幻冬舎ウェブマのWebマーケティング情報ブログ

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検索時代に消費者を呼び寄せるインバウンドマーケティングの4つのプロセス

今やほぼすべての企業がWebサイトを公開しているといっても過言ではありません。しかし、Webサイトを公開してはいるものの、どのようにWebマーケティングを展開していけばいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、インバウンドマーケティングをひもときながら、企業のWeb戦略のありかたを考えていきましょう。

インバウンドマーケティングとは

インバウンドマーケティングとは、アメリカのマーケティング会社、ハブスポット社が提唱したマーケティング手法で、インターネット上に情報(コンテンツ)を発信することによって人々を「引き寄せる」というものです。そのコンテンツをきっかけとして訪れたユーザーを育成し、商品の購買、顧客化へと結びつけ、自社へのロイヤリティ(忠誠)を高め、推奨者になってもらうことを目的としています。

企業側が一方的に情報を発信するのではなく、ユーザーに興味を持ってもらうことで継続的にコミュニケーションを取って信頼関係を築いていくという流れです。自社の商品を売ることが直接的な目的ではなく、ユーザーにとって有益な情報を提供することで、この会社を応援したいと思ってもらうことが目的なのです。

コンテンツマーケティングとインバウンドマーケティングは同じ?

ここで、似たようなマーケティング手法である「コンテンツマーケティング」について考えてみましょう。

コンテンツマーケティングの概念を広めたコンテンツマーケティングインスティテュートによると、コンテンツマーケティングとは以下のように定義されます。

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「コンテンツマーケティングとは、適切で価値ある一貫したコンテンツを作り、それを伝達することにフォーカスした、戦略的なマーケティングの考え方である。見込客として明確に定義された読者を引き寄せ、関係性を維持し、最終的には利益に結びつく行動を促すことを目的とする。」

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価値あるコンテンツを公開して集客するという手法は、これまでご紹介してきたインバウンドマーケティングと同じように見えますが、インバウンドマーケティングは顧客との信頼関係を高める「プロセス」に着目しており、顧客の信頼を得るための一つの手法として、コンテンツマーケティングを活用します。ときにはダイレクトメールやインターネット広告を使うことも検討してもいいのです。

アウトバンドマーケティングとは

対して、アウトバウンドマーケティングという手法もあります。

アウトバウンドマーケティングは従来からの営業手法で、ダイレクトメールやテレマーケティング、テレビCMや新聞広告、展示会などといったものが該当します。これらはすべて企業から外に(アウトバウンド)情報発信する手法です。

現代の消費者はこういった一方的に発信される情報に辟易しており、情報を遮断してしまう傾向にあります。興味のないダイレクトメールは破棄し、迷惑メールはゴミ箱に振り分け、勧誘電話ははっきりとお断りします。一方的な押し売りに好印象を持つ人は稀なのです。

またインターネットの普及により、消費者自らが情報を見つけることが容易になりました。そのため、必要な情報は消費者が能動的に探すようになり、一方的に発信される情報への抵抗感は増すばかりです。近年の若者は視聴時間の融通がきかないという理由でテレビメディアを観ていませんし、虚偽や誇張の疑いのある情報を見つけ出すことができるようになったため、脚色された従来のメディアへの信頼は持ち合わせていません。

このような状況の中にあって、企業は“消費者が欲している情報を””消費者が情報を必要とするタイミングで““消費者に発見してもらえるように”提供できるようにしておかなければならないのです。

インバウンドマーケティングの鉄則①情報を見つけてもらう工夫をする

何よりもまず“発見してもらう”ために、インターネット上に情報を公開するところから始めます。ブログ、ソーシャルメディア、Eメール、ランディングページ、インターネット広告など、自社サイトに限らずあらゆるチャネルを駆使してユーザーの目に留まるようにします。

これは、ユーザーが情報を必要とするタイミングで有益な情報を得てもらうためにあらゆる手段を使うのであって、下手な鉄砲……の発想で拡散させるためではありません。

現代において、ユーザーが情報を必要とするときの行動は、何よりもまずインターネット検索です。ですから、検索サイトにおいてWebページが上位表示されることが重要となります。これを改善させる方法がSEO(検索サイト最適化)と呼ばれるものです。

 

インバウンドマーケティングの鉄則②誠実なコンテンツを公開する

インターネットで検索をすると、答えを提示してくれない記事や既に知っている情報ばかりを集めた記事、意味のない言葉の寄せ集めた記事しか見つからないという経験をされたことがあるのではないでしょうか。

これは、検索表示の上位を獲得するため、文字を水増ししたコピー記事が増産された結果です。コンテンツの質が検索表示に影響するといわれてはいるものの、まだまだコンテンツの量も重視されているため、いまだにこの戦術をとるWebサイトが後を絶たないのです。

とはいえ、SEOだけを意識した水増しの記事は、ネットユーザーに悪感情を抱かせてしまいます。これはインバウンドマーケティングの目指すところではありません。基本的な考え方として「そのコンテンツがGoogleにとって有益か」という視点を覚えてください。

例えば、ネット検索を行った結果、探してもいない情報が表示されたとしましょう。するとユーザーは、その検索サイトは精度が低く信頼できないと判断するでしょう。逆に、望んでいる情報が表示されれば、良い検索サイトとして使い続けることになるはずです。Googleは、ユーザーに検索サービスを愛用し続けてもらうために、ユーザーにとって有益な情報を掲載したサイトを紹介したいと考えるのです。

インバウンドマーケティングの鉄則③突き抜けたコンテンツを用意する

次に、どのようなコンテンツをつくっていけばいいのかを考えていきましょう。

コンテンツの内容はブログなどの文章だけではなく、ダウンロード資料や動画、画像、オンラインセミナーなど、その種類は問いませんが、なんでも公開すればいいというものではありません。何しろインターネット上には情報があふれており、同様の情報発信をしている競合サイトの情報に埋もれてしまうからです。

情報を埋もれさせないためには、商品やサービスが「突き抜けて」おり、それらが素早く伝播するような仕組みを構築することが必要です。突き抜けているとは、競合他社と比べてユニークであり、追随不可能なものを持っていることです。ここで重要なのは、コンテンツが突き抜けているのではなく、自社の商品やサービスが突き抜けていることです。デザインなどの見た目も重要ではありません。

圧倒的に優れたサービスや商品を持つことは難しいですが、同じ商品でも伝え方を変え、異なる使い方を発見し、ターゲットを変更することでユニークにみせることができます。インターネットに精通していないWeb担当者でも、この発想があれば一歩抜きんでることができるでしょう。

例えば、「755」というソーシャルメディアにおいて、幻冬舎社長の見城徹が一般ユーザーのすべてのコメントに対して返信を行い、話題になりました。話題になった理由は、「すべてに返信する」その姿勢が突き抜けていたからです。返信するというアクションそのものは他のユーザーと同じですが、ひとひねりすることで突き抜けることが可能となったのです。

インバウンドマーケティングの鉄則④拡散されることを意識する

インバウンドマーケティングは人々に語られ、伝播されることを主眼としています。「自社がネタ(ハブ)となって人々が行き交う」イメージです。私なりの解釈では「そのコンテンツはワクワクするのか」と考えています。

突き抜けた有益なコンテンツは、コミュニティを形成し、そのコミュニティが素早く情報を伝播させます。突き抜けたコンテンツは目立つためだけのものではありません。

2017年5月12日付けの新聞『日経MJ』では、リアルなダイレクトメールが口コミに繋がるという以下の記事が掲載されていました。

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「紙のDMとeメールを組み合わせることで、通常の半分の受注コストで目標を大幅に上回る受注額の達成ができたという~(中略)~受け取った側が感動するような手紙を企業が送ることができれば、その感動をネットで広げてくれる時代でもあるということだ。

産業界では、ネット上でどう話題をつくるかに関心を深めている企業は多いだろう。ソーシャルメディア上で話題にしてもらうためには、実はデジタルのメールやチャットよりも、アナログの手紙の方が案外近道になるケースがあるのではないか。」

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このように、ダイレクトメールが破棄される時代にあって、逆にリアルな手紙が競合を出し抜き(突き抜け)、驚きと感動を与え、口コミにつながっています。同じ口コミでも「炎上マーケティング」や「バズマーケティング」といった口コミは一過性のもので、必ずしも後の好意を得られるものではありません。

ユニークで有益なコンテンツによってユーザーの好意と信頼を得ることが、インバウンドマーケティングの目指すところです。

インバウンドマーケティングの鉄則⑤コンテンツ公開後のアクションを重視する

インバウンドマーケティングでは、コンテンツを配布するだけではなく、CTA(コールトゥアクション)と呼ばれるユーザーの行動を促す仕組みをつくることが必須となります。これは先述の2番目のプロセス、リードの獲得にあたります。

例えば、ブログ内に資料のダウンロードボタンを設置しておき、ダウンロード時にメールアドレスなどの情報を入力してもらうことです。これにより企業側からユーザーへのコンタクトが可能になります。さらにはマーケティングオートメーションを活用することで、ユーザーがアクセスしたウェブページを把握し、ユーザーがどのような情報を欲しているのかを推測することによって、ユーザーにとって有益な情報を最適なタイミングで配信することさえも可能になります。このプロセスを通じて自社に対する信頼感を醸成し、3番目のプロセスである顧客化、または契約に繋げるのです。

インバウンドマーケティングの4つのプロセス

それでは、インバウンドマーケティングのプロセスとはどのようなものでしょうか。

ハブスポット社では、インバウンドマーケティングのプロセスを以下の4つに分け、ユーザーの状況に応じて①適切なタイミングで②適切な情報を③適切なチャネルで与えることで、ユーザーに接触するとしています。

<インバウンドマーケティングの4つのプロセス>

プロセス1

質の良い潜在顧客に見つけてもらう(認知してもらう)

インターネットによる検索がユーザーの主な行動です。ブログやSNSでコンテンツを公開し、呼び込みます。

プロセス2

潜在顧客を見込み顧客に転換する(見込み顧客の獲得)

呼び込んだ潜在顧客の個人情報などを獲得し、有益な情報を適切なタイミングで提供し、見込み顧客へと転換します。

プロセス3

顧客化する(見込み顧客から顧客へ)

見込み顧客の行動から、適切な時期を考慮しつつ自社からアプローチを仕掛け、契約を勝ち取ります。

プロセス4

顧客の満足度を高める(追加購入や、推奨者になってもらう)

顧客の満足度を高め、さらなる商品の購入につなげるとともに、自社のいいところを他の人に伝えてもらうようにします。

インバウンドマーケティングは、上記のプロセスを実現するためにコンテンツを活用するのです。

まとめ

ここでのポイントは以下のとおりです。


  • ユーザーファーストの姿勢を忘れない(押し付けず、ユーザーが欲しいときに有益なコンテンツを提供する)。

  • ユーザーにとっての自社の価値が何かを考え、突き抜けたコンテンツを用意する。

  • 基本的なSEOの考え方を学ぶ。

  • CTAを設置し、ユーザーに適切にアプローチする仕組みをつくる。

  • 顧客化までの一貫したプロセスをイメージし、コンテンツづくりで満足せず、ユーザーの変化をチェックし続ける。


このコンテンツがみなさんのお役に立つようでしたら成功になります。あとはみなさんの良い報告をお待ちしております。

 

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