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2017年6月1日

ユーザビリティ評価の基本と評価に必要な4つのステップ

ユーザビリティ評価とは、Webサイトやアプリにおける「ユーザーにとっての使いやすさ」を評価する手法です。ユーザビリティ評価は、例えばユーザーが商品を認知してからWebサイトで購入するまでの一連の体験=UX(User Experience)の改善に役立てられます。

Webサイト制作やWebサイトの改善提案を求められたマーケティング担当者なら、「ユーザー体験」「ユーザビリティ」といった用語に触れる機会も多いでしょう。しかし、どのような手順で「ユーザビリティ評価」を行うのかを誰かに教えてもらったり、実践できたりする機会はそう多くありません。

そこで本記事では、ユーザビリティ評価の概要をはじめ、ユーザビリティ評価に必要な作業を解説します。ユーザビリティ評価の方法を知り、ぜひ一度チャレンジしていただければと思います。

ユーザビリティ評価とは

ユーザビリティ評価とは先述のとおり、UX(Webサイトで購入するまでの一連の体験)の改善に役立てられる手法です。その目的は、ユーザーが何らかの目的でWebサイトを訪問し、その目的を達成するまでの過程で起きている課題に気付くことです。その課題を改善し、ユーザーにより良い体験を提供することがユーザビリティ評価のゴールとなります。

では、ユーザビリティとは具体的に何を指すのでしょう。ISO(国際標準化機構)規格では、ユーザビリティの定義は「有効さ」「効率」「満足度」であるとしています。有効さとは、ユーザーが何らかの目的でWebサイトを訪問した際、その目的を達成できるかどうか。効率とは、ユーザーの目的達成までの動きが無駄なくスムーズにできているか。満足度とは、ユーザーが不満足を覚える要素を除外し、気持ちよく利用できる状態にしているか、と解釈できます。これらの定義を評価するのが、ユーザビリティ評価です。

では実際に、ユーザビリティ評価の方法について見ていきましょう。

ステップ①ユーザビリティ評価でアウトプットする事項をイメージする

まず行うべきは、ユーザビリティ評価を通してアウトプットしたい事項をイメージすることです。

最終的に手に入れたいのは、有効さ・効率・満足度の3点から見たユーザーの評価です。例えば、通販サイトのメールマガジンで新商品の案内があり、その商品をWebサイトで購入できるかどうかを検証するとします。それぞれの度合いは以下のように検証できます。

有効さ…ユーザーの目標達成率。例えば、目標達成ポイントを「商品の購入完了」とした場合、商品を購入しようとしたユーザーのうち何%が達成したのかを調査します。例えば商品購入には会員登録が必須であった場合、ユーザーのうち何%が会員登録を完了できたのかも調査しましょう。

効率…目標達成ポイントまでの過程でユーザーがつまずいた回数とポイントを記録します。もしも1人のユーザーだけが何度もつまずいていたら、調査対象のWebサイトは、ある特定のユーザー属性に対して効率性を欠いているのかもしれません。また、複数のユーザーが同じポイントでつまずいていれば、そこに重大な欠陥があると考えられます。

満足度…目標達成までの間、ユーザーが不満に感じたことをその都度報告してもらい、記録しておきます。こちらも不満の回数・ポイントによって評価します。ただし、目標達成のためには満足度よりも有効さ・効率が重要です。有効さ・効率は離脱率に関わりますから、満足度よりも優先順位を高く設定すべきでしょう。

以上のように有効さ、効率、満足度を計測し、目標達成ポイントまでのどの部分にどのような課題があり、どの程度重大な問題なのかをアウトプットできればOKです。

ステップ②ユーザビリティ評価の要件を作成する

アウトプットのイメージができたら、ユーザビリティ評価を行う際の「要件」を決めましょう。要件とは、ユーザビリティ評価をする「目的」「タスク」「ターゲット」を明確にすることです。

例えば、目的が「通販サイトの売り上げをアップさせたい」だった場合、「通販サイトで定期的に商品を購入しているユーザーのリピート率を上げて、○ヵ月後には売上の△%を確保したい」とすれば明確です。

次にタスクですが、上記を目的とした場合、タスクは「通販サイトの会員がステップメール経由で新商品を購入できるか」といったところでしょうか。コンバージョンポイントと流入元を明らかにするのがポイントです。

最後にターゲットを決めましょう。これはペルソナ(顧客像)を設定すると想定すればスムーズにできます。ユーザーの属性(年齢・性別・職業・居住地・家族構成など)、ライフスタイルや通販サイトへのリテラシー、購入させたい商品に関わる悩みも明確に設定しましょう。

ステップ③ユーザビリティ評価を実施する

要件が決まったら、実際にユーザビリティ評価を行います。実験者は先述したアウトプットのイメージと要件を見ながら、被験者にタスクをこなしてもらいます。

このとき実験者は、被験者の「発言」「行動」に注意して観察しましょう。被験者が想定したシナリオどおりタスクを完了できない場合、不明点や不満を発言してもらい、なぜ実行できないのか、その原因を探らなければならないからです。

また、被験者が困ったときに無意識にとる行動にこそ、課題の本質が隠れています。それらを細かく記録しながら、なぜその発言や行動をしたのか、深く掘り下げてみてください。

ステップ④ユーザビリティ評価レポートを作成する

ユーザビリティ評価が終了したら、レポートなどの形式でアウトプットします。先述のとおり、有効さ・効率・満足度の3つに分類して、解決すべき課題の優先順位を決定します。まず優先すべきは、有効さと効率の2点でしたね。これらの課題ですぐに取りかかれるものから改善していきましょう。

ユーザビリティ評価で失敗しないために必要なこと

なお、ユーザビリティ評価を終えて改善施策に入ろうとする際、注意すべきことがあります。それは、評価に関わる担当者が「自身の持ち場を越えて行動する」ことです。

ユーザビリティ評価は、マーケティング戦略に有効な手法でありながらも、その費用対効果に懐疑的な人も少なくありません。ユーザビリティ評価は、準備や実験はもちろん、その後の分析、改善と多くの作業が発生し、大きな労力と時間を割きます。また、改善後に効果が出るまでの時間は、案件によって異なります。関わるメンバーすべてに理解を得ることは難しいでしょう。

もしもあなたがユーザビリティ評価の担当者に任命されたら、まずは自身の持ち場の中で、できる範囲から始めてみましょう。大々的なプロジェクトではなく、個人やチームの実行レベルに合わせることが、ユーザビリティ評価を成功させる秘訣です。

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