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2017年12月8日

【前編】初心者向け マーケティング戦略の選び方と競合優位性の見つけ方

コンテンツマーケティングやWebサイト制作といったWebコンテンツに関わる施策を企画・実行する際、その業務に携わる誰もが「マーケティング戦略」を理解しておく必要があります。
マーケティング戦略は、企業のブランドイメージや商品・サービスの価値を、どこで誰に対してどのように発信するのかというすべての施策の方向性を決める“軸”になります。企業の代表や経営戦略室、マーケティング担当、コンサルタントなどが戦略を固めるのが一般的ですが、それを社内外の関係者すべてに浸透させることは容易ではありません。
Webマーケティング施策が当たり前に実行されるようになったいま、戦略が複雑化し、商材の打ち出し方も多様化しています。従って、マーケティング担当やコンサルタントといった立場・役職に限らず、すべての関係者が自発的にマーケティング戦略を理解する姿勢が求められます。
本コラムではそうした現状を踏まえ、マーケティング戦略とは何か、戦略を決めるために何をすればいいのかを、マーケティング初心者の方に向けて解説します。

マーケティング戦略とは何か

マーケティング戦略について調べたことがある方なら、以下の用語を耳にしたことがあるはずです。「3C」「SWOT」「4P」「4C」「STP」――これらはマーケティング戦略を考える上で有効なフレームワークです。簡単に説明しましょう。

・3C
3CとはCustomer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の3つを分析する手法です。顧客のニーズと競合他社の動向を知ることで、自社の強み・弱みを整理します。マーケティング戦略を構築する前の、現状整理として活用します。

・SWOT
SWOTとはStrengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)を分析して、企業を取り巻く環境を把握する手法です。Strengths・Weaknessesで企業の内部環境を洗い出し、Opportunities・Threatsから外部環境を整理することで、社内外における事業の可能性とリスクを把握するのです。

・4P
4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の4つを組み合わせ、より具体的な実行戦略を設計する手法です。さまざまなマーケティング要素を組み合わせた「マーケティング・ミックス」の活動領域を示しています。

割愛しますが、他にも「4C」「STP」といった手法があり、これらを一様にマーケティング戦略と捉えるのか、どれか1つを正しい戦略と定義するのかは人それぞれです。
しかし、慣れていない方にとっては、何をどのタイミングですべきなのか判断できないでしょう。まずはこれらの手法を踏まえ、最低限やっておくべき基本要素を押さえたマーケティング戦略をご紹介します。

マーケティング戦略 基本の5大要素

先述したフレームワークには、顧客・自社・競合・強み・弱み・機会・驚異・製品・価格・流通・販促――といった単語が出てきましたが、マーケティング戦略の決定に必要な基本要素は、実はたったの5つです。

①市場
②競合
③独自性
④競合優位性
⑤顧客

これらが選ばれる理由と、正しい使い方を覚えられればOKです。なぜこの5つなのでしょうか。上から順に説明していきましょう。
まずは「①市場」です。市場とは、企業と競合が闘う戦場を指します。例えばメーカーならば、商品を販売する店舗がある地域や、その商品に関わるEC市場などが該当します。
「似たようなサービスを提供する企業がいる場所」がわかりやすい市場の例ですが、違うサービスであっても、提供する人のニーズ・場所・タイミング・価格帯が近しい企業がいれば、そこは戦場になります。市場は競合によって変わりますから、「②競合」とセットで考えましょう。

次に、「③独自性」について考えてみます。独自性とは、競合にはない自社独自の資源を指します。同じくメーカーならば、商品にまつわる独自の研究成果や製造技術、企業が所有しているインフラ、オフィス・店舗で働く従業員の能力なども独自の資源になります。そして、独自性が「④競合優位性」を持つかどうかは、①②の選択肢によって変化します。
競合優位性は、①②を踏まえて③がどうしたら強みになるのかを考える作業です。優位性は、ある日突然都合よく出てくるものではありません。①②③を分析しアウトプットした上で、初めて生み出せる要素です。

例えば、対して安くもなく機能的でもないが、懇切丁寧な説明書と電話でのサポートが“売り”のスマートフォンがあるとしましょう。通販サイトや家電量販店、携帯ショップなどには、低価格でバリエーション豊かな商品や、多機能で高性能な最新型の商品がいくらでもあります。「サポート充実」と掲げて競合と同じ場所(市場)に並べただけでは、商品の独自性はまったく生きません。
これを改善するのが競合優位性であり、市場・競合・独自性から勝てる要素を割り出す作業が必要になります。

例に挙げたスマートフォンなら、来店者の中にもWebリテラシーが低く情報収集が苦手、店舗での商品比較や交渉が苦手、といった人もいるでしょう。彼らが商品に触れやすいシンプルなディスプレイを心掛け、詳しい説明書の内容もビジュアルを多くして1枚のチラシにまとめ、自分の悩みに合った販売員を選べる環境をつくることができれば、独自性である“サポート力”を競合優位性としてアピールできます。①~④を分断して考えず、一貫性を持たせることが独自性を活かすポイントです。

このように、資源の活用方法は①②によって何通りも存在します。まず独自性をどんどん出して、①②と組み合わせながら優位性を考えるといいでしょう。

最後に「⑤顧客」ですが、これを戦略の1番後ろに持ってきたのには理由があります。
企業が誰をターゲットにするかは、①~④を決める上である程度定まってきます。しかし、最終的に商材の価値を決めるのはお客様です。企業ができることは、「誰のために何を提供できるのか」を発信することだけです。
発信の仕方には、細心の注意を払いましょう。「誰のために」が①~④とつながりのないお客様になってしまうと、一貫性がなくなり、商材の価値がわかる本当のターゲットには届きません。戦略を考えるマーケティング担当と、コンテンツを制作するディレクター、彼らがターゲット像を共有していないと、企業からのメッセージは正しく発信されません。
マーケティングのすべての過程で、企業や商材が「誰のために」あるのかを確認しましょう。

先述したスマートフォンの例ならば、価格や機能よりも親しみやすさを求めるお客様がターゲットになります。さまざまな競合の魅力的な商品がある市場で、リテラシーが低く比較・交渉が苦手な人のために作られたディスプレイと、独自性であるサポート力を引き立てるチラシや販売員が、競合優位性を示しています。

ここで最後に、「らくらくスマートフォン」「かんたんケータイ」「シンプルスマホ」といったメッセージを打ち出せば、価値をスムーズに伝えることができるでしょう(これらのメッセージは、実際に携帯会社が使用している商品名称です)。

以上が、①~⑤の5大要素によって完成するマーケティング戦略です。
何をすべきかわからないときは、市場→競合→独自性→競合優位性→顧客の順で組み立てていきます。すべての要素に一貫性を持たせることで、説得力のある戦略が完成します。
後編では、「強みが見つからない」方に向け、企業の強みの見つけ方をご紹介します。

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