平成29年より新しくなった医療広告ガイドラインでは、医療機関のホームページを広告と見なすようになり、表現や表記を規制の対象としています。これまで自由に表現していたホームページは修正が必要です。今回は、医療従事者が知っておくべき、以前は目にしていたが、新・医療広告ガイドラインでは違反となっているケースをご紹介いたします。

規制対象となる医療機関のホームページとは?

新・医療広告ガイドラインにて規制対象と見なされる、ホームページで掲載してはならない事項をご紹介いたします。

思い当たるふしがあるようでしたら、迅速に確認、修正しましょう。

医療従事者が注意すべき”広告”と見なされる事項

著名人を治療した実績の掲載

(解説)著名人の治療実績は、閲覧した患者様が優れた技術を持っていると誤解を与えかねません(別コラムで詳細を紹介した「比較広告」および「誇大広告」と見なされます)。実際に著名人が治療を受けていたとしても、ホームページでの掲載は控えましょう。

※比較広告・誇大広告について解説した記事はこちら
「刑事罰則もある虚偽広告。違反対象にならず、自院をPRするには?」
「どこまでが誇大広告?使用しがちな記載と表現に万全な注意を!」

治療前後のイラスト・写真

(解説)治療の効果は患者によって個人差があるものです。誰でも同じ治療効果が得られるものではありません。治療前後のイラストや写真は、「同じ効果が得られる」と誤認する恐れがあるため、掲載できません。

死亡率・術後生存率

(解説)死亡率や術後の生存率も、患者の年齢や個々の健康状態などによって個人差があり、一定数値で測れるものではありません。当然、病院で行っている治療について「この治療を行えば、必ず生存率が上がる」という断定的な文言は使うことができません。

未承認医薬品による治療内容

(解説)治療方法は、広告告示に定められた保険診療で可能なもの、かつ医薬品医療機器等法で承認されたものというように限定されています。国内の未承認医薬品は、たとえ海外で承認・販売されていても取り扱うことはできません。

医療機関に欠かせない“診療科名”に注意!

次に、注意が必要な診療科名の表記について説明いたします。

医療機関のホームページには、診療科名を表記することが一般的です。この診療科名には表記しても良いとされている条件があります。条件を満たさない場合は違反となるため、特別な診療科名を使用している場合は注意が必要です。

厚生労働省では、診療科名を以下のように説明しています。

  1. 「内科」「外科」「精神科」「アレルギー科」「リウマチ科」「小児科」「皮膚科」「泌尿器科」「産婦人科」「眼科」「耳鼻咽喉科」「リハビリステーション科」「放射線科」「救急科」「病理診断科」「臨床検査科」は、単独で表記できる。
  2. a~dは、「内科」「外科」と組み合わせることで表記できる。
    a 身体、臓器の名称
    b 患者の年齢、性別などの特性 例)女性内科 老年精神科
    c 診療方法の名称 例)ペインクリニック内科
    d 患者の症状、疾患の名称 例)アレルギー疾患内科

医療広告ガイドラインにはその他の例も掲載されています。ご参考ください。
医療広告ガイドライン(厚生労働省)

表記の組み合わせは、区分が異なっていれば複数も可能です。
例)小児腫瘍外科、女性乳腺外科

区分が同じであれば、ナカグロやかっこを使い、表記する必要があります。
例)小児・老人内科、内科(循環器)

まとめ

  • 厚生労働省は平成29年に新しいガイドラインを施行した。
  • 医療関係のホームページも“広告”とみなされ規制の対象となった。
  • 医療従事者はホームページに違反がないか、あれば即修正が求められる。

■参考サイト
医療広告ガイドライン(厚生労働省)
医療広告ガイドラインに関するQ&A(厚生労働省)
医療広告相談窓口一覧(厚生労働省)