世の中のオウンドメディアから魅力的なコンテンツをピックアップ。コンテンツ制作のノウハウを学び取る『幻冬舎式コンテンツ研究』。今回はFROGGYの「「決算スライド」にはビジネスのすべてが入っている」というコンテンツを取り上げたいと思います。

FROGGYは、大手証券会社であるSMBC日興証券が運営しているオウンドメディアで、“お金の常識をカエル”をモットーに、お金や投資に関する様々な情報を、ユーザーの興味関心に合わせ、コラム、漫画、連載記事など様々な形で発信しています。ユーザーは自分の興味のある記事からピックアップして読むことができ、気軽にお金に関する知識を増やすことができます。
該当記事は「3分でわかる会社の価値」というテーマの連載記事の第一回で、内容を理解するのが困難な「決算」の読み解き方をレクチャーしています。この記事の秀逸な点は、「小難しい決算書は見なくていい」と言い切っていることです。作者がここまで言い切れるのはなぜなのでしょうか。この答えをさがすべく、記事について詳しくみていきましょう。

固定概念を覆すキャッチでひきつける


コラムの作者であるシバタナオキ氏は元楽天株式会社執行役員、元東京大学工学系研究科助教という華々しい経歴の持ち主。いわば決算分析や財務解説のプロと思われる人物が「小難しい決算書は見なくていい」と本文の冒頭で言い切っている点がまず注目される点でしょう。固定概念を覆す冒頭のキャッチは、多くのユーザーの驚きと興味をかきたてることになると思われます。
一般的に決算書として連想されるものは「決算短信」と呼ばれるもので、モノクロの数字のみが並んでいる書類です。決算短信のような、数字の羅列で面白みのない書類と対峙するのは誰もが苦痛で、シバタ氏自身も「骨が折れそう」と他人事のように言っています。「はたしてプロであるシバタ氏が見ているものは何だろう」と思いながら読みすすめると、すぐに種明かしがされます。シバタ氏は投資者向けの説明資料「決算スライド」をチェックしているのがわかります。
「決算スライド」は、細かい数字の羅列ではなく、大事な数字だけピックアップされ、グラフなども織り交ぜられている資料。文章だけでなく、実際の資料も画像で紹介されています。決算スライドは、無味乾燥な決算書を見るより興味を持ちやすいと思える資料というのは、画像を見ただけでも理解できます。

理解するメリットと次に起こすべき行動を提示


次のセンテンスで、決算スライドの重要性や決算スライドから見えてくる会社の特徴や業績を理解できるようになると、ふだんの仕事や生活においてもメリットが多いと説いています。ここまでの文章で決算スライドについて、ユーザーの興味をひきつけ、次に動きたくてうずうずしている気持ちを察して、実際の行動のノウハウを指し示す流れにつなげます。決算スライドの入手方法を文章と図を用いてに説明し、さらに見るべきポイントを丁寧に解説しています。コラムを読み終えたユーザーは、「決算スライドを探す」または「連載の第二回を読んでさらに知識を深める」のうち、どちらかのアクションをすると予想されます。
決算についてハードルを下げたユーザーにとって、投資は現実的に考える事項となり、コラムを読ませることにより、運営元のSMBC日興証券は潜在的な投資家を増やすことに成功したといえるでしょう。

まとめ

  • 冒頭からユーザーの常識を覆すキャッチをつけ、興味を引き出す。
  • 具体的な理解の深め方と行動の仕方のノウハウを丁寧に教えている。