AMPって導入すべき

WEBマーケティングを進めていく上で、スマートフォンやタブレット端末の存在は外せません。しかし、サイトの中には、いまだスマホやタブレット端末への対応が不十分で、文字の見づらさや操作の面倒さに不満を覚えているユーザーも少なくありません。

Googleはモバイルサイトの利便性向上を促すために、2018年3月にモバイルサイトの評価を優先する「モバイルファーストインデックス」の適用を本格的に開始しています。GoogleとTwitterが連携して進めたプロジェクト「AMP」もこうした取り組みの一環です。

今回は、「AMP」のメリット・デメリットを見ていくことで、その導入の是非について考えてみたいと思います。

制限を設けたフレームワークやページのキャッシュで高速表示を可能にする「AMP」

まず、「AMP」とは、「Accelerated Mobile Pages」の略称で、モバイルサイトの高速表示を目的とした仕組みのことです。
AMPは基本的に「AMP HTML」「AMP JS」「Google AMP Cache」の3つで構成されており、既存のHTMLやJavaScriptを制限することでやり取りされるデータ量を削減し、モバイルサイトの高速表示を可能にしています。

また、AMPの仕様に沿って作成されたモバイルサイトは、GoogleやTwitterにページがキャッシュとして保存されます。該当のモバイルサイトに訪れたユーザーはそのキャッシュにアクセスするために、通常のWEBサイトへの読み込みよりも時間が短借され、高速表示されるのです。

では、なぜGoogleはAMPの導入を推奨しているのでしょうか?

Googleは2015年にスマホによる検索数がPCによる検索数を超えたことを公式アナウンスしており、スマホやタブレット端末への対応を日に日に強めています。その一環として、GoogleはAMPの他にも、WEBサイトの評価の基準としてモバイルサイトを優先する「モバイルファーストインデックス」を適用しています。
その一方で、Google広告では、早くからWEBページの表示速度がビジネスに与える影響に注目しています。モバイルユーザーは、WEBページの表示に10秒以上かかると、49%がサイトを離れるという調査報告もあり、AMPによる高速表示を求めているわけです。

AMPがSEOに与えるメリットは現状では極わずか

ここからは、AMPを導入することで得られるメリットについて見ていきましょう。AMPの最大のメリットは、当然ながらモバイルサイトのページが高速表示される点です。Googleによると、「AMPのテクノロジーを利用しているWEBページは、従来に比べ平均4倍の速度で表示され、データ量も約1/10に抑えられるため、ほとんどのページが瞬時に表示される」とのことです。

また、AMPに対応しているページは、Googleのモバイル検索の結果で表示されるトップニュースのカルーセル部分に表示されることがあります。具体的な掲載基準は公にされていませんが、ニュース性のあるトピックで、比較的新しい記事が表示される傾向にあるようです。AMPを導入したからといって、確実に表示されるわけではないのですが、検索画面上で非常に目立つので、ユーザーの集客には効果的です。

ちなみに、大手新聞社、TwitterやLINEなどのSNSメディア、WordPressなどがすでにAMPに対応しており、特にニュース配信系のWEBサイトはカルーセル表示による恩恵を見込んでのものと推測されます。

そして、今後はSEO対策として効果が出る可能性があります。現在、AMPを導入しているかどうかで検索順位が左右されることはありません。しかし、Googleがページの表示速度をモバイル検索における順位付けの一要因としていることは周知の事実です。導入するかどうかは別として、AMPの導入方法やライバルサイトの導入情報については、引き続き気にしておきたいところです。

デザイン崩れやコンテンツ非表示の可能性などデメリットも

デメリットについても見ていきましょう。AMPを導入するには、独自の仕様に従う必要があるため、移行した際に元々のサイトを再現することが難しいケースがあります。通常のHTMLやJavaScriptで構成されているWEBサイトは、それらの機能が制限されているため、デザインが崩れたり、コンテンツがうまく表示できなかったりする可能性があります。ユーザーの快適性を重視して作られたはずのサイトが、逆にAMPによって使い勝手が悪くなるというケースもあるのです。

WordPressではプラグインでAMPに対応していますが、ただプラグインをインストールするだけでは細かなエラーが残るため、手作業で一つひとつ変更していく必要があります。そのためには、担当者の知識と労力、そして時間が必要となるため、おいそれと導入するわけにはいかない現実問題があるのです。

Google自体もAMPの恩恵を受けられるサイトは限定的であるとして、以下のように述べています。
「AMPは、あらゆるタイプの静的なWEBコンテンツ(ニュース、レシピ、映画情報、製品ページ、レビュー、動画、ブログなど)で大きな効果を発揮します。一方、動的で双方向性を重視した単一ページのサービス(地図の経路案内、メール、ソーシャルネットワークなど)にはあまり効果的ではありません」
(Googleウェブマスター向け公式ブログ「顧客のサイトをAMP化するための8つのヒント」)

つまり、自社のWEBサイトがどのようなコンテンツをメインとしているのか見極めた上でAMPを導入しなければ、相応の効果は得られないということです。現在、AMPの導入に二の足を踏むWEBサイトが多いのもこの理由のためです。
AMPの導入には手間がかかるため、メリットとデメリットの釣り合いが取れなければ、企業としては「様子見」という判断になってしまうのです。

まとめ

AMPに限らず、モバイルユーザーのために何ができるかを考えることが重要
モバイルユーザーの快適性を向上させる取り組みは、今後もトレンドとして続いていくでしょう。Google自身がモバイルへと大きくシフトしているため、SEO対策の視点からもモバイルユーザーへの対応強化は必須のものと言えます。ただし、注意が必要なのは、あくまでもそれはユーザー目線で行われる必要があるという点です。コンテンツマーケティングにSEO対策は重要な役割を果たしますが、SEOのためにコンテンツを作成しても成果にはつながりません。ユーザーのニーズを満たすという基本的な部分をおろそかにしては意味がありません。

現状、AMPはテキストと画像で構成されるシンプルなWEBサイトにおいて最も効果を発揮します。ですから、ニュースサイトやブログ、商品サイトなどはAMPを導入する意味があると言えるでしょう。しかし、たとえページの読み込みが早くとも、コンテンツに魅力がなければユーザーはサイトを訪れません。

重要なのは、AMPを導入するかどうかではなく、増え続けるモバイルユーザーのために自社のWEBサイトで何ができるかを考えることなのだと思います。