はじめに

会社の業績は悪くないけれども、中長期の計画がなく先の見通しに不安があるという課題は中小企業に多く見られるものです。特に既存顧客からのリピート案件や紹介で売り上げを維持している企業はこういった課題に直面しています。

新規顧客の開拓をメインにPUSH型の営業を行っている場合、中長期計画を立てる際に人材採用費や広告費などを予算計上することで、ある程度課題をクリアできるでしょう。しかし、ルート営業と呼ばれる営業手法では、長期間に渡る顧客育成が必要となるため、少しでも接点を保てずにいると、競合他社に顧客を奪われかねません。

また、ルート営業は顧客との接点作りや営業リードの長さの観点から、適した人材でなければ結果を出すのが難しい営業手法と言えるのです。
そのため、人材配置を見誤ると休眠顧客の増加によって売り上げも横ばいになってしまい、結果として先の見通しが立たないという状況に陥ってしまいます。

今回はそのような状況下において、既存顧客へのアプローチと新規開拓を同時に行う手法について解説します。

社長

社長

競合の少ない分野のソリューションを提供するシステム開発会社T社の社長。今のところ売り上げは安定しているものの、将来に向けて新たな施策を打つべきと考えている。
営業部長

営業部長

T社の営業部長。WEBマーケティングについての知識はほとんどなく、WEBサイトの問い合わせの少なさも特に問題視していない。

T社のケース

社長

現状の営業の方法だけれども、以前と変わってはいないのかな?

営業部長

そうですね。数十年続く当社だからこそではありますが、既存の顧客に対するフォローと、たまに頂く紹介案件に対して、手の空いている営業をアテンドしている状態です。

社長

そうか。先程の会議だけれども、営業成績がこれと言って悪いわけでもない。今まで競合がいなかったから、特に営業に対して強い懸念を持ったことがなかったけれど、このご時世そうも言っていられないようだね。

営業部長

確かに、仰るとおりです。現状では売り上げの9割がリピート受注と顧客からの紹介案件です。新規案件の増加も検討したいのですが、休眠顧客が多いことも課題ではないでしょうか。

社長

やはり、今後の会社の業績・売り上げのことを考えると休眠顧客の掘り起こしももちろんだが、新規顧客の割合をもう少し増やしたいところだね。新規の見込み客との接点はどのように作っているのかな?

営業部長

WEBサイトからの問い合わせですね。現状は月に1件あるかないかと言ったところでして……。

社長

なるほど、それでは次回会議までに新規顧客の開拓とそれに伴う売り上げ増加の見込み、それから休眠顧客に対するアプローチ方法を検討してくれないか?

営業部長

かしこまりました。手法を探ってみます。

業績が悪くない今だからこそ施策を後回しにしてはいけない

BtoB企業の中でも、T社のように長年の実績があり、競合他社も少ない企業の多くは新規開拓の必要性に迫られていません。業績が目に見えて悪化すれば、企業として対策を講じるはずでしょう。ところが、直近で困っていないがために、将来に向けた課題を後回しにしている企業は多くあります。しかし、時代の流れが1年単位で大きく変わる現代では、中長期的な見通しを立てながら業績の向上を行うことが重要です。

新規開拓もルート営業強化も実現するデジタルマーケティング

新規顧客開拓について、BtoB企業で独自性のある商品や製品を提供している企業であれば、コンテンツマーケティングが有効です。

コンテンツマーケティングとは、WEBサイトの記事や動画などのコンテンツを通して、ユーザー(見込み客)に対して自社の商品やサービスの魅力を発信する手法です。従来のWEB広告との違いは、企業側の一方的な情報発信ではなく、ユーザーに有益な情報を発信している点です。ユーザーが知りたい情報をコンテンツとしてWEBサイト上で発信し、自社サイトへのアクセスを増やし、問い合わせを獲得することができます。

また、従来の広告効果は一時的のものですが、それと対比してコンテンツは企業の資産となり、長期的に活用できる点もコンテンツマーケティングの大きなメリットでしょう。コンテンツは営業ツールとして活用することもできますし、リライトしてホワイトペーパーを作成するなど、活用方法も様々です。

一方で既存顧客へのルート営業を行うにしても、営業のリソースは限られているため、営業を効率的に行わなければ競合他社に顧客を奪われてしまう可能性も出てきます。そこで、休眠顧客に対しては、MA(マーケティングオートメーション)を活用したメールマーケティングを行うといいでしょう。MAとは、従来手動で行っていた膨大な情報処理や複雑な業務を自動化し、効率を高める仕組み・ツールのことです。休眠顧客を確度の高さでランク分けすれば、そのランク別にメールを配信することができますし、見込み客を分類すれば、そこに向けてダイレクトにアプローチすることが可能となるのです。しかし、このマーケティングの手法は一朝一夕ではできません。

中長期に渡って安定した売り上げを確保するために、こうしたデジタルマーケティングを検討するべきです。

まとめ

  • 業績が悪くないうちに将来の施策を打つのが賢明な判断
  • 新規顧客と既存顧客の両取りができるのがデジタルマーケティング
  • メールマーケティングを活用して休眠顧客の掘り起こしを