庫」と「エアコン」のコンテンツが別々の階層に置かれ(この場合「冷蔵庫」の下の階層に「エアコン」のコンテンツが置かれている)、関連リンクでつながっている場合には、このように表示されるケースもあるのです。ですから、同位のコンテンツはなるべく同じ階層に配置し、シンプルなカテゴリー構成にしておくことが重要です。

しかし、コンテンツによっては、1つのページにたどり着くまでに複数の経路が用意されている場合があります。
ユーザビリティを上げるためには重要なことですが、SEO対策としてどう判断されるのかは気になるところです。
Googleでは、基本的に1つのパンくずリストでの対応を推奨していますが、2~4個の範囲であれば特に大きな影響はないようです。

ただし、クローラーが複数のパンくずリストを見つけた場合は、ページのソースコードで最初に記述されているものを取得するとしています。

一方で、Googleが推奨するmicrodataによる構造化マークアップで特定のパンくずリストを指定しておけば、クロールの際にもそれが優先されることがあるようです。
ちなみに、構造化のマークアップとは、WEBページを構成しているソースコードを文字列として認識させるための方法となります。ですから、複数パンくずリストを設定する際は、SEO対策として効果のあるもの最初に記述しておき、ユーザビリティを向上させるリストをその後に続けるのがよいでしょう。

まとめ

コンテンツの評価を上げるためには、その質と使いやすさの両立が求められる
パンくずリストは、自社のWEBサイトに訪れるすべての対象にとって「道しるべ」となる存在です。コンテンツが少なかったり、サイトの構造がシンプルだったりする場合は、どうしても軽視されがちですが、ユーザーに対しても、SEO対策としても重要な役割を果たします。

しかし、SEO効果を狙いすぎて、パンくずリストを複雑化させては意味がありません。あくまでもユーザビリティの向上を目的とすることで、サイトの評価へとつながるのです。そして、それはパンくずリストで示された先のコンテンツの質が最も重要だということに他なりません。

ユーザーがコンテンツに触れやすくなればなるほど、今度はその内容が吟味されるためです。サイトの設計でも、コンテンツの作成でも、ユーザー目線を忘れないことが最も重要なことなのでしょう。