BtoB、つまり企業間取引にマーケティングが必要なのか?と考える方もいらっしゃるかもしれません。そもそも日本では企業間取引は新規開拓よりも既存顧客の売り上げを重視する傾向があります。また、顧客側も対面のリレーションを重視する傾向があるので、従来の営業活動の中でもマーケティングは付録的な扱いをされることが多かったのも事実です。
「BtoBマーケティング」の重要性については他のブログでも解説をしていますが、今回はデータをもとに「BtoBマーケティング」について考えていきたいと思います。

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商品購入につながる情報源は「企業のWebサイト」が64%

近年、多くの業界で市場の成熟化やグローバル化が進み、ビジネスにおける競合相手が増加し、商品やサービスの差別化や顧客の囲い込みが難しくなってきています。BtoBの世界でも例外ではありません。
また、ITが普及し一般化した今では、顧客が自発的に商品やサービスの情報を収集し、比較検討することが容易になりました。そのようなビジネス環境に適応するために、BtoBマーケティングが注目されているのです。

次のようなデータがあります。BtoBの顧客がどのような情報源をビジネスの上で利用しているかの内訳です。

参考:トライベック・ブランド戦略研究所「BtoBサイト調査 2018」

従来の営業でよく使われている手法である「営業員・技術員の説明」や「カタログ・パンフレット」を抜いて、「企業のWebサイト」がトップになっています。

これにはBtoBマーケティングの特徴でもある、「検討期間が長い」こと、「商品購入の意思決定が組織的に行われる」ことの2点が大きく関わっているためだと思われます。BtoBビジネスでは、商品購入の検討から始まり、予算の確保、購入の決定、購入の手続きと幾重ものステップが必要となります。

その際に、他の商品との比較検討が行いやすく、商品の情報も定期的に更新されていく「企業のWebサイト」は、自社の責任者をその時々に説得する上で重宝されるためです。

こんなデータもあります。

参考:トライベック・ブランド戦略研究所「BtoBサイト調査 2018」

Webサイトの売上貢献度を「サイト効果」と呼ぶのですが、BtoBサイトがBtoCサイトを大きく上回っています。BtoBビジネスで営業効率を上げるためには、Webサイトに積極的に取り組む必要があることを示すデータになります。

見込み客を集める5つのノウハウ

企業のWebサイトがBtoBビジネスを語る上で、外せないものになっているのは上記の通りですが、BtoBマーケティングでリード(見込み客)を集めるには具体的にどのような方法があるのか見ていきましょう。

①テレフォンアポインター
テレアポとも呼ばれますが、電話を掛けて商品やサービスを紹介するために顧客へ訪問する機会を確保します。顧客リストがあれば誰にでもすぐに実施できるのがメリットです。しかし、担当者に取り次いでもらえないなど、アポイントメント自体を取れる率が低く、アポを取れたとしても必ずしも成約にはつながらないというデメリットもあります。

②展示会
業界やテーマを絞った展示会に出展することで、リードを集めます。名刺などその後の営業につながるリードの情報を得られるのがポイントです。業界やテーマを絞ってあることで、リードの興味というハードルを既に越えていること、短期間で大量のリード情報を集められることがメリットです。デメリットとしては、出展コストがかかること、担当者が運営に手一杯で、質の高いリード情報を集めるまでには至らないこと、展示会終了後に獲得したリードへの適切なアプローチが出来ないなどの点があります。

③ホワイトペーパー
元来は政府の報告書を指す言葉でしたが、企業においてはサービスや技術、事例などに関する資料のことを指します。BtoBマーケティングではホワイトペーパーのダウンロードの際にリードの情報の入力を求め、ホワイトペーパー上にも更なる情報のための入り口を用意することで、リードのニーズを詳しく把握することができます。データの裏づけがあるため、リードのより高い関心につながるというメリットがあります。
しかし、デメリットとして、ホワイトペーパーの作成には時間とコストがかかります。良質なリードを集めるためには良質なホワイトペーパーが必要となるのです。

④コンテンツマーケティング
企業のサイトを活用して、様々な形態で情報を発信し、リードの興味を引いていく方法です。メリットはブログを開設するなど比較的簡単な方法から始めることができます。また、そこで提供した情報や記事は資産としてストックされ、継続的な効果を望めるのが大きなポイントです。デメリットは、ホワイトペーパーと同じで時間とコストがかかることです。リードとどうやって関係性を育てていくのかが課題となります。

⑤見込み客の育成
リードナーチャリングと呼ばれる手法です。上記で触れた手法とかぶるところも多いのですが、データを検証することでリードの興味や関心に対してよりニーズにマッチしたコンテンツを配信していきます。ニーズに合わせたアプローチを取ることができるため効率がよく、リードの満足度を高めることができるのがメリットです。デメリットは、データの検証に専門的なスキルが必要となること、同時にリードのニーズに応じたコンテンツ作りが必要になることです。

まとめ ―ニーズ・タイミング・ロイヤリティー・キーマンを押さえる―

BtoBマーケティングを成功させるには押さえるべき4つのポイントがあります。

まず、顧客のニーズを理解することが重要です。自社の商品やサービスと顧客のニーズがどのように結びつくのか、それを提示できなければ、顧客の「組織」を説得することはできません。正しいタイミングを計ることも大切です。顧客にニーズがあっても、予算の確保や環境の整備など乗り越えなければいけない壁が残されています。闇雲に動くのではなく、顧客と一緒に最適なタイミングを計りましょう。

顧客のロイヤリティーが高まっているかも重要です。従来は営業マンが足繁く顧客の元を訪れることで関係性を維持してきましたが、BtoBマーケティングではWebサイトなどを有効活用して、普段から顧客の信頼を積み上げることができます。

そして、これが大きなポイントになるのですが、キーマンを押さえることです。BtoBビジネスでは顧客の「組織」を相手にしなければいけません。商品購入の意思決定に至るまで関与する人間が増えるため、キーマンが複数いることも珍しくありません。相手が情報収集のキーマンなのか、商品導入を推進する旗振り役なのか、それとも商品購入の意思決定をするキーマンなのか、しっかりと見極めて、接触することが重要です。その際、自社の情報が相手の元まで届いているのかきちんと確認しておきましょう。

最後に、本文中で企業のWebサイトが大きな情報源として扱われていることを示しましたが、今も関係性を重視する企業は少なくありません。商品の情報の中身を精査する前にどこから仕入れた情報なのかでふるいに掛けられてしまうケースもあります。リードを集めることを単なる情報の入口・出口だと考えるのではなく、顧客との関係性を高める場でもあると認識することがBtoBマーケティングでは強く求められるのです。