不動産投資は、インターネットによる情報の共有が、自社の営業活動を難しくしていると捉えている会社も少なくないようです。顧客に投資への興味があったとしても、不動産投資への「怖さ」や「不安」というイメージの壁を乗り越えなければ、話を聞いてもらうことさえままならないのが現状です。おそらく、それは従来の不動産投資の営業スタイルが影響を与えている部分も大きいのでしょう。

不動産投資の一般的な営業スタイルは、仕入れた名簿からテレアポを行い、その中から興味を持つ顧客を探していく、いわゆるPUSH型営業と言われるものです。興味のある顧客とつながればいいのですが、興味のない顧客にとっては迷惑としか感じられず、結果として会社の評判を落とす形になってしまいます。

今回は、不動産投資の営業を会社のマーケティングやブランディングの観点から考えてみたいと思います。

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数打ちゃ当たるのPUSH型営業が結果的に的を小さくしていることも

まず、現状のPUSH型営業ではどうしても顧客の警戒心を高めてしまうことが避けられません。それは営業が「突然、自分の知らないうちに」やって来るからです。不動産投資に関係なく、顧客側では未知のものへの警戒心が働いてしまうのです。

そこから先のクロージングに進むには、顧客自身の投資への興味か、営業個人の力量に賭けるしかありません。少々分の悪い賭けとなります。そのため、自然と数をこなす営業スタイルとならざるを得ないのですが、同時にその営業に対してよくない印象を受けた顧客が増えていき、Web検索で「○○株式会社 迷惑」などといったサジェスト汚染が行われることになるのです。

せっかく自社の投資商品に興味を持った顧客が、詳しく知ろうとネット検索した際に「迷惑」や「しつこい」といった検索ワードが上位に上がってくるようでは、まとまる契約もまとまりません。

顧客ニーズの分析が信頼を勝ち得る第一歩

では、今後、不動産投資の営業で安定化や成約数の増加を目指すには、どのようなことが必要になってくるのでしょうか?意外とヒントはすぐそばにあるのかもしれません。

例えば、同じ不動産業界の住宅メーカーは週末になると住宅展示場で催しを開き、集客に努めます。ちょっとしたお祭りや有名人のステージを行うことで、顧客の興味の強弱にかかわらず、現地に足を運んでみてもいいかなと思わせているのです。古くからあるオーソドックスな営業方法ですが、今も行われているのは一定の効果が見込まれるからなのです。ただ、一方で、住宅展示場にかかるコストの上昇から収益のバランスに苦しんでいるとう話も聞きます。

こんな話をすると尻込みしてしまう経営者や責任者もいるかもしれませんが、ここでよく考えてほしいのは、不動産投資の営業において、住宅展示場は何に当たるのか、ということです。投資商品に対する情報や投資全体への情報提供こそ、住宅展示場のような場になりうるのです。その場はWebで提供することが望ましいでしょう。

ここで重要となってくるのはその見せ方です。ただ漠然と情報を並べるだけでは効果は薄いと言えるでしょう。それは顧客によって投資の先に目指すゴールが様々だからです。

例えば、年齢層によっても投資の意味は変わってきます。比較的若い顧客であれば投資はあくまでも副次的収入です。少ない金額からでも始められることがポイントとなるでしょう。
子を持つファミリー層ではどうなるか。今後増えていく支出に対して、ある程度まとまったリターンの得られる、かつ安定的な投資を求めるでしょう。その分長期的なスパンで投資を考える傾向があります。

最後に、シニア層の顧客の場合、彼らのゴールは不安のない老後です。退職金などで大きな金額も動かせるとは思いますが、同時に彼らの悩みは喫緊のものでもあります。中・長期的というよりは、短期的に儲けが出せ、老後に保障が当てられる投資商品が好まれるでしょう。
以上のように、顧客のニーズを分析し、適切な情報を出すことで初めて顧客の警戒心を下げることができるのでしょう。顧客のことを「わかっている感」が投資への安心感を生むのです。

まとめ ―不動産投資会社は顧客から選ばれる時代に―

これからの不動産投資の営業は、顧客への情報提供がカギとなってくるのでしょう。顧客の投資への不安や恐れを解消し、投資意欲を刺激するためには、顧客の細かな分析が必要となります。顧客に適切な情報を戦略的に提示していくことで、顧客のニーズをつかみ、そこで得た情報をフィードバックさせて、更に情報を分類化させていく、こうした情報と顧客のマッチングを積極的に続けていくことが不動産投資会社のブランディングへとつながるのです。

投資は信頼関係です。顧客が求めるのはあくまでも自分に合った情報と投資商品です。今後は顧客と情報のマッチングに秀でた会社が顧客の方から選ばれる、そういう時代が近づいているかもしれません。