前編のコンテンツマーケティングの調査データは、主にどのように実施されているのかという点に着目して見てきました。印象としては、コンテンツマーケティングに取り組むことはもはや当たり前という時代にはなりましたが、本腰を入れているかどうかはまだまだ企業によってばらつきがあるようです。後編では、コンテンツマーケティングのコンテンツ作成やその課題、効果はどのようなものなのかについて、データを見ながら考えていきたいと思います。

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継続的なコンテンツの更新を目指したソースの活用が重要

今回最初に見ていくのは、コンテンツの作成に関する調査データからです。前編でも触れたように、限られた費用の中でいかにコンテンツを作成するのか、興味を持っている方々も多いと思います。

<コンテンツ作成のアウトソース有無(単一回答、n=605)>

コンテンツの作成は「すべて自社内」が44.1%でトップになりました。次にくるのが「自社とアウトソースどちらも(自社の割合が高い)」の31.8%なので、7割以上の会社が内製でコンテンツを作成していることがわかります。

これは前編の調査からもわかったように、コンテンツマーケティングへ掛けるリソースがまだ抑えられていること、あくまで他のWeb媒体や宣伝方法のついで、という認識が強いことを示します。しかし、今後Web上におけるコンテンツ競争の激化が見込まれることから、どのタイミングでマンパワーをかける方向へ舵を切るのか、その判断が重要となります。

<アウトソースしている内容(複数回答、n=338)>

※「アウトソースの有無」で「すべて自社内」と回答した人を除く

ちなみに、アウトソースを利用しているデータを見ると、「デザイン」がトップで60.8%でした。
専門的な技術や知識が必要な部分をアウトソースに出すというのが一般的な考えのようです。

「原稿執筆」が36.1%で4位にあることから、6割以上の会社が自社で執筆を行っていることがわかります。
アウトソースを利用していても、自社でできることは自社でやるという意識が強いことがうかがえます。

しかし、コンテンツマーケティングでは継続的なコンテンツの更新が求められます
自社で賄うにしても、アウトソースに出すにしても、その問題をクリアすることが重要となるでしょう。

コンテンツに注目を浴びせる工夫が必要

さて、せっかく作成したコンテンツなのですから、出来る限り多くのユーザーに触れてもらわなければ意味がありません。どのようにコンテンツを拡散しているのか、調査結果は次のようになりました。

<勤務先において、作成したコンテンツを拡散する手法>

「ソーシャルメディア」が69.9%と圧倒的です。スマートフォンやタブレット端末が一般的なものとなった現在では、それらに合わせた拡散手法がポイントとなるようです。各種広告や「メールマガジン」もまだまだよく使われているようですが、今後この傾向は一層強まるものと見られます。

しかし、そこで課題となるのが、どうやってユーザーに注目してもらうかです。拡散手法が一強化するということは、ユーザーに注目される段階化からそれだけ競合相手としのぎを削らなくてはならないという意味でもあります。今後は、コンテンツの拡散手法にもより工夫が求められることになるでしょう。

ソーシャルメディアを活用した集客に高い満足度がある

では、実際にコンテンツマーケティングを行っている中で、どれだけ効果を感じているのでしょうか?
取り組みごとの効果を調べたデータがあります。

<勤務先において、コンテンツマーケティングの効果を感じているか(単一回答)>

コンテンツマーケティングが一番多く行われているのは、やはり「ソーシャルメディア」で403サンプルが行っているという結果がでました。その効果に関しても、82.5%が「大いに効果を感じている/効果を感じている」ことから、満足度の高さがわかります。

従来の宣伝手法である「自社ブログ」や「メールマガジン」を経由したコンテンツマーケティングも高い満足度が得られています。マーケティングの目的に合わせてコンテンツマーケティングに適した手法を選ぶことが重要なようです。

回答数は32サンプルと少ないものの、「インフォグラフィック」が一番高い88.9%の満足度を獲得していることからもわかるように、これからはユーザーの視覚にいかに訴えかけていくのかで成否が分かれそうです。

ちなみに「ホワイトペーパー」が満足度で一番低い75.0%となっているのは、その労力に伴う満足度が得られなかったという部分が大きいのでしょう。効率よくコンテンツを制作できることが満足度につながりやすいようです。しかし、75.0%は十分に高い満足度だと思います。

取り組みに対する満足度はわかりましたが、それぞれの会社がその効果指標をどこに設定しているのかは次のようなデータとなりました。

<コンテンツマーケティングの効果指標(複数回答、n=605)>

「ウェブサイトのトラフィック」が53.4%でトップとなりました。ユーザーをどれだけサイトに集客できているかが評価のポイントになるようです。
一方で、「ウェブサイトの滞在時間」や「ウェブサイト直帰率」はまだそこまで重要視されているわけではないようです。

コンテンツマーケティングでは、ユーザーの集客は始まりに過ぎません。そこからどれだけユーザーを定着させたのかがその先のコンバージョンや売り上げへとつながっていくため、ユーザーの定着に関する指標が今後は重要視されると見られます。

企画力に課題を抱えるものの、そこが伸び代になるコンテンツマーケティング

最後に、コンテンツマーケティングが抱える課題についても見ていきましょう。

<コンテンツマーケティングの課題(複数回答、n=605)>

「企画力不足」が47.0%で一番多い回答になっています。「コンテンツ制作スキル不足」が37.5%、「ノウハウ不足」が34.8%と続いていることから、コンテンツマーケティングの、効果は感じているものの、コンテンツの内容次第ではもっと伸ばせると感じている会社が多いようです。

余談になりますが、コンテンツマーケティング非実施者の調査データではこうなりました。

<コンテンツマーケティングの非実施理由(複数回答、n=425)>

やはり「売上効果が期待できない」が27.0%でトップとなりました。短期的な結果を求めることが難しいコンテンツマーケティングでは一番の課題となる部分です。「効果測定が不透明」が25.0%で2位となっていることからも、コンテンツマーケティングに対して、なんとなく怪しいという先入観が働いているのだと思われます。

しかし、リソースや予算に関する回答も多くあることから、コンテンツマーケティング自体への興味は高いことがうかがえます。

実施意向に関するデータは次のようになりました。

<コンテンツマーケティングの実施意向(複数回答、n=425)>

やはり「実施は考えていない」が44.5%で一番多い回答となりました。しかし、一方で検討段階にあるという回答を合計すると55.5%と過半数を超える数字となり、コンテンツマーケティングを行ってはいないものの、何かしらの対策を練っている会社が多いようです。

まとめ ―ユーザーニーズを満たすコンテンツが顧客を総取りする―

以上が、コンテンツマーケティングに関する調査データとなります。コンテンツマーケティングに関しては、自社ブログやメルマガを用いてソーシャルメディアで拡散することを中心に高い注目を集めており、その効果にも各社満足しているようですが、まだまだやれることはある、というのが現状の認識なのだとわかります。

今後のコンテンツマーケティングにおける競争の激化が予見される以上、ユーザーのニーズに合わせて、より一層のコンテンツの充実や差別化が求められることになるでしょう。そのためには、今まで以上の業務の効率化と中・長期に渡るビジョンの確立がコンテンツマーケティングの成否を分けるポイントになるでしょう。中小企業でもその点をわきまえて取り組めば、大手企業にも十分に勝てる土台が整っているということです。コンテンツがユーザーを連れてくるのです。顧客を総取りできる可能性を十分に秘めているのが、コンテンツマーケティングです。