企業が保有するオウンドメディアの運営やコンテンツマーケティングにおいて、“独自性に溢れた質の高いオリジナルコンテンツ”の重要性がしばしば言及されます。このオリジナルコンテンツとはどのようなコンテンツで、なぜ重要なのでしょうか。

「オリジナル」「独自性」といった言葉が独り歩きし、実際は何がオリジナルで価値があるコンテンツなのか、また、現状保有するオウンドメディア強化のためには何をすべきかといった判断基準を明確に持てていないケースが多いのではないかと思います。

本記事では、オウンドメディア運営やコンテンツマーケティングに欠かせない“オリジナルコンテンツ”の定義と、重視すべきポイントをご紹介します。

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自社が保有している資産を棚卸しすることからはじめる

「価値あるオリジナルコンテンツとは何か」を明らかにしていくためにまず取り組むべきは、自社が現状保有している資産の棚卸しです。自社で保有している有形無形の商品・サービス、資料、カタログ、研究成果そして社員は、まさに自社の資産です。オリジナルコンテンツとは必ずしも意図的につくりあげたものとは限りません。既に保有している資産の中から見つけ出しましょう。

資産を棚卸しした後は、Webサイトで展開するコンテンツ群を2つに分類します。大別すると1つはベーシック(基本)コンテンツ群。もう1つはオリジナル(独自)コンテンツ群です。

コンテンツ分類① ベーシックコンテンツとは

ベーシックコンテンツ群には、企業情報や、商品・サービスの概要や価格といった、いわゆるカタログ的な情報が多く含まれます。それはある意味では普遍的な情報で、最も重要なポイントはその情報の「正確性」です。

ベーシックコンテンツ群を分類する際に目安となるのは、それらの情報が自社のオウンドメディアだけでなく、インターネット上の他サイトでも容易に取得することができるか否かです。こうしたコンテンツ群は、何度も見るようなコンテンツ群ではないものが多く、むしろ大事なのは「正確性」です。様々なサイトで取得できても、情報が異なるようなことはあってはなりません。

コンテンツ分類② オリジナルコンテンツとは

次にオリジナルコンテンツ群の分類です。オリジナルコンテンツ群は、オウンドメディアやコンテンツマーケティングを強化する過程においてカギとなる重要なコンテンツ群です。より慎重な分類が求められます。

オリジナルコンテンツ群には、商品・サービスをより魅力的に訴求するためのコンテンツや、競合他社よりも優れた研究成果などをアウトプットしているコンテンツなどが含まれます。ベーシックコンテンツ群に比べ、明らかに自社の特色やオリジナリティ(独自性)が押し出されたコンテンツ群です。

オリジナルコンテンツ群にも、もちろん情報の正確さは求められます。しかしそれ以上にコンテンツが持つ訴求力の強さに注目しましょう。そのコンテンツにユーザーが触れた際に、他のコンテンツ群と比べ、より「訴えかける力」が強いかどうかが1つの判断基準になります。

オリジナルコンテンツの比重によって改善施策が異なる

この分類作業ができたら、分類したそれぞれのコンテンツ群の量・質を比較します。
圧倒的にベーシックコンテンツが多い場合は、そのオウンドメディアは「カタログとしてのWebサイト」という位置づけとなります。カタログとしてのWebサイトのままでは、事業ターゲットとのコミュニケーション全般において活用していくことはできません。

もし現状こうした状況にあるのであれば、早急に見直しが求められます。ユーザーは、カタログに書いてあるような情報を何度も見ようとは思いません。そこにしかないオリジナルで有益な情報を求めているのです。

一方、オリジナルコンテンツ群がベーシックコンテンツ群と同程度以上を占めている場合、オウンドメディアやコンテンツマーケティング強化に向けて重要なことは、全く新しいコンテンツカテゴリーをさらに追加していくことよりも、これまでの資産を有効活用していくことです。これまでは並列に整理されていたオリジナルコンテンツ群について、戦略的に内容の見直しと配置の変更を実行することで、ユーザーへの訴求力を上げることができます。さらに、その中でも特にポイントとして置くべきは、事業領域との関連性が強く、かつ「更新性の高いオリジナルコンテンツ」です。こちらが前面に出ていれば、再来訪を促すことができ、さらには他の媒体へ高い波及効果まで生まれる可能性もあります。この流れは継続的なコミュニケーションの創出において大きなポイントです。

オリジナルコンテンツはユーザーの「知りたい」を満たす

それでは、なぜオリジナルコンテンツが重要となるのでしょうか。
その理由は、ユーザーにとって、オリジナルコンテンツはインターネット上にある数々の雑多なコンテンツとは違い、他では得られないような有益な情報であるからです。情報過多の時代において、ユーザーはより価値のある有益なオリジナルコンテンツを求めて様々なWebサイトに来訪します。そうしたユーザーの期待に応えることによって、企業が「伝えたい」情報が伝わっていくことを考えれば、それを可能にするオリジナルコンテンツの価値がおのずと見えてきます。

まとめ ー「量」と「質」 どちらも満たせる体制構築がポイントー

その企業しか持ち得ない情報が含まれ、かつ「その企業らしさ」が反映されたコンテンツは、ユーザーのニーズとも合致し、大きな価値となります。オウンドメディアやコンテンツマーケティングの現状を棚卸しし、正しく把握することからアクションプランを決めていきましょう。オリジナリティの高いコンテンツを継続的に制作し続けることは容易ではありません。社内に編集者やサイト解析を行うディレクターのような役割を担うスタッフを完備することが重要です。客観的な目線で自社を評価した上で、ユーザーに伝えるべき情報を集約し、コンテンツを制作する。また、制作後の流入経路などの分析を適正に行い、次回のアクションを決めて実行する、といった作業を継続的に行うことが成功するポイントです。地道な作業の連続ですが、愚直にやり続けているWebサイトだけがユーザーから高い評価を得ているのです。