はじめに

現在、様々な業界で新規顧客の獲得が課題となっています。
特に、単価が高く、商品の購入まで比較検討する期間の長い不動産投資ビジネスやBtoBビジネスでは、それが顕著で、Webを活用したコンテンツマーケティングに活路を見出そうとしている企業が多いようです。

今回は、不動産投資業界を例に、コンテンツマーケティングで何ができるのか、加えて、そのコンテンツを活用して他にも何かできることはないのか、について考えてみたいと思います。

営業部長

営業部長

既存の顧客リストの活用に限界を感じており、新規顧客の開拓に依存している現状を危惧している。テレアポ営業やセミナー、単発のメルマガ配信といった従来のやり方では新規顧客の数が思うように伸びず、新たな施策を模索中。

営業部長

営業担当A

他社との競争が激しく、顧客の新規開拓に苦しむ営業部員。部長からの命により、新たな施策がないか日夜調査し、それをまとめている。

見込み客のニーズに応えるコンテンツを発信することで、顧客へと育成していく

営業部長

今月も売り上げが落ちている。新規顧客が先月より伸びていないことも原因だが、何よりリピート受注が目減りしているのが気にかかる

営業部長

リピート受注に関しては3カ月連続で落ちています。既存顧客へのフォローの無さが響いているんだと思います

営業部長

今は新規顧客の獲得が我が社の命綱だからな。新規顧客が絶えれば、会社が立ち行かなくなる。既存顧客のフォローが薄くなるのは致し方ない部分はある

営業部長

しかし、その新規顧客の開拓も競合他社の影響でかなり苦しいのが現状です。同じ様な営業スタイルのままでは見込み客を警戒させるばかりで、なかなか成約につながりません

営業部長

確かに最近は、電話やメールで営業をかけても反応が悪く、門前払いで断られるケースも多いな……

営業部長

Webは情報が早いですからね。悪評が広まるとあっという間に営業に悪影響が出ます

営業部長

やはりこのままではジリ貧だな……

営業部長

何かいいアイデアが?

営業部長

我が社もオウンドメディアを持って、そのコンテンツを営業に活かせないかと考えている

営業部長

いわゆるコンテンツマーケティングとかいうやつですね

営業部長

そうだ。競合との差別化を図るためにはプッシュでやっても先が見えているから、Webを駆使した営業体制を築かなければならない

不動産投資は、商品の単価が高いため、どうしても購入までの比較検討の期間が長くなる傾向があります。そのため、競合他社の投資商品といつでも比較できるように情報を発信していくことはもはや必須といえるでしょう。
また、新規顧客の意識を投資へと向かわせるためには、顧客の投資に対する心理的ハードルを下げる必要があります。そこで有効なのがコンテンツマーケティングです。

投資に関心を持ち始めたユーザーに、投資の基礎知識や不動産投資業界の最新ニュースなど、ユーザーのニーズに応えるコンテンツを提供することで、これまでのイメージを払拭し、ユーザーの信頼を獲得していくことにつながります。
Webサイトに集めたユーザーを見込み客に、そして最終的には顧客へと育成していくことが、不動産投資業界におけるコンテンツマーケティングの役割です。

インサイドセールスで顧客と接点を持ち続けることで、最適な営業のタイミングを計る

営業部長

悪くないとは思います。しかし、私も調べてきて思ったのですが、顧客にまで育成するとなると長期に渡る戦略が必要となりますから、ウチの社長がうんと言うかどうか……

営業部長

それが一番のネックだ。実は以前にも軽く打診したことはあるんだが、結果が出るかどうかもわからぬものに投資はできないと一蹴されたよ

営業部長

不動産投資会社とは思えぬ発言のような……

営業部長

いや、不動産投資会社だからこそさ。投資だからこそ、安定性を求める不動産投資業界らしいと私なんかは思うよ

営業部長

なるほど。実現にはなかなか障害が多そうですね。ただ、部長のお力になれそうな情報があります

営業部長

ん?

営業部長

インサイドセールスという言葉をご存知ですか?

営業部長

インサイドセールス?

インサイドセールスとは、電話やメールを駆使して行う営業活動やその担当者を指す言葉です。しかし、従来のテレアポ営業と一線を画するのは、Webサイトに訪れたユーザーの動向を分析することで、ユーザーの商品への関心度に合わせて適切な対応をとることができる点です。
不動産投資業界では、顧客リストを営業担当者が個別に管理しているケースが多く、社内で組織的なパイプラインが構築されていないため、新規顧客の開拓を優先する会社では、休眠顧客の掘り起しが滞るといった事態も起きるようです。

インサイドセールスは、電話やメールを活用して、顧客と継続的に接点を持ち続けることが特徴です。新規顧客の自社商品への関心度を探り、既存の顧客との関係性を維持することで、会社にとって最適な営業のタイミングを計ることができます。

そして、そのために欠かせないのがMA(マーケティングオートメーション)です。
顧客の資産や家族構成といった属性から、メールの開封やWebサイト上の顧客の行動履歴まで、様々な情報によるセグメンテーションが可能で、それを分析することにより一人ひとりに合わせた対応をとることができるようになります。

また、営業をかける顧客の優先順位を作成したり、関心度に合わせて最適なタイミングで電話営業をかけたりと、営業活動の効率化を進めることができるのも大きなポイントです。
これは見込み客の育成にもつながるので、新規顧客開拓や既存顧客の掘り起こしに大いに効果を発揮します。

営業部長

なるほど、新規顧客の開拓と既存顧客のケアのための部署か

営業部長

はい。従来のテレアポ営業やセミナーとも連携が取れるのがミソです

営業部長

比較的早くに結果が出せるというわけか

営業部長

結果は難しいにしても、無駄にはなりません

営業部長

しかし、そんなにうまくいくものなのか

営業部長

そのためのコンテンツマーケティングです。コンテンツに関心を持って、Webサイトを訪れたユーザーの動向を、MAを活用すれば数値化できます。そのユーザーが今何に関心を持ち、不動産投資への関心度合いがどのレベルにあるのか分析することで、関心の低い顧客に営業をかけて、商機を逃すということはぐっと減るはずです

営業部長

しかし、コンテンツマーケティングどころか、組織の改編か

営業部長

ダメでしょうか?

営業部長

いや、面白い。やるんだったらとことんやるべきだ。私もバックアップするから、今度一緒に社長に提案しよう。資料の作成は頼めるかい?

営業部長

任せてください。

導入にはコストと時間、労力がかかるが、いち早く取り入れた企業が競争を勝ち抜く

従来の営業活動では、新規顧客の開拓や休眠顧客の掘り起しが十分に行えず、悩んでいる不動産投資会社は多いようです。それを打開するには、いかに顧客を創出できるかにかかっています。

コンテンツマーケティングにより見込み客を育成し、インサイドセールスにより見込み客の商品に対する関心度を探り、最適なタイミングで営業をかける、これが不動産投資業界における新たな営業スタイルの一つになるのだと思います。

また、既存顧客に対してもインサイドセールスでその関係性を維持することで、競合他社に顧客を逃さずに、次の商機をうかがうことができるようになります。

コンテンツマーケティングとインサイドセールスは、両者を融合させることで、その効果を最大限に発揮することができるのです。コンテンツマーケティングもインサイドセールスも、その導入のためにはコストと時間、そして労力がかかります。しかし、それらを惜しまず、いち早く取り入れた企業が今後の競争を勝ち抜いていくのだと思います。