BtoBのWebサイト

インターネットの発展により、顧客が積極的に情報収集を行えるようになったことで、B to BビジネスにおいてWEBマーケティングは必須のものとなっています。だからといってWEBサイトだけで自社の商品やサービスの受注が決まるというわけではありません。最終的なクロージングは営業部門が担当することが一般的で、営業部門とWEBマーケティングがどこまで連携できるのかが成約のカギとなっています。

今回は、WEBサイトが果たすB to Bビジネスにおける役割について考えてみたいと思います。

B to BのWEBサイトはいつでもアクセスできる情報提供の場としてだけではなく、営業担当者の側面も持つ

まず、B to Bビジネスには、商品やサービスの単価が高く、購入の意思決定が組織的に行われるという特徴があります。そのため、購入に至るまでの比較検討期間が長くなり、意思決定の都度ごとに情報収集が行われる傾向があります。顧客は時や場所を選ばずに手軽に情報へアクセスする必要があるため、それらを同時に叶えるWEBサイトが情報収集の場として大いに活用されているのです。

つまり、B to Bビジネスにおいて、WEBサイトは自社の情報提供の場としてだけではなく、「営業」としての顔を持つ必要があるのです。企業のWEBサイトでは「問い合わせ」や「資料請求」、「見積依頼」などが行えるようになっていますが、それは「ビジネスの入り口」に過ぎず、関心を持った見込み客を実際の購入までどのように誘導していくのかという視点が必要となります。ですから、目的を同じくする営業部門との連携がWEBサイトには強く求められるのです。

営業部門ができないことをできるのが、B to B営業におけるWEBサイトの大きな強み

さて、ここで一旦、B to Bの営業プロセスを見直してみましょう。
一般的な営業プロセスは、

① 見込み客の獲得:展示会やセミナーなどの機会を通じて名刺を交換、見込み客を獲得していきます。
② 訪問:獲得した見込み客の情報からアプローチを開始。電話やメールを活用し、アポイントメントを取り、見込み客の元へ訪問します。
③ 商談:見込み客のニーズに応える自社の商品やサービスの売り込み。自社の商品やサービスの魅力や、それによりどのような課題や悩みを解決できるかなどを伝えます。
④ 受注:見込み客のニーズを満たし、かつお互いの条件が折り合えば、正式な受注となり、契約を交わします。

以上のような4つのステップに大まかに分けることができます。
そして、この一連の流れこそが昨今のB to Bビジネスを難しくしている要因でもあります。

先にも述べたように、見込み客は商品やサービスを購入する前に積極的に情報収集を行っています。①や②のステップが運よくそのタイミングにかち合えばよいのですが、見込み客に関心がなければ空振りに終わり、見込み客が情報の精査を終えた後に①や②のステップを行っても選択肢に割り込むことはできません。自社のタイミングで営業を行うだけでは、見込み客を顧客にすることはできないのです。

しかし、営業部門の人的リソースにも限りがあるため、すべての見込み客を手厚くフォローするわけにもいきません。そこで重要となるのが、WEBサイトの「営業」活動です。

営業担当者が1日に対応できる見込み客には限りがありますが、WEBサイトであれば時間も場所も関係なく、いつでも見込み客を受け入れることができます。また、それぞれが自由にアクセスすることができるため、見込み客1人にかける時間が少なくて説明が不十分というようなケースも防ぐことができます。加えて、見込み客の細かな要件には「問い合わせ」や「製品資料やホワイトペーパーのダウンロード」という形で応じることもできます。

他にも、情報収集でWEBサイトに訪れた見込み客はその時点で自社の商品やサービスへの関心が高く、見込み客の行動を分析することでより正確なニーズを掴むことができるため、商談に発展させやすいという利点があります。
WEBサイトを通じて、どれだけ見込み客に合わせた対応を取れるかどうかが、今後のB to B営業の成否を分けると言っても過言ではありません。

WEBサイトのわかりやすさや快適性を突き詰めることが、サイトの「営業力」を高める

しかし、すべてのWEBサイトが「営業」の役割を果たせるわけではありません。見込み客が自社のWEBサイトを訪れたとしても、見づらい、わかりづらいというような不満があれば、やはり商談につながることはなく、その場を去ってしまいます。

B to Bビジネスでは、WEBサイトのデザインが営業担当者の対応と同じ様に扱われると心得ておきましょう。
ここからはWEBサイトのデザインで気をつけておくべき点を紹介します。

見た目より中身を重視

近年は技術の発展もあり、デザイン性の高いWEBサイトが増えています。凝ったデザインにすることで、他社との差別化を図り、サイトに訪れたユーザーに対して強い印象を残すことが目的だと思われます。

しかし、情報収集が目的の見込み客にとって重要なのは商品やサービスの情報で、見た目の華やかさではありません。WEBサイトの「営業力」を高めるには、コンテンツの充実が第一です。

清潔感と信頼感が大切

とはいえ、サイトの見た目が見込み客に大きな印象を与えるのは否定できません。古臭いサイトのデザインや更新が止まった最新情報などを放置したままでは、見込み客も不安を感じてしまいます。華美になる必要はありませんが、第三者から見て、普段からしっかりと運用されているという印象を受けることはプラスにこそなれ、マイナスになることはありません。きちんと手入れされたサイトの「清潔感」や「信頼感」は、自社の営業担当者への好印象にもつながるでしょう。

ファースト・ビューで的確にメッセージ伝える

ビジネスで重視されるのは、顧客に対して何ができるのかという「わかりやすさ」です。見込み客の悩みや課題を解決する商品やサービスがあったとしても、それが伝わらなければ意味がありません。

ファースト・ビューはサイトの「情報への入り口」です。見込み客がそこで引き返してしまわないように、自社なら「何ができるのか」を端的にメッセージにして伝える必要があります。ただ自社の商品やサービスの魅力を押し出すのではなく、顧客から見て魅力を感じるのかという視点を忘れないことが重要です。

無駄な情報を省く

見込み客がサイトを訪れる目的は情報収集です。必要な情報が明確になっている以上、それ以外の情報は見込み客にとって邪魔でしかありません。情報のわかりやすさと併せて、求める情報へと至る道筋のわかりやすさも求められるのです。

サイトを便利にしようとしすぎる余り、コンテンツにアイコンやタグ付けが氾濫して却ってわかりにくいといケースもあります。一度にすべてを解決しようとするのではなく、できる限り少ないステップで解決できるサイトのデザインを目指すことが、サイトのわかりやすさや使いやすさにつながるでしょう。

これらの注意点をクリアして初めて、WEBサイトが「営業」としての力を発揮できるようになるのです。

まとめ

自社と顧客の両方を求めるゴールに誘導していく大局観が今後のビジネスの鍵に
現在のB to Bビジネスでは、その環境の変化からWEBサイトの活用が必要不可欠のものとなっています。事前の情報収集で選択肢は絞り込まれているため、自社からアプローチをかける従来の営業プロセスだけでは対応しきれない部分があります。

そのため、情報収集に訪れた見込み客に対し、WEBサイトを通じて「営業」をかけることで、見込み客との関係性を強化し、商談へとつなげていく必要があります。そこに求められるのは「わかりやすさ」です。自社の商品やサービスによって何が可能になるのかという内容面だけではなく、その情報へと至る道筋のわかりやすさも重要となります。

そのためには、見込み客の視点からサイトを分析し、どのようなコンテンツをどのように提供していくのかという戦略が必要となります。今後のB to Bビジネスでは、自社と顧客の両方を自社のゴールに向かってどのように誘導していくのかという大局観が求められるようになるのだと思います。