「オウンドメディア」というと、一般向け商材を扱う企業(BtoC企業)が消費者とのコミュニケーションを図りながら売り上げを伸ばすために運用するものというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

BtoB企業においては、オウンドメディアの制作企画が立ち上がるものの「うちはBtoB企業だから」と社内の反対意見を受けて、とん挫してしまうケースをよく耳にします。
しかし、実はオウンドメディアの活用はBtoB企業にこそ向いているという事実をご存知でしょうか。今回のブログ記事では、BtoB企業とオウンドメディアの相性について解説します。

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なぜBtoB企業はオウンドメディアの運営に向いているのか?

オウンドメディアというと、どのようなサイトが思い浮かびますか。

美容や健康についてのお役立ち情報を発信する企業サイト、好きな芸能人の連載やモデルの着こなしが更新されるファッションブランドサイトなど、その多くはBtoC企業が運営するものではないではないでしょうか。

これらのサイトの目的はさまざまですが、多くは「売り上げアップ」が目的となっています。私たち消費者はこれらのサイトを見て、企業のブランドメッセージを受け取る、心を動かされる、購入する、他の誰かに勧めるといったアクションを無意識にとっているのです。

一方、BoB企業のターゲットはBtoC企業と比較して非常に狭いものです。
専門領域において圧倒的シェアを誇る業界最大手企業も、一般消費者にとっては無名企業と大差ありません。また、そもそもBtoC企業と同様の戦略をとったとしても、多くの人にアクションを起こさせ、購入させることはできません。「記事がおもしろかったから」という理由で、例えば数千万円もの費用がかかるITシステムの導入を決定してもらえることはまずないでしょう。

それでも、BtoB企業がオウンドメディアを始めるべき理由として、以下の点が挙げられます。

①商材が高額であり、投資の回収がしやすい
②発注元の購買検討期間が長いため、長期的なコミュニケーションが必要となる
③ニッチな商品・サービスの場合、競合が少ないため高い訴求効果が得られる
④購入まで完結させる必要がない
⑤リクルーティングへの効果が期待できる

以降は、それぞれの点について解説します。

①商材が高額であり、投資の回収がしやすい

オウンドメディアの目的の多くは「売り上げアップ」です。
となると当然、投資に対する費用対効果が最重要指標となります。この考えからすると、1個100円のチョコレート1つを売るために多くのコンテンツをつくることはできないことがわかります。かつ、そのためにオウンドメディアをつくったとするならば、投資に見合う効果を得るのは至難の業です。しかし、数百万〜数千万円の商品・サービスであればどうでしょう。年間で数件、オウンドメディア経由で成約が生まれれば十分もとがとれます。

②購買検討期間が長く、長期的なコミュニケーションが必要となる

BtoC商材は短期的な情報収集が特徴です。

例えば、北海道旅行を計画する家族は短期的に北海道の旅行情報を収集し、旅行会社や交通機関・宿泊先とのコミュニケーションが必要となりますが、旅行が終わってしまえば途端にコミュニケーションは終わります。

対して、BtoB商材の購買までの検討期間は一般的に長くなりがちです。
高額商材であり、決定までに複数の人物の判断が絡むこともその要因の一つです。

その長い検討期間中、発注元担当者に対してオウンドメディアを通して他社以上の魅力的な情報を届け、「知りたい」「気になる」にタイミングよく応えていくことで、選ばれる可能性を高めることができます。

③ニッチな商品・サービスの場合、競合が少ないため高い訴求効果が得られる

たとえばハウスメーカーがこれから住宅関連情報サイトを立ち上げ、シェアを拡大していくのは簡単ではありません。既に多額の予算と人を投じてシェアを維持している競合企業が多数ひしめき合っているからです。

一方、BtoB領域であれば、切り口やターゲティング次第では、他社とは全く異なるオウンドメディア戦略を展開できるチャンスがあるのです。

競合企業が少ないニッチな商品やサービスを扱っている企業であればあるほど、多くのメリットを享受することが可能になります。

④商品・サービスの購入まで完結させる必要がない

繰り返しになりますが、多くのオウンドメディアの目的は「売り上げアップ」です。その点においてはBtoC企業もBtoB企業も変わりません。つまり、営業ツールとして機能させることができます。

しかし、単価の低いBtoC企業と異なり、BtoB企業では「商品をオウンドメディアで購入させる必要がない」点に特徴があります。「購入」まで完結させるには、それだけ強いアクションを起こさせる魅力的なコンテンツだけでなく、ECサイトとしての機能や管理体制が必要です。

一方、BtoB企業のオウンドメディアの場合は、そこまでの仕組みは必要ありません。最後は営業マンによるクロージングが必要となるケースがほとんどだからです。そのため、「気づきを与える」「プロフェッショナル企業であることを伝える」「実績が多いことを知らしめる」「他社と比較して優れた商品・サービスであることを認知させる」などができれば十分なのです。

大きな演出や高い機能がなくとも、オウンドメディアを立ち上げ、少ないリソースから成果を出すことができます。購入まで完結させなくても、見込み客の流入、売上に繋がる見込み客のリスト獲得を目的に据えることが一般的です。

⑤リクルーティングへの効果が期待できる

多くのBtoB企業は、一般向けの広報活動に力を入れないため、一般消費者への知名度が低く、大手企業であってもリクルーティングに苦戦するケースが多いものです。学生や転職希望者が得ることができる情報は、カタログサイトと会社案内のみで、判断材料が不足しがちです。

オウンドメディアの取り組みによって、形はさまざまではありますが、自社だけでなく、自社の商品・サービスの魅力を発信することができます。どんなときに使えるサービスなのか、どんな企業の課題解決を行っているのか、どんなプロフェッショナルたちがつくっているのか――オウンドメディアを通してこれらの情報を届けることで、就職希望者にアクションを起こさせることも可能になります。

まとめ ーBtoB企業こそやればやるだけ結果が出るー

以上、BtoB企業が今すぐオウンドメディアをつくるべき理由について紹介いたしました。“ターゲットに気づきを与える”という目的が明確になってさえいれば、失敗のリスクは決して大きくないことがわかるはずです。会社、各部門、社員それぞれに眠っている「発信すべき魅力的な情報(=資産)」の活用について議論することから始めてみましょう。

重要なのは、自社の優れた強みを棚卸しするだけでなく、営業ツールとして機能させる点についても議論を行うこと。BtoB企業こそ、格段に営業効率が上がったり、アプローチできなかった企業や思わぬ企業からの問い合わせが増えてくるでしょう。