いかに良質なコンテンツをそろえたWebサイトといえども、ユーザーが訪れなければ意味がありません。そのため、SEO対策やリスティング広告に力を入れている企業が多いと聞きます。コンテンツにユーザーを集客できるかどうかは、コンテンツマーケティングの生命線となるので躍起になるのもわかります。そこで、今回は、検索上位に表示されるコンテンツとリスティング広告のそれぞれの特徴を見ながら、どちらがより集客につながるのか考えてみたいと思います。

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検索上位のコンテンツは地道にユーザーの信頼を獲得することで、クリック率も伸ばす

わかりやすいように、検索順位を上げるSEOとリスティング広告を「費用」「集客のスピード」「表示設定・管理」そして「クリック率」の4つのポイントから比較してみたいと思います。

・費用

SEOでWEBサイトを検索上位に表示させるために必要となるのは、費用ではなく、質の高いコンテンツです。SEOでは、ユーザーが「役に立つ」と感じるコンテンツが存在し、その評価が高まることで、検索順位が上がる仕組みとなっています。そのため、そのため検索順位を上げるために別途の費用がかからないことは大きなメリットとなっています。一方、リスティング広告はクリック課金型で、キーワードごとにクリック単価がオークションにかけられ、入札額の高いものが広告の上位に表示される仕組みとなっています。

そのため、人気が高く、競合の多いキーワードを使用する場合には、クリック単価が高騰する傾向があります。また、最終的に広告へ支払う金額は、クリック単価×クリック数となるため、注目度の高いキーワードでユーザーを集めれば集めるほど費用がかかることになり、広告予算の圧迫という観点からも多きなデメリットとなります。

・集客スピード

SEOでWebサイトやコンテンツが検索上位に表示されるには、ユーザーに良質なコンテンツだと評価された上で、解析・評価プログラムにより検索結果リストが再構築されるのを待つ必要があります。たとえ良質なコンテンツをそろえ、ユーザーから役に立つという評価を受けたとしても、すぐには順位が上がらないのが難点です。

検索結果リストの再構築は、数時間で終わるケースもあれば、数週間を要する場合もあるので、SEOの集客スピードに関しては、中長期で考える必要があります。大規模なキャンペーンに合わせて検索上位にコンテンツを表示させるという連動広告には向かないのがデメリットです。
それに対して、リスティング広告では、設定さえ終われば、すぐに広告が表示されるようになるため、スピーディに集客を始めることができるのが利点です。開設したばかりのキャンペーンサイトに、任意のキーワードで検索したユーザーを集めるといった広告展開ができるのが、リスティング広告の強みでもあります。

・表示設定・管理

検索結果でコンテンツが表示される際、コンテンツのタイトルや説明文は検索エンジン側で調整されるため、意図しない内容の表示になることがあります。そのため、リンクの先にはユーザーのニーズに応えるコンテンツが控えているにもかかわらず、コンテンツの説明文がユーザーにはまらなかったために、クリックしてリンク先に飛ばないという事態が起こり得ます。
また、検索後にリンクされるページを設定することができないために、ランディングページによりユーザーをコントロールすることが難しいという面もあります。

リスティング広告にも、コンテンツのタイトルや説明文に対して文字数制限や細かなレギュレーションはあるのですが、内容に関してはほぼ自由に設定できるため、それが理由でコンテンツに呼び込むはずのユーザーを逃すというケースは減らすことができます。
また、リンク先も自由に設定できるため、広告専用のランディングページを用意し、特定のコンテンツにユーザーを集めるということが可能になります。

そして、リスティング広告の最大のメリットは、広告表示のターゲティング条件を自由に設定・確認できる点です。検索ユーザーの居住地域や年齢、性別、興味の範囲など、広告を表示させる相手を細かく設定できるので、そのデータを分析することで、より適切な対象ユーザーを探ることができます。

・クリック率

SEOでは検索結果が上位になればなるほど、コンテンツへのクリック率があがります。検索エンジンに高く評価されることはより多くのユーザーのニーズに応えていることにもつながるので、検索上位に表示された時点でユーザーから一定の信頼を得ることができます。
また、作成されたコンテンツはWebサイトの資産として残るため、一度高い評価を受けたコンテンツは以降も良質なものとして扱われ続け、長期的な集客につながるというメリットがあります。
一方、リスティング広告は、ユーザーにすでに広告として認知されているため、たとえ上位に表示されていても、ユーザーの警戒心が働き、自然検索のコンテンツよりもクリック率が下がります。リスティング広告を目立たせるための工夫が、逆にユーザー避けとしての効果を生んでいるのが現状です。

SEOとリスティング広告の掲載順位別のクリック率は以下のものになります。

参考1:SEO研究所サクラサクラボ(https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/google-ranking-click
参考2:株式会社ユニアド(https://www.uniad.co.jp/230102
※SEOは2017年時点、リスティング広告は2014年時点のデータとなります

データからも検索1位に表示されることで、リスティング広告全体と比べても、検索結果の下位と比べても、クリック率に格段の差があることがわかります。

ユーザーのニーズに応えられないコンテンツは今後ますますクリックから遠ざかる

現在、コンテンツのクリック率に関しては、アンサーボックスやナレッジグラフの存在が大きな影響を与え始めています。ユーザーの検索に対して、知りたい情報を素早く提供することで、利便性を上げる機能ですが、結果的に、ユーザーがそこで満足してしまい、検索しても検索結果のリンクをクリックせずにページを離れるケースが増えているようです。今後は、簡単な解説だけでは得られない満足感をユーザーに与えるコンテンツ作りがさらに求められていくのだと見られます。

また、リスティング広告に関しては、広告掲載を止めた後のことが課題となっています。質の高いコンテンツにより評価を高めてこなかったことが原因で、リスティング広告を止めてしまうと検索上位には表示されず、せっかく作成したコンテンツを有効活用できていないという事態が発生しています。つまり、広告を出さないと集客できないという悪いスパイラルに陥ってしまうリスクを孕んでいるということです。

中長期的には、良質なコンテンツを作成し、検索上位を目指すことが集客の王道

そもそも、SEO対策もリスティング広告も良質なコンテンツにユーザーを集めるための施策です。ですから、小手先のテクニックで注目を集めることに躍起になって、コンテンツ自体がおろそかになっては意味がありません。質の高いコンテンツを作成することで、それを資産とし、長く継続的にユーザーを集客するというコンテンツマーケティングの基本を忘れないことが重要です。
短期的にリスティング広告を活用してコンテンツに集客するのも一つの手ではありますが、中長期的な集客を考えると、ユーザーのニーズに応えたコンテンツで検索上位を目指すことが集客の王道なのだと思います。