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2017年9月22日

UXデザインを推進するためのプロジェクトの進め方

近年、ユーザーエクスペリエンス(以下UX)という言葉を耳にするようになりました。
UXとは、国際標準化機構のISO9241-210によると、「製品やシステムやサービスを利用したとき、および/またはその利用を予測したときに生じる人々の知覚や反応のこと」とされています。
その製品をユーザーが使用した際、どう感じ、何を不便に思うのか。
それを知ることで、ユーザーの満足度を高めることができます。
Webマーケティングにおいても、同様の考え方が求められます。
Webサイトに訪れたユーザーがどのように感じるのかを考慮することで、よりよいインターフェイスや導線、デザインを導き出すことができるのです。
UXデザインとは、この顧客体験をデザイン(設計)することです。デザインとは、ビジュアルに限らない、“企画設計”を指します。

UXデザインの難しさ

UXデザインは、決して容易なものではありません。
そもそもWebサイトは、その種類やWebサイトの目的によって考慮すべき点が異なるものです。そのため、ユーザーの導線も異なりますし、さらに専門的な業種では法的な問題考慮しなければなりません。
ウェブサイト全体の構築について考えるのか、一部の機能の改善なのかによっても考え方は異なります。

また、Webサイトの構築にあたっては、プロジェクトに関わる人の職種がバラエティに富んでいるため、それぞれの立場による考え方が異なるという課題もあります。同じ職種内においても、それぞれの実力や考え方、キャリアによって手法が異なるものです。プロジェクトの規模感も関係してくるでしょう。
そのため、プロジェクトを進行させていくにあたって、チーム内の意見の対立も考えられ、チームごとに優先事項が異なることも予想されます。そのような環境においても、チームの意見をまとめてプロジェクトを進めていかなければなりません。

そのため、一つの答えがなく、臨機応変な対応と地道な積み上げが求められるのです。

UXデザインのプロセスとは

先述した問題から、デザインプロセスには以下の4つの原則が存在します。

原則1:プロジェクトによって異なる
先述の通り、プロジェクトの内容によって考慮すべき点は異なります。

原則2:厳密なデザインプロセスは役に立たない
これも先述の通り、スタッフ各人のスキルセットが異なるほか、人の入れ替わりが激しい
こともあり、厳密にプロセスを決めても、その通りに進まないことが多くあります。

原則3:デザインプロセスはまっすぐに進まない
実態が不明なことが多いため、やってみたら間違っていた、さらに良い方法が見つかった
、などということが発生します。とにかく試行錯誤が必要です。

原則4:理想よりも効率を追求する
理想を追い求めてユーザー調査を丹念に行い、完璧なコンセプトを作ろうとすると、時間
がいくらあっても足りません。時間をかけても間違っていることもあります。どのように
進めたら効率的になるのかを考えるべきです。

ダブルダイヤモンドモデルとは

このように考えていくと、試行錯誤だけの無軌道な方法で制作していくように感じられるかもしれませんが、実は“発散”と“収束”の2つを行ったり来たりするという法則があります。
その法則を理解しやすくするため、“ダブルダイヤモンドモデル”をご紹介しす。

「探索(発散)」 → 「定義(収束)」 → 「展開(発散)」 → 「提供(収束)」

ダブルダイヤモンドモデルとは、上記のように、各フェーズを経て左から右に進行していくことを表すモデルです。一方通行で進むだけでなく、行ったり来たりもしますし、各フェーズの重要性はプロジェクトごとに異なりますが、概ねプロジェクトはこの流れに沿って進行します。
探索、定義、展開、提供のそれぞれのフェーズについて解説します。

ダブルダイヤモンドモデルの「探索フェーズ」とは

探索フェーズは、情報収集のフェーズです。課題がどこにあるのかを見つけ出すことが命題になります。
抽出するべき情報の多くは、下記の内容です。

・解決すべきデザイン上の課題
・ビジネスの要件、価値
・プロジェクトのスケール、リソース、制約事項
・ユーザーの状況

ダブルダイヤモンドモデルの「定義フェーズ」とは

定義フェーズで行われるのは、探索フェーズで得た情報を解釈し、ユーザーのインサイトを導き出す活動です。ユーザーのペルソナ設定もこのフェーズにあたります。
定義フェーズで確認されるのは、以下のような事項です。

・ターゲットユーザーの設定と、ワークフローの設定
・デザインで解決すべきユーザーの問題点
・デザインの目標、理念
・制約事項の確認

仮説であっても、持てる情報をすべて使って作成しましょう。
情報が足りないことに気付いたら、探索フェーズに戻っても問題ありません。

ダブルダイヤモンドモデルの「展開フェーズ」とは

定義で得た知見を基に、実現に向けた意思決定を行うものです。展開と聞くと制作の実作業に思われますが、スケッチやプロトタイプを構築し、前に進める作業のことで、設計(デザイン)段階での展開という意味です。
ここでのポイントは以下の3つです。

・問題の中核に重点を置く
・フィードバックと修正を迅速に行う
・ブレーンストーミングを行い、吟味する

一つの案にこだわるのではなく、複数考案したうえで比較検討し、最も効率のよいものを求めます。完璧なものを目指すよりも、目的の解決に向けた「最低条件」を満たす最短で効率の良いものが最適です。
こうして出来上がったものを、評価し、一つの案に絞り込んでいきます。

ダブルダイヤモンドモデルの「提供フェーズ」とは

展開フェーズが完了し、方向性が定まったところで、提供フェーズに移ります。
ここでは細部を作りこみ、意思決定をもって進んでいきます。
具体的には、

①ユーザビリティテストを行い、Webサイトが使いにくくないか確認し、
②あらゆるケースを想定して対応を行い、
③ビジュアルデザインとコピーライティングを完成させ、
④方向性がぶれない軸づくりを行い、プロジェクトのスタッフを管理していきます。

もちろん上記の項目に縛られすぎず、プロジェクトの状況によって柔軟な対応が求められることは言うまでもありません。目的に向かったスタッフ同士の歩み寄りが大切になります。

まとめ

UXデザインは、試行錯誤によってなされます。明確な答えはないものの、どのようなプロセスを踏むべきか予め想定しておくことによって、集めるべき情報、目標が定まり、プロジェクトを効率的に進行させることができます。また、多くの人が関わることを考慮すると、厳密な制度を設けるのではなく、それぞれの環境に応じて柔軟に対応することがポイントになるでしょう。

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