はじめに

BtoB企業の営業はキーマンとの商談を重ねて受注を獲得するスタイルが一般的です。どのようにしてキーマンとの商談を設定しているかと言うと、代表的な手法はテレアポが挙げられます。他には展示会に出展し、名刺を獲得している企業も少なくありません。この手法だと、営業力さえ高ければ成約する確率は高くなる傾向にありますが、営業力は個人によってバラつきがあります。そのため、組織として計画通りに売り上げを積み上げることができず、設定した目標も絵に描いた餅になりがちです。

テレアポはPUSH型のため、アポイント獲得率は決して高くありません。展示会も有効な施策ですが、競合他社も出展しているため、差別化を図らなければ勝てる戦いにも勝てません。一方、BtoB企業のWEBサイトは自社の製品やそのスペック説明に終始しており、資料請求やカタログ請求の問合せ項目しか設置していない企業が多く見受けられます。マーケティング部門の責任者は展示会の計画や広告運用をすることに時間を取られ、悩みや課題を持ったターゲットを引き付けることができていないことに頭を抱えているケースが多く、営業責任者は部下から商談さえできれば自社の製品やシステムの良さを理解してくれるが、WEBサイトでは強みが全く分からないとよく言われるといった報告を耳にする機会が多いようです。

今回はBtoB企業特有の営業、マーケティングの悩みを紐解き、WEBサイトから良質な見込み客のリストを獲得するための施策について解説します。

営業部長

Aさん

システム開発をしている上場企業Z社の営業部長。売り上げが低迷している原因は、自社のWEBサイトにあると気づき始めている
マーケ担当1

Bさん

Aさんと同じZ社のマーケティング部長。展示会の計画や広告運用には積極的だが、WEBマーケティングの重要性にはまだ気づいていない

Z社のケース

営業部長

最近はコンペにすらならない状況で、売り上げが低迷しています。現場のメンバーに聞いてみると、競合他社のWEBサイトと比較すると、当社のサイトは製品のスペックしか書かれていないので分かりにくいと言われるようです。

マーケ担当1

なるほど……。競合他社のWEBサイトはどのような内容になっているのでしょうか。

営業部長

どうやら製品紹介だけではなく、「なぜシステムが必要なのか」「システム導入によってもたらされるメリット」などの内容の記事が掲載されているようです。

マーケ担当1

当社のWEBサイトとはずいぶん違いますね。

営業部長

これまではキーマンと商談さえできれば、成約になる傾向があったのですが、最近は会ってもくれない。既存顧客も競合他社に流れているのは知っていますか?

マーケ担当1

ええ。先月の営業会議で報告を聞きました。原因は何でしょうか。営業はしかるべきタイミングで重要顧客にアプローチしていますよね?

営業部長

商談相手はWEBサイトで情報収集をしていて、あらかた業者を選定しているようなんです。当社の場合は商談時に説明することになるので時間の無駄と判断されていると、しばしば聞きます。マーケティング部門として打開策を講じないと危機的状況に陥りかねませんよ。

マーケ担当1

これまでは展示会や広告を実施してきましたが、それだけでは駄目なのかもしれません。見込み客がWEBサイトで業者探しをしているなら、当社のWEBサイトを魅力的なものに変えなければ何をしても意味がないことになりますね。

営業部長

そうですね。我々の営業チームが動いても、会うことは不要とお断りされることも増えています。WEBサイトの情報が製品のスペックだけという当社都合の内容になっているから選択肢から外されてしまうのではないでしょうか。他にも、競合他社のサイトを見てみると、お客様のニーズをよく捉えた内容になっています。これではWEB上で当社の優位性を見つけることの方が難しいです……。

マーケ担当1

分かりました。まず他社のサイトをよく研究してみます。

商談はWEB上で既に始まっている!

上記の例は従来の営業スタイルから成果が上がりにくくなっているBtoB企業の典型的ケースです。

気づいたときには既に他社に追い越されていて、重要顧客も離れていく……。いくら優秀な営業スタッフを抱えていても、競合に先を越されていれば勝てる確率も下がってしまうでしょう。今回のようなシステム開発会社の場合だと、製品の強み、優位性を語ることは決して簡単ではありません。しかしターゲットの企業が知りたいのは、自社あるいは担当者の悩みや課題を解決してくれる製品です。

アポイントを獲得してから商談を開始する時代は終わりました。新規商談は既にWEBサイトで始まっていることを認識しなければなりません。そのためにはターゲットが知りたいこと、ターゲットの意思決定に役立つ情報をコンテンツにして発信することが必要なのです。

BtoB企業こそコンテンツマーケティングが重要

ターゲットが知りたいのは製品のスペックや価格だけではありません。ターゲットがその製品、システムを使うことによって得られるメリットを訴求する必要があります。そのための手法としてコンテンツマーケティングが有効です。ターゲットが悩んでいることをしっかりと分析をし、その答えを用意するコンテンツがターゲットの課題を解決する一助になります。代表的な施策にブログやホワイトペーパー(ダウンロード用資料)、メルマガなどがあります。

ブランド戦略通信の『BtoBサイト調査結果分析2017』 によると、BtoBユーザーに「製品・サービスについての情報を普段どのようなところから得ているか」という質問したところ、最も多かった回答は「企業のWEBサイト」(64.8%)でした。この結果から企業のWEBサイトが製品の情報源として重要な位置を占めていることが分かります。

ターゲットが知りたい情報は普段営業をしている現場が最も理解しているはずです。営業から吸い上げた情報をコンテンツという形で発信し続けることがBtoB企業のマーケティングにとって重要な施策となるでしょう。スペックや価格といったハード面だけでなく、その製品がターゲットの悩みをどう解決し、どんな効果を上げられるのかを具体的に示すことが購買意欲を高めることにつながります。もともと高い営業力があるのであれば、コンテンツマーケティングを実施することにより、より大きな成果が得られるはずです。

まとめ

  • 属人的な営業スタイルでは成果は上がらない
  • BtoB企業こそコンテンツマーケティングが重要
  • ユーザーが得られるメリットをコンテンツで発信する