オウンドメディアの運営による集客やブランディングは、もはや企業経営における「常識」になりました。しかしポイントを押さえておかなければ、うまくいかないどころか、損をしてしまう可能性もあります。

前編に続き、失敗ケースの⑤~⑦をご紹介します。

オウンドメディアの失敗ケース

⑤ドメインやサーバー、コンテンツの権利が業者に握られている

ドメイン、サーバーの所有権やコンテンツの著作権などが業者側にあるケースです。なぜ困っている経営者やマーケティング担当者が多いかと言うと、簡単に契約解除ができないからです。時間とリソース、コストを費やして運用してきたサイトやコンテンツが自社で自由に使うことができないため、業者との契約を解除した途端に切り離され、それまで積み上げてきたものが一瞬でゼロとなってしまうのです。ドメイン、サーバー、コンテンツはほかの誰かの手により運用されてしまうことになってしまいます。

何のためのサイト運用かをよく考えることも大事ですが、オウンドメディア業者との契約書をよく確認してください。内容の確認をしないまま契約を結んでしまったがために、契約解除した際に泣かざるを得なくなった企業がたくさんあります。コンテンツについても著作権がライターや業者側にあると、先述した二次利用が容易にできません。二次利用をするにしても、許可が必要となるため非常に高いストレスが生じることになります。発注する前に契約書をよく確認することをおすすめします。

⑥インフラツールなどの導入が目的で契約解除ができない

ケース⑤で紹介した内容と重複しますが、オウンドメディア制作運用だけでなく、CRM(顧客管理システム)やCMS(コンテンツ管理システム)、MA(マーケティングオートメーション)が紐付いているケースはよく注意してください。

CRMやCMS、MAは非常に優れたシステムです。それらも含めて運用するという認識で発注する場合は全く問題ありませんが、解約する場合のことも考慮する必要があります。将来の解約を検討せずに進めてしまうと、より良いシステムに出合ったときに解約しづらくなるリスクが生じます。

いずれのシステムも、データを蓄積し続ける点では同じです。別のシステムに乗り換えるために蓄積したデータを移行するには、かなりの時間と労力を要します。便利でおトクというだけで運用してしまうと、いざというときに身動きが取れなくなってしまいますので、オウンドメディアの目的や軸を決めてからシステム導入を検討するようにしましょう。

⑦多くの業者を使うことになり、運用コストが膨れ上がる

広告はA社、オウンドメディア制作はB社、保守運用はC社など、領域ごとに専門のプロに発注している企業は多いと思います。リスク回避という観点では間違っていませんが、担当領域以上のことはしてくれないのが業者というものです。経営者やマーケティング担当者からすると、かゆいところにも手が届くサービスを期待しますが、領域を越える依頼をしたとたんに、業者の手が止まってしまうケースが非常に多いのです。

複数の業者を使う場合、運用の目的やコスト、プランなどを全て共有する必要があります。果たしてA社とB社には同じ熱量があるのでしょうか。あってほしいと願いますが、実際A社は様々な施策を提案してくれるのに、B社は指示したことしかしてくれないといったケースはよくあることです。結果としてオウンドメディアの運用はできていても継続的に発展させることができなくなる可能性が高くなります。いたずらに時間ばかりが経過してコストも膨れ上がることになってしまいます。バランスを考慮し、極力業者は少ない体制で運用することが望ましいと言えるでしょう。

まとめ−オウンドメディア成功は業者選びで9割決まる−

いかがだったでしょうか?

今回ご紹介した失敗ケースはほんの一部にすぎません。リスティングなどのWeb広告に多くの費用を投資する時代ではなく、コンテンツに投資をする流れが確実にきています。私たちが経営者やマーケティング担当者に接する中で改めて思うのは、知識や専門性に乏しいゆえに業者の言いなりになってしまう企業が少なくないということ。Webサービスは特にその傾向が顕著です。

“Web=営業ツール”という時代は終わりました。ヒト・モノ・カネは経営に欠かせませんが、Webも立派な経営ツールです。ビジョンや課題を正確に把握し、Web領域で企業の課題を一気通貫で解決できる業者に依頼することが最もリスクが少ない優れた選択です。領域ごとに業者をセレクトしていると、ビジョンや課題感を繰り返し説明することになります。全ての業者が経営者あるいはマーケティング担当者が伝えている内容を同じ粒度や温度感で理解しているとは限りません。業者選びを慎重に行うことが成功への何よりの近道だと言えます。