近年、スマートフォンやタブレット端末の台頭により、インターネットを利用した情報収集が当たり前のものとなっています。医療分野も例外ではなく、今や患者がネットから情報を集めて医療機関を選ぶ時代となりつつあります。

そこで、株式会社幻冬舎ウェブマでは、2018年8月に全国の男女500人に対して、医療機関に関する意識調査を行いました。
今回はそのデータを元に、患者がどのように医療機関を選んでいるのか、患者に選ばれるために医療機関には何が求められていくのかについて考えてみたいと思います。

→患者が医療機関を選ぶ際に意識していること(より詳しいレポートのダウンロードはこちら)

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近さを重視する一方で、医療機関のより良い対応を求める声が強まっている

直近1年以内に病院に行った40代~60代以上の男女500人に、医療機関を選ぶ際に重視しているポイントについて質問しました。

最も多い回答は、74.4%で「自宅・職場からの距離」となりました。40.0%で「アクセスのよさ」が続きます。病院は診察が1度で済むことは少なく、今後の通院の手間を考えると近さやアクセスのよさを重視する傾向が強いようです。

「院長・スタッフの説明の丁寧さ」が39.0%で3番目に多い回答となっています。病気の治療では、患者と医師や医療機関の信頼関係が重要なものとなるため、医療機関とうまくコミュニケーションが取れるのかについての関心は非常に高いものとなっています。

「評判のよさ」と「実績」がその後に続いています。「評判のよさ」が34.4%に対し、「実績」が26.2%と差が少し開いてしまったことから、過去どうだったのかよりも、今どうなのかを患者が重視していることがわかります。

以降は、「待ち時間の短さ」「予約のとりやすさ」「診療受付時間(夜間や休日も診療を行っている)」と、診察時間に関係するものが並びました。年代的に、忙しい仕事の合間を縫って、通院したいと考える人が多いためだと推測されます。特に、待ち時間の短さと予約の取りやすさは、表裏一体の関係でもあるため、受診予約の効率化は、医療機関にとって今後の課題となることが予想されます。

「自宅・職場からの距離」が最も多い回答とはなったものの、医療機関の立地に関しては、簡単に変更できるものではない以上、「院長・スタッフの説明の丁寧さ」「評判のよさ」「実績」といった医療機関としての本質が、今後はさらに重要視されていくのだと思われます。

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患者にとって最大の情報源である「Web」とどう向き合っていくか

では、実際に病院を選ぶ際に重視している点を知るために、どのような媒体を情報源としているのかについて調べました。

「Web」という回答が38.2%で最も多い回答となりました。スマホやタブレット端末が一般層に広まったことで、いつでもどこでも簡単にアクセスできるWebが情報源として最も活用されているようです。

「口コミ(webサイト上の口コミサイトを除く)」が29.4%と2番目に多い回答となっていることからもわかるように、やはり患者の生の声は医療機関を選ぶ上で、大きな要因となるようです。

従来の宣伝方法である広告は、情報源としては苦戦しているようです。2018年6月より施行された医療広告規制により、そのガイドラインが厳しいものとなったため、今後も苦しい状態が続くのではないかと見られます。

さて、ここでは情報源としての「Web」について、もう少し詳しく考えていきましょう。
先ほども言った通り、Webの利点はアクセスのしやすさです。患者が知りたい情報を簡単に集める手段としては最適なものとなっています。

しかし、現状では、その容易さが大きな課題となっている側面もあります。ネットに溢れる情報の中から本当に欲しい情報にすべての患者がたどり着けるというわけではありません。時には、誤った情報に触れることで、患者の思い込みや勘違いが発生し、治療の妨げとなる場合もあります。

簡単に情報にアクセスできるWebだからこそ、細心の注意を払い、患者のニーズに応える情報を提供することが、今後の医療機関には求められていくのです。

そして、それは医療機関にとってのチャンスでもあります。

前述の質問からわかる通り、今後、医療機関を選ぶ上で重要なファクターとなる「医師・スタッフの説明の丁寧さ」「評判のよさ」「実績」については、正確にわかりやすく患者へ伝える必要があります。Webをうまく活用して、それらに対する情報を発信していけば、医療機関を選ぶ際の後押しになるだけでなく、患者との信頼関係を築く足がかりにもなります。
特に、がん治療や白内障、再生医療、レーシック、インプラントなどの自由診療に関しては、医療広告規制の影響もあり、正確な情報を提供できる機会が少なく、患者の情報収集行動に対して絶好のアピールの場となるのです。

また、Webを使った受診予約を始める医療機関が増えていることも注目すべき点です。情報収集に訪れた患者にとって、医療機関のサイトでそのまま受診の予約まで行えることは大きなメリットとなります。患者の情報源としてWebが利用されればされるほど、この傾向は強まるものと見られます。

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まとめ ―患者との「距離」を縮めるために、Webを通じて積極的に関わり合いを持つことが重要―

以上が、医療機関選びに関する患者の意識調査になります。通院のことを考えて、医療機関に近さを求める患者が多い一方で、「医師・スタッフの説明の丁寧さ」「評判のよさ」「実績」といった患者である自分に何を提供してくれるのかという観点から、医療機関を選ぶ患者も増えています。

患者が「Web」を最大の情報源としている現状に対応するため、医療機関はそれらの情報を積極的に提供していく必要があります。特に、自由診療については、医療広告規制の影響もあり、アピールの場が限られているため、患者の情報収集を有効活用していくことが重要です。患者のニーズに応えることは、医療機関と患者の間の信頼関係の構築の手助けともなるため、今後はWebを通じてより積極的な関わり合いが求められていくでしょう。


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