企業経営者に聞いた オウンドメディア失敗事例7【前編】
企業の経営者やマーケティング担当者と会話をしていると、「オウンドメディア」という言葉を頻繁に耳にします。オウンドメディアとは、企業がコーポレートサイトとは別に運営する、自社の商品やサービスの紹介に特化したメディアのことです。その目的は、ユーザー(見込み客)にとって有益な情報を定期的に発信し、ロイヤリティを獲得。最終的には自社商品やサービスの購入を促すことにあります。

現在では多くの企業がオウンドメディアを運営していますが、成功するケースと失敗するケースにはっきりと分かれています。

本コラムでは、私たちが経営者やマーケティング担当者と接する中で目の当たりにしてきたリアルなオウンドメディアの失敗ケースについてご紹介します。後編はこちら

オウンドメディアの失敗ケース

①明確な目標を設定せずにオウンドメディアを作ってしまった

オウンドメディアを運営することに大きなデメリットはありません。強いて言うならば、初期費用としてサイト制作費が、ランニングコストとしてコンテンツ制作費が必要となりますが、これはデメリットではなく必要経費といえるでしょう。

オウンドメディアの運営に失敗した経営者からよく聞くのは、「明確な目標(KPI、KGI)を設定しないままスタートさせてしまった」ということです。

例えば、
・友人が経営する会社がオウンドメディアを運営している
・競合企業が最近オウンドメディアを立ち上げた
・最近さまざまなところでオウンドメディアのことを耳にする

このような理由から、自社も乗り遅れてはならないと焦り、見切り発車でオウンドメディアを作ってしまうケースです。

明確な目標やターゲットを設定しないオウンドメディアを立ち上げても、視点がボヤケた曖昧なサイトにしかなりませんし、コンテンツの方向性も軸がブレているため、せっかくアクセスしてくれたユーザー(見込み客)も離脱してしまい、二度、三度とアクセスしてくれることはないでしょう。

せっかく時間と労力、費用をかけてオウンドメディアを作るわけですから、実施する際には目的に沿った内容にすることが重要です。

②継続的なコンテンツ制作ができず運用が止まってしまう

オウンドメディアやコンテンツマーケティングでは、やみくもにコンテンツを制作すればいいわけではありません。仮に専任者がいても、一人の人間から無尽蔵にアイデアが出てくるとは限りませんし、内製化されたチームで運用しても、コンテンツテーマが似通ってしまうことになり、オリジナリティのない内容になってしまいがちです。例えチームで毎週会議をしても悪い方向にハマっていく一方で、なおかつ既に多様性を失っているため、ユーザー(見込み客)に飽きられてしまいます。

どんなに優れたサイトでも、ユーザー(見込み客)にとって価値のあるコンテンツを継続的に生み出せなければ成功とは言えません。コンテンツの質と量、ともに満たせるパートナー選びが欠かせません。

③外部に制作を依頼したコンテンツの質が低く、結局自社で作ることになった

最も多いケースの一つで、私たちにも専門性の高いライターを紹介して欲しいなど、多くの相談が寄せられます。

オウンドメディア業者のWebサイトでは、ライターを募集していることがよくあります。さらに採用媒体やクラウドサイトでもライター募集の求人を目にします。ライター募集といっても、その実情は1本(1,200字〜1,800字)のコンテンツで3,000円〜5,000円の対価を支払うというもので、募集対象となっているのも応募をするのも、執筆をしたことがない人がほとんどです。

オウンドメディア業者に発注する側とすれば、依頼しているコンテンツはライターが書いていると認識しているため、当初は安心して発注します。ところが、蓋を開けてみると納品されたコンテンツの中身はオリジナリティのあるものではなく、総花的な内容になっているというのはよくあることです。書いている人はいわゆる執筆業を生業としている人ではないわけですから無理もありません。そして結果的に自社の担当者に書かせた方が早いということになり、契約更新をしなくなってしまうのです。

ツールを使えば、ユーザー(見込み客)が欲している情報をある程度調べることはできますが、ユーザー(見込み客)の心を動かすコンテンツを作れるかどうかは全く別の話。機械的にコンテンツテーマを抽出し、執筆したことのない人にアルバイト感覚で発注する業者は要注意です。編集者がきちんとテーマを整理し、プロのライターに方針を伝えた上でしっかりコントロールできる業者に依頼すべきです。

コンテンツはオウンドメディア運用の肝です。魅力的なコンテンツがないサイトにユーザー(見込み客)は集まらず淘汰されるだけです。このような事態を招かないためにも、業者にはライターリストやコンテンツ制作フローの開示を求めるようにしましょう。

④コンテンツの二次利用など、有効活用ができていない

コンテンツには反応が良いものとそうでないものがあります。特に反応が良いコンテンツは、ある程度の時間が経過しても成果を上げてくれることが期待できます。この点を正しく理解している方は多いのですが、マーケティングオートメーション(MA)やホワイトペーパーなど、二次的に有効活用できていないため、サイトに公開して終わり、という単発型のコンテンツになってしまいがちです。せっかく時間と労力、費用をかけて作ったコンテンツですから、転載・転用やリライトなどして有効活用しない手はありません。

質の高いコンテンツは継続的に成果を出してくれるため、時間を置いても再利用する価値があります。アクセス解析などを細かく行い、質の高いコンテンツの抽出と二次利用についてよく検討するようにしましょう。

後編では、失敗事例⑤~⑦をご紹介します。