昨今、飛び込み営業やテレマーケティングのような従来の営業方法では、新規顧客の開拓が難しく、思うように会社の売り上げが伸びずに悩んでいる会社が多いと聞きます。そのような中、これまでの営業システムを大きく変える「インサイドセールス」という仕組みが注目を浴びています。インサイドセールスを導入することで営業の何が変わるのか、特にその影響が大きいと思われる業界を例に、今回はインサイドセールスについて考えていきたいと思います。

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見込み客を逃がさない!見込み客の需要を掘り起こすインサイドセールス

単価が高く検討に時間がかかる業界こそ、インサイドセールスの仕組みが輝く

まず、インサイドセールスとは、「顧客関係の強化や維持を行いながら商談機会を創出すること」を主な目的とした、電話やメールなどの非対面のコミュニケーション方法で営業活動を行う担当や施策のことを指します。

結局は営業のことかと思うことなかれ、インサイドセールスは、自社の営業担当者やマーケティング担当者、そして見込み客を含めたすべての顧客に橋を渡す、今後の営業活動の核となる仕組みのことなのです。

特に、単価が高くて即決しにくい商品やサービスを取り扱う業界では、商品やサービスの購入まで比較検討にかかる期間が長いため、顧客との関係を長期に渡って維持していくインサイドセールスの大きな恩恵を受けられる業界だといえるでしょう。

中でも、営業と顧客の関係性が重視される、BtoB、不動産(投資)業界、保険業界では、積極的にインサイドセールスを導入することをおすすめします。それは一体なぜなのか、理由を解説していきましょう。

【BtoB】見込み客の動向を分析し、営業・マーケティング・見込み客を結ぶ

では、インサイドセールスの導入がBtoB企業に何をもたらすのでしょうか?

BtoB企業における今一番の課題は「新規顧客の開拓」。

しかし、営業担当者は短期的な予算の達成を優先し、マーケティング担当者は中長期的な見込み客の獲得を優先したいというのが現状です。そして、一人の営業担当者が抱える案件は多く、一つひとつの顧客に対する情報量が不足しており、事前に情報収集を十分に行っている見込み客側と、その対応にギャップができています。

営業担当者を中心に、営業と顧客、営業とマーケティングの間でギャップを抱えたまま仕事をしている状況ですが、これではなかなか成果が上がりません。そういったギャップを埋めるためには、インサイドセールスを活用することが最適な方法なのです。

問題となっているのは、マーケティング担当者は見込み客の獲得を積極的に行うものの、それが実際に商談につながっているのかよくわからないという点です。見込み客の獲得が短期で商談につながったのか、もしつながっていない場合は何が問題なのか、マーケティング担当者に知る術はありません。そこで、インサイドセールスを導入することで、自社の商品やサービスに対してどの程度の関心を持っているのか、見込み顧客の動向から分析することができるため、マーケティング担当者は情報のフィードバックを受けることができるようになります。

一方、営業担当者は商談化しやすい顧客を優先するため、放置された見込み客が競合他社へと流れ、商談の機会損失につながる可能性があります。ここでも、インサイドセールスを導入しておけば、まだ関心の度合いが低い見込み客とも関係を維持していくことができます。営業の情報リソースをコントロールできるようになるため、十分な情報を持って商談に望めるというわけです。

このようにインサイドセールスが、自社の商品やサービスに対して、顧客の関心が今どの段階にあるのかを分析し、把握することで、より効率的な営業活動を行うことができるのです。

【不動産(投資)】MAにより見込み客一人ひとりの動向を把握することで、効率的な営業が可能に

次は、不動産(投資)業界ですが、やはり見込み客の獲得に苦しんでいます。
名刺交換や紹介、外部から入手した名簿を使った従来の営業方法には発展性がなく、手詰まりを感じている会社が多いようです。
また、見込み客の情報を営業個人がそれぞれで管理しているため、組織的なパイプラインができていないケースも多く、新規顧客の獲得を優先することで、既存顧客のアフターフォローが薄くなる傾向があります。

インサイドセールスを導入すれば、MA(マーケティングオートメーション)を有効活用して、見込み客への対応を最適化していくことができます。MAでは、顧客がメールを開封したか、自社のWebサイトのどのページを閲覧したか、など顧客の動向をトラッキングすることができるので、見込み客が今何に関心を持っているのかという顧客のニーズを正確に把握することができます。

他にも、居住地域や職業など顧客一人ひとりのセグメントを細かく分析することで、見込み客のニーズに合わせて、セミナーやキャンペーンといった組織的な対応をとることができます。MAに、自社と顧客の関係を管理するツールであるCRM(顧客関係管理)や営業担当者の行動を管理するSFA(営業支援システム)と連携させることで、顧客の関心に合わせた営業活動を効率的に行うことができます。

【保険】CRMで見込み客の情報や関心度合いを管理、多くの有望客に接触

最後に、保険業界ですが、競争の激しいこの業界では、いち早く顧客を掴むために、事前情報がほとんどないまま見込み客への訪問や電話を行うケースが多々あります。そのため、営業担当者が見込み客の関心度合いを正確に把握する前に、少しでも可能性を感じなければ、次の見込み客の営業へと移る傾向が強く、将来の顧客を取り逃すことも多くあるのです。インサイドセールスを導入すれば、顧客情報をデータベース化し、CRMで管理することにより、見込み客の情報や関心度合いをまとめて正確に把握することができるようになります。
具体的なニーズに至っていない見込み客もメールや電話で継続的にフォローすることができるので、見込み客の保険への関心が高まったタイミングで営業を行い、保険の成約率を上げることができます。

また、SFAと連携することで、営業担当者がまだ関心が高まっていない見込み客を訪問するという無駄足が減るため、時間効率の良い営業活動が可能となります。競争の激しい保険業界では、有望な見込み客と一人でも多く接触することが、今後の競争を勝ち抜くカギとなるでしょう。

労を惜しまず、インサイドセールスを導入した企業が今後の熾烈な競争を勝ち抜く

このように、インサイドセールスを導入することで、顧客や営業の情報を共有・管理することが可能となるため、より効率的な営業活動を行うことができるようになります。特に、単価が高く即決しにくい商品やサービスを取り扱う業界では、見込み客への営業の一回一回が貴重な機会となるため、その機会を最大限に活用できるインサイドセールスによるサポートは今後必要不可欠なものとなるでしょう。

顧客データベースのシステム化やそれに合わせた社内体制の変更など、インサイドセールスの導入にはコストや労力、時間をつぎ込むことが必要となります。しかし、その労を惜しまず、インサイドセールスの導入に積極的に取り組み、活用する会社がこれからの営業活動をラクに勝ち抜いていくのだと思います。