幻冬舎ウェブマのWebマーケティング情報ブログ

Webマーケティングの基礎や参考事例をわかりやすく解説・紹介しています。

2017年7月25日

インフルエンサーを起用する前に知っておくべき“影響力”の正体

今やソーシャルメディア、そしてソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNS)は生活の一部になっているといっても過言ではなく、その影響力は非常に大きくなっています。友人が旅行や食べ物の写真を公開しているのを見て、行ってみたい、食べてみたいと思ったり、好きな芸能人がお気に入りのアイテムを公開しているのを見て、そのアイテムが欲しいと思ったりするのは、既に当たり前のことになっているでしょう。
近年では、そんな感情の動きを利用して、“インフルエンサー”と呼ばれる影響力を持つ著名人を活用し、SNSで商品の広告を行う手法もあります。
本コラムでは、そもそも「影響力」がどのように作用しているのかを、行動消費論の視点から考えていきましょう。

消費者に影響を与える集団「準拠集団」

もともと私たちは、多少なりとも他者からの影響を受けて生活しています。
その影響を与える集団を「準拠集団」といいます。
この集団は主に、以下のように分類することができます。
まず、会社やサークル、家族など本人が所属するグループである「所属集団」です。
所属集団では、そのグループ内でルールや行動に影響されます。
次に、憧れの対象となる著名人やスポーツ選手などの「願望集団」では、その憧れの対象に近づくような行動をとることでしょう。
また「願望集団」と真逆の「拒否集団」は、その名の通り、本人が嫌う集団のことです。
消費者は、拒否集団とは異なる行動をとろうとします。

準拠集団が与える3つの影響力

前述のように、準拠集団にはさまざまな形がありますが、それぞれの集団が与える影響には、3
つの要素があります。

1つ目として、《人に情報を与える》「情報的影響」。商品の良し悪しを見分ける知識や、流行の情報などがこれに当たります。
2つ目は、《他人の期待、周囲の人の評価を意識》し、物事の選択に影響を与える「功利的影響」です。人と同じ服を着たい、もしくは着たくないという感情に基づく行動や、誰かと食事をするときに、その誰かと同じ価格帯のコースを選択することなどです。
3つ目は、《集団に似た行動をとることによって、自らのイメージを集団と結びつけ》ようとする「価値表出的影響」です。例えば、SNSで話題のスターバックスの季節限定メニューを試したり、友達同士で同じものを使い、価値を共有しようとしたりする心理などが該当します。

商材によって異なる影響力

ただし、影響力があるからといって、全ての商品に影響力が発揮されるわけではありません。
例えば、電池やトイレットペーパーのような日常生活用品についていえば、人の目に触れるわけでもありませんし、本人の思い入れが少ないため、影響力は少なくなるものでしょう。
対して洋服やバッグのような製品は、周囲の目にとまるため、購買に与える影響力が強いことは議論の余地はないでしょう。

このように、人目に触れる製品が与える影響力は、ブランドの選択に対して強く働きかけます。また、生活するうえで必ずしも必要がない宝飾品やヨットクルーザーなどの高額な商品に関しては、購入意向を高める影響力が大きくなります。
つまり、与える影響力が最も高いものは、宝飾品のような人目に触れ、且つ高額な商品で、最も低いものは、人目に触れず低価格な日常生活用品となります。
このように、製品のカテゴリーによって、態度の変化に与える影響力が変わることを覚えておきましょう。

他人の行動に影響を与える「オピニオンリーダー」

さて、影響力の正体を理解したところで、どのような人が影響を与えるのかを考えていきましょう。
まず、先述したインフルエンサーには、消費者行動論ではオピニオンリーダーやアーリーアダプターと呼ばれる人が該当します。オピニオンリーダーとは、専門分野の知識に詳しく、信頼されているため、他人の態度や行動に影響を与えられる人のことです。
先述した準拠集団の分類では、願望集団に属するものでしょう。著名人と同じモノを所有し、行動を同じくすることで、自分自身の価値が高まるように感じることができます。
ただしこれは、著名人の信頼に依存しているため、著名人の信頼がなくなった場合、紐づけられた商品も同時に信頼を失ってしまうリスクがあります。
最近の話題では、食べログの有名レビュアーが飲食店から特別な扱いを受けていたことが明るみになり、彼に高く評価されていた飲食店の信頼が低下してしまいました。
良い噂よりも悪い噂の方が記憶に残りやすいものですし、ブランドイメージと異なる著名人を活用することによりマイナスの影響が出てしまうことも考えられるため、著名人の起用には慎重を期するべきです。

時代の先をいく「アーリーアダプター」

さて、あなたの周りに流行に敏感な友人はいるでしょうか?
時代の少し先をいっている、センスの良い人です。このような人はアーリーアダプターと呼ばれます。
新製品が発売されてから普及する過程で、初期に購入する人と中後期に購入する人とでは、消費者の性質が異なります(「ロジャースの普及理論」)。そのうち、初期の消費者がアーリーアダプターです。

この理論を順に追っていくと、イノベーター → アーリーアダプター → アーリーマジョリティー → レイトマジョリティ → ラガードとなり、アーリーアダプターは2番目に入する人たちのことです。
先ほどのオピニオンリーダーと異なる点は、専門知識が深くないものの、広いカテゴリーにおいて鼻がきくところです。センスが良いと評判がよく、周囲の信頼を得ているため、大きな影響力を持っているのです。
ただし、中後期の購入者が価格の安さや品質の良さという実質的な理由で購入するのに比べ、アーリーアダプターは目の付け所が異なります。アーリーアダプターに対しては、デザインの良さや、商品を購入した場合に実現するスマートなライフスタイルを演出するなど、彼らが反応するような訴求が必要となります。

最後に

インターネットやSNSの普及によって、誰かの行動や購買から受ける影響はますます増えています。影響力とはどのようなものか、そして影響力を持つ人はどのような人なのかを把握することで、企画の確度は高まるでしょう。

ブログトップへ戻る