はじめに

PUSH型営業とは、テレアポを中心とした新規顧客開拓の手法の一つです。

アプローチ対象者やキーマンが電話に出ればアポにつながりやすいメリットがあるものの、電話に出ても話を聞いてくれない、そもそも受付にブロックされるなどデメリットも多い営業施策です。アポ獲得率を上げるためには架電量を増やすしかなく、”つながらない””会えない”を繰り返す現場には疲弊感が漂い、成果も上がらないため離職する人が後を絶たない企業も少なくないようです。

そのような状況を把握していても、なかなか改善策を講じられない営業責任者は非常に多いです。変えたいけれどやり方が分からないと頭を抱える状況が続いており、一向に好転しないケースをよく耳にします。

今回の記事ではこうしたケースを紹介したうえで、このようなリスクを避けるためのポイントやインサイドセールスと言われる仕組みについて解説をします。

社長

社長

システム開発をメインに行う独立系IT企業W社の社長。従来のPUSH型営業に限界を感じており、PULL型営業へシフトする必要を感じている
営業部長

営業部長

W社の営業部長。アポ獲得率の低さに頭を悩ませ、日々試行錯誤を繰り返している。

W社のケース

社長

最近、営業部は売り上げも低迷しているし、離職率の高さも気になるね。他社と比較して客観的に何が足りないのだろうか?

営業部長

はい。申し訳ございません。私の頑張りが足らず。

社長

いやいや、そういう根性論を指摘しているのではなく、何か戦略的に始めなければと思ってね。

営業部長

戦略ですか?そうですね。いくつか検討しているものもありますが、手が回っておらず……。営業の現場からは、アポイントについて苦戦しているという話はよく聞きます。以前よりもターゲットにリーチできていないと。

社長

確かに最近アポイント獲得に苦戦しているようだね。君が現場にいたときと何か変えたことでもあるの?あの頃はやればやっただけアポイントなんて取れていたじゃないか。

営業部長

そうですね。特に変えた点はございません。というより、営業手法を一切変えてこなかったからこそ、このような結果になっているのではないでしょうか。しかし、私もこの方法しか知らないので、どこをどのように変えればいいのか考えあぐねておりまして。やはり従来のテレアポも限界を迎えているようです。

社長

そこをどうにかするのが仕事というものだよ。このままではどんどん苦しくなるだけだからね。何か始めて抜け出せる策を練らないと。テレアポだけでは君の言うとおり頭打ちの時代が来てしまったようだ。ところで、他社はどんな戦略で顧客開拓をしているのかな?

営業部長

展示会に出展したり、WEBサイトを強化したり、色々と話は聞きますが……。

社長

どんなことでもいい。何かヒントになりそうなことがあったらピックアップしておいてくれ。

営業部長

かしこまりました。いくつかテレアポに変わるものを調査してみます。

属人的な営業を続けても売り上げは上がらない

これといった案も出ないまま進んだ話し合いのあと、営業部長は一人で頭を抱えてしまいました。

PUSH型営業は属人的であり、営業一人ひとりにかかる領域が広く、負担も大きい営業手法です。そのため、個人の能力と売り上げが比例してしまうことも大きな課題となります。また、営業担当者は仕事をすればするほど実績につながりますが、心身ともに疲弊しやすい環境でもあるため、離職率が高くなってしまいがちです。

これは大きな課題として、多くの企業に重くのしかかっています。特に不動産業界やBtoB企業など、比較的高単価な商材を扱っている営業の現場で常態化しています。

インサイドセールスで劇的に営業効率が上がる

属人的なPUSH型営業からPULL型営業にシフトチェンジするには、まず営業のプロセスを分解し、分業制を取ることで営業効率が上がる仕組みを構築することが大切です。

通常の営業プロセスは、アポイントから始まる接点作りから、見込み客の獲得、見込み客の育成、クロージングという段階に分けられます。それを一人の営業が行っているが故に、個人の負担が増大し、労働時間も長くなって営業が疲弊する原因となります。

また、見込み客になりきれていない潜在層もおり、訪問の移動時間や商談時間を浪費することも少なくないはずです。アポイントの獲得ができていない場合には架電量を増やす必要があり、必然的に継続案件に向けた提案のための資料作成などは後回しになりがちです。結果として長時間労働や心身的なストレスの蓄積が発生し、生産効率の低下に繋がるのです。

そこで、近年注目を集めている仕組みが「インサイドセールス」です。インサイドセールスとはWEBやメールなどを使い、直接対面せずに見込み客とコミュニケーションを行なう営業手法です。ここで言うインサイドセールスとはWEBサイトを活用して、見込み客をホットな状態にまで育成した上で各営業スタッフに引き渡すところまでを指します。WEBサイトに訪れた見込み客によるメールマガジンの登録や資料のダウンロード、具体的な問い合わせなどからリストを獲得し、営業のアポイントにつなげます。

リストの確保からアポイントの獲得までをインサイドセールス(WEBサイト)が行うことで、フィールドセールス(従来の営業担当者)は本来注力すべきであった見込み客との商談や資料の作成に注力することが可能となります。

また、フィールドセールス(外勤)よりもインナーセールス(内勤)に配置された方が活躍する人材もいるため、適材適所の人事配置も実現できます。短期的な戦略ではないものの、将来的にインサイドセールスが完全に機能することで個人の負担の軽減ができ、優秀な人材の定着することも期待できます。しかし、上記はあくまでもプラスアルファのメリットですので、まずは営業のプロセスを仕組み化し、整理することからはじめましょう。それこそがPUSH型営業から抜け出す第一歩です。

まとめ

  • 属人的なPUSH営業では売り上げは上がらない
  • PULL型営業へのシフトの肝は分業制の仕組み作り
  • インサイドセールスで効率的にリスト&アポ獲得