ITの発展と共にコンテンツマーケティングが注目されている昨今、他社がどのようにコンテンツマーケティングに取り組んでいるのか気になる方も多いのではないでしょうか。今回は、2016年にYahoo!JAPANが公開した「コンテンツマーケティングの実施者・非実施者1,030名」に対して行った実態調査(参考:インプレスweb短編集部「『コンテンツマーケティング1,000人実態調査』 他社の予算は? 人員は? 外注は?」)を元に、コンテンツマーケティングが実際の現場ではどのように捉えられているのか、今後どうあるべきなのかを考えてみたいと思います。

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知識ゼロでも3分で分かる コンテンツマーケティングとは?

3年以上取り組んでいる企業が30%弱。
「結果」だけでなく、「過程」を重視する傾向に

<コンテンツマーケティングの実施期間(単一回答、n=605)>

まず、最初に取り上げるのはコンテンツマーケティングの実施期間についての調査です。2年前の調査ではあるものの、「3年以上」が28.3%と一番多い回答になっており、やはりコンテンツマーケティングには継続的な取り組みが求められていることが、この調査からもわかります。

コンテンツマーケティングでは、競合他社が始めたからと焦る気持ちよりも、中・長期的なビジョンを持って継続的に取り組む覚悟が必要です。

次に、コンテンツマーケティングの実施目的について見てみましょう。

<コンテンツマーケティングの実施目的(複数回答、n=605)>

51.8%と過半数を超えてくるのは「顧客獲得」です。次いで、「売り上げ」が41.4%、「ブランド認知」が39.4%と並びますが、やはり皆一様にコンテンツマーケティングに明確な結果を求めていることがわかります。

注目したいのは「見込み客の育成」と「顧客ロイヤリティの向上」それぞれ30%を超えているところです。3年以上コンテンツマーケティングを続けている会社が増える中、顧客をどう育成していくのかという点にも注目が集まっているのです。「結果」と同時に、「結果」に至るまでの「過程」を重視する会社が増えているのでしょう。

コンテンツマーケティングに月間150万以上の予算を使っている企業は14%弱

コンテンツマーケティングを進める上で、やはり気になるのはその予算の出所です。どのように予算を振り分けているのか見てみましょう。

<コンテンツマーケティングの予算の出所(複数回答、n=605)>

※「新たに設定した予算」=コンテンツマーケティング用の予算

「ウェブコンテンツ制作費」が42.3%と一番多い回答になっています。他にも、広告宣伝費の一部をコンテンツマーケティングに充てるケースが多いようです。コンテンツマーケティングのために「新たに設定した予算」はわずか5.8%と二桁にも届きません。

短期での結果を出すことが難しいコンテンツマーケティングに最初から予算を割くことに懐疑的な目が向けられているのかもしれません。
しかし、コンテンツマーケティングを継続的に続けて、安定的に成果を上げたいのであれば、予算確保はこれから必須となるのかもしれません。

<コンテンツマーケティングの運用費用[月額](単一回答、n=605)>

※外注費を含む

月々にコンテンツマーケティングに掛ける費用の調査ですが、厳しい結果となりました。「10万円未満」が20.4%でトップ、100万円未満をすべて合計すると62.1%と高い数字になります。これは外注費も含む費用なので、思い通りの金額とは言い難いでしょう。先ほどの予算の出所からもわかるように、他の宣伝活動の予算の一部を回すケースが多いため、上限が低くなる傾向があります。注目すべきは月に「150万以上」の予算を投下している割合が14%弱あるということ。従来の広告出稿のモデルからの脱却をいち早く取り組む企業はコンテンツマーケティングへの投資を進め、安定的な顧客獲得や売り上げUPを狙っていることがわかります。

コンテンツマーケティングはBtoB・無形財をもつ多くの企業が実施

では、コンテンツマーケティングの対象にも少し目を向けてみましょう。

<コンテンツマーケティングの実施先(単一回答、n=605)>

※「B to B」=「企業間の商取引」 「B to C」=「企業と個人間の商取引」

「B to B」が41.6%と一番多く、「B to B/B to Cの両方」と合わせると7割を超える数字となります。これにはB to Bを取り巻くビジネス環境の変化が大いに関係しているのだと思われます。市場が成熟し、グローバル化も進んだことで、競合相手が増加した上、もともと取引相手の数に限界のあるBtoBビジネスにおいて、コンテンツマーケティングはもはや避けては通れないものとなっているのです。

<コンテンツマーケティングの実施内容(単一回答、n=605)>

コンテンツマーケティングの実施内容は「無形財」が42.7%で一番多い回答となっています。ほとんどのケースで「サービス」として考えられていることがわかる調査ですが、先ほどB to Bのビジネス環境でも触れましたが、激化する競争の中で顧客を獲得するには、その「サービス」でどれだけ顧客のニーズに応えるかが重要だということを忘れないでほしいと思います。コンテンツマーケティングが秘めている大きな可能性の一つでもあるのです。

SNS、ブログ、メルマガを組み合わせて実施することが“勝ちパターン”

大きな可能性を秘めるコンテンツマーケティングですが、具体的にどのような手法で行われているのかのデータもあります。

<コンテンツマーケティングの実施手法(複数回答、n=605)>

「ソーシャルメディア」が66.6%と他を大きく突き放す結果となっています。スマートフォンやタブレット端末が身近になった今、ソーシャルメディアの活用が顧客獲得のためには無くてはならない手法のようです。コストパフォーマンスが良いとされているブログやメールマガジンとの相性も良いのが特徴です。

では、具体的に活用されているソーシャルメディアの内訳も見てみましょう。

<活用しているソーシャルメディア(複数回答、n=605)>

※実施手法で「ソーシャルメディア」と答えた方のみ回答

「Facebook」が84.8%と他を圧倒しています。次いで、「Twitter」が65.0%、こちらも半数を超えており、コンテンツマーケティングではこの両者が広く使われていることが窺えます。「Youtube」が知名度の割りに数字が伸びないのはやはり動画という媒体のハードルの高さが関係しているのだと思われます。限られた予算の中で展開する必要のあるコンテンツマーケティングにおいて、動画への対応は今後の課題となっていくのでしょう。

まとめ ―コンテンツマーケティングは中途半端にやってはいけない―

以上、コンテンツマーケティングの実施という点に注目した調査データを見てきましたが、コンテンツマーケティングが今後のマーケティングで重要な役割を果たすことはわかっているものの、様子見で取り組んでいる会社もまだまだ多いという印象です。

短期で成果を上げることが難しい以上、その過程で何ができるかをしっかりアピールすることがコンテンツマーケティングには求められるのかもしれません。中途半端に取り組んでしまうと、結果を遠ざかるばかりです。

後編では、そんなコンテンツマーケティングの作成や効果、課題についての調査データを見ていきたいと思います。