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2017年6月28日

リスティングだけやってるWeb担当者向け アドネットワーク広告の仕組み解説

Web広告にはさまざまなものがありますが、「リスティング広告のみ実施している」という企業も多いのではないでしょうか。あるいは、リスティング広告とアドネットワーク広告を運用していて、リスティング広告のキーワードは代理店と定期的に打ち合わせしているものの、アドネットワーク広告については「代理店任せ」という担当者も多いでしょう。

確かにアドネットワーク広告は、リスティング広告と比較すると、効果検証に手間がかかるものではあります。しかし、リスティング広告とアドネットワーク広告を併用することで高い費用対効果を生むことが可能なのです。

本コラムでは、そんなアドネットワーク広告の特徴を改めて確認するとともに、成果を最適化するカギを握る“ペルソナ設計”の考え方をご紹介いたします。

1 アドネットワークとは

アドネットワーク(ディスプレイネットワーク)広告とは、複数のWebサイトを1つの「広告配信ネットワーク」としてまとめたサービスのことです。これにより、複数のWebサイトの広告枠に対し、一括で広告配信することができます。

・アドネットワーク広告の特徴①検索結果以外の画面に表示できる

検索による情報収集が一般化している昨今、検索連動型の「リスティング広告」は有効な手段となりえます。しかし実際のところ、ユーザーが情報収集において検索結果の画面を見ている時間は決して長くありません。情報収集の時間のうち90%程度は、検索画面ではなくWebサイト画面を見ているといわれているのです。アドネットワーク広告は、検索画面以外ではなくWebサイトに広告を表示できるため、多くのネットユーザーに接触できる点が特徴です。

・アドネットワーク広告の特徴②課金額は入札制で決まる

アドネットワーク広告は、ネットワークに含まれるWebサイトに画像形式やテキスト形式の広告を配信できます。

広告費は「クリック課金型」もしくは「インプレッション(表示)課金型」となっています。クリックやインプレッションの単価は入札制で決定され、広告の掲載可否と、その際の課金額が決まります。

・アドネットワーク広告の特徴③GoogleやYahoo!から出稿できる

アドネットワーク広告はリスティング広告と同様、GoogleまたはYahoo!の広告サービスとして出稿することができます。ただし、リスティングと異なり、アドネットワーク広告の場合はこの2社以外の企業もネットワークを持ち、広告出稿サービスを提供しています。

「MicroAd Blade」などのDSP(Demand Side Platform)(を利用することで、複数のアドネットワークに対して一括で広告を配信することもできます。

2 アドネットワーク広告のメリット

・アドネットワーク広告のメリット① 広告出稿にかかる工数・費用の削減

アドネットワーク広告が登場するまでは、広告主が媒体に対し、掲載を依頼する必要がありました。そのため、媒体ごとに課金や結果レポートの形態が異なり、広告主としてはどの媒体がいいのか、選定が難しいという問題がありました。

一括で出稿できるアドネットワーク広告の登場により、広告出稿の手間と効果測定の課題が解消されたのです。

・アドネットワーク広告のメリット② 多様なターゲティングが可能

媒体社やメディア運営者は、アドネットワーク広告の運営者が提供する「アドタグ」をWebサイト内に設置するだけで広告収入を得ることができます。これによって、各アドネットワークは膨大な数の広告枠を得ることができました。

このネットワーク内において広告主は、ただ広告をランダムに出すのではなく、特定の興味関心を持ったユーザーに絞り込んで広告を配信することができます。

たとえば、以下のようなターゲティングです。

【場所のターゲティング】

・コンテンツターゲット:特定のキーワードを登録し、キーワードに関連するWebサイトに広告を配信

・プレースメント:特定のWebサイトやサイト内の掲載位置を指定して広告を配信

・キーワードターゲット:特定のキーワードを指定し、キーワードが掲載されているWebページへ掲載

・トピックターゲット:Webサイトのテーマを指定して広告を配信

【人のターゲティング】

・デモグラフィックターゲティング:性別、年齢、地域などを指定して広告を配信

・インタレストカテゴリマッチ:訪問履歴などからユーザーの興味を指定して広告を配信

・リターゲティング:自社サイトへ訪問したことがあるユーザーを指定して配信

・類似ユーザーターゲティング:自社サイトへ訪問したユーザーや、既存顧客とネット上の行動が類似するユーザーに広告を配信

3 アドネットワーク広告のデメリット

・アドネットワーク広告のデメリット① プッシュ型広告である

アドネットワーク広告が表示されるのは、ユーザーが情報を自ら検索する検索画面ではなく、表示された通常のWebサイト内に設けられている広告枠内(ディスプレイ、テキスト)です。リスティング広告のようなプル型広告ではなく、あくまでプッシュ型広告であるため、AISASでいうところのA(Attention)とI(Interest)を喚起しなくてはなりません。

明確な欲求が存在していない状態、もしくは潜在的な状態のユーザーに情報を届けることになるため、「この情報は自分のためのものだ」と思わせる広告になっていなければ期待する効果は得られないのです。

・アドネットワーク広告のデメリット② 予期しないWebサイトへの掲載

広告配信が開始されているにも関わらずサイトへの流入数が増えない場合は、意図しないWebサイトに広告が配信されてしまっている可能性があります。あるいは、流入が爆発的に増えたものの、関連性が低く、閲覧の多いサイトからの質の悪いクリックばかりが生まれていることもあります。

広告出稿の目的が達成される状態になっているのか、確認・管理していく必要があります。

4 アドネットワーク広告出稿時のポイント ペルソナ設定

アドネットワーク広告で成果を上げていくには、「誰に何を届けるのか」のプランニング、つまりペルソナ設定が重要です。

例えば、「30代前半の女性向けの旅行パッケージを販売する」ケースを想定してみましょう。出稿先候補としては、旅行情報サイト、旅行用品販売サイトやリフレッシュ方法の情報サイトなどがまず思い浮かぶのではないでしょうか。もちろん、これらの情報サイトが重要な出稿先であることは間違いのない事実ですが、当然ほかの旅行会社も同様のサイトに出稿するはずです。すると、入札単価が上がってしまいますし、似たような広告ばかりが表示され、ユーザーが反応しにくくなってしまうのです。広告主にとっても、ユーザーにとっても、いい結果にはなりません。

こういった状態を回避するには、さらにターゲット像を絞り込む必要があります。「30代前半の女性」だけではまだ不十分です。もっと深く「どんな30代前半の女性なのか」を考えていきましょう。同じ30代前半の女性でも、「キャリア志向」「婚活中」「子どもがいる」などの属性によって生活習慣や趣味嗜好が変わってきます。このように、ターゲットの特徴を具体的に設定していくことを「ペルソナ設定」といいます。

例えば、「30代前半、東京都23区内在住、未婚、恋人あり、年収400万円、趣味は読書、冬はウィンタースポーツ、オフシーズンに最近ランニングを開始、お酒が好きなAさん」とペルソナ設定すると、さらに思索を深めることができます。「恋人あり」からは「結婚式の情報を収集しているのでは」と想定し、ブライダル関連サイトがターゲットになるかもしれません。また、最近ランニングを開始した理由が「健康を気にし始めた」というものであれば「健康関連、食材関連」の情報にアンテナを張っているかもしれません。「冬はウィンタースポーツ」を嗜むということは、秋ごろからスポーツ用品の情報を収集し始めるとも想定されます。

ペルソナ設定によって「どのようなWebサイトを見ているか」を導き出し、それらのWebサイトに出稿して効果を最大化することができるのです。

このように、アドネットワーク広告は検索連動型のリスティング広告とは全く異なる特性を持っています。顕在化していないユーザー向けであるため、ペルソナ設計に基づいた仮説と検証が必要な分、手間がかかりますが、競合との入札争いを避けられます。ターゲットユーザーの行動・心理と、競合との差別化が実現できれば、リスティング広告との相乗効果も期待できるでしょう。

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