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2017年11月10日

【後編】マーケティング担当者のためのデータ活用・データ分析の基礎のキソ 無駄にならない仮説の立て方

ところで、仮説の重要性が分かっていても、「自分の仮説に自信がない」「全部的外れだったらどうしよう」と不安になる方も多いと思いますので、効果的な仮説を立てるためのポイントを4点お伝えしましょう。

効果的な仮説を立てるポイント①仮説の数が少なくなっていないか

そもそも、立てた仮説の数が少なければ、外れる可能性は高くなります。複数の仮説を立ててその中から厳選するといいでしょう。複数の中から選ぶことで、なぜ他の選択肢よりも効果的なのかを補完できますし、上司への説得材料にもなるはずです。

効果的な仮説を立てるポイント②最初からゴールを狙わない

仮説が百発百中で当たることはあり得ません。はじめから完璧な結果を求めて可能性を絞らないよう注意しましょう。自分の経験値を過信したり、こだわりや思い込みが強かったりする人は、早いうちに他のメンバーから意見を仰ぎましょう。

効果的な仮説を立てるポイント③条件に捉われていないか

仮説を立てようとしても、「データがないから」「自分の領域外だから」「方法がわからないから」といった理由で最初から排除されている選択肢があるはずです。突拍子もない発想はNGですが、条件に捉われすぎていても、新たな可能性は生まれません。条件に縛られすぎず、柔軟な発想力を持てるよう努めましょう。

効果的な仮説を立てるポイント④見方が偏っていないか

ケース1では、Aが営業部長としての視点から仮説を立て、ケース2ではCが問い合わせの参照元から原因を探っています。今回は分かりやすいケースとして紹介しましたが、実際は目的によってさまざまな切り口での仮説が必要になります。例えばケース2なら、問い合わせの内訳を分析したり、フォームの離脱率を調べたりしてみるのも一つの手です。

以上の4つのポイントを念頭に置いておけば、期待外れの結果に至ったり、依頼者と意見が食い違ったりすることも減るでしょう。ご自身の経験値に関わらず、常にこれらを見直してから作業に移りましょう。

立証できるデータの作り方

仮説の立て方がわかったら、次はデータ収集です。ここでよく起きる課題は、「ピンポイントでいいデータが見つからない」ことです。仮説を立証できるデータが見つからず、そのまま諦めてしまうケースが散見されます。

しかし、先述したとおり、仮説が百発百中で当たることはありませんから、都合のいいデータが見つかることは稀です。ポイントは、「立証できるかもしれない」レベルのデータをできるだけ多く集めることです。以下のケースを事例にみてみましょう。

<ケース3>
通販会社のマーケティング担当Dは、役員から来期の数値計画を求められています。Dの勤める会社は上場を視野に入れており、計画から大きく外れた結果を出すことは厳禁です。
可能な限りリスクを排除した計画を立てなければなりません。

いまDの手元には、部下から上がってきた以下のデータがあります。
・過去5年間の月別売り上げデータ
・顧客の地域、性別、年代、デバイスごとの売り上げデータ
・顧客ごとの購入履歴(いつ・どこから・どの商品を購入したか)
Dはこれらをどう活用し、どんなデータを見せれば役員を納得させられるのでしょうか。

今回のケースはクイズ形式です。最悪の事態を避けるために、Dが見るべきデータが何なのかを考えてみましょう。

・数値の振れ幅を見る
Dにとって避けたいのは、大幅な数値のかい離です。そうなると、まずは今期の数値データから“異常値”を見つけて排除することが先決です。
例えば、今期の月間売上平均に対して、最高額・最低額を記録した月を見てみましょう。
過去数年間でも同じタイミングで変動があれば構いませんが、今期のみ変動があった、または今期の変動がやけに大きい――といった場合は注意が必要です。来期はまた違った結果が出る可能性が高いため、その要因を調べるか、わからなければデータから外し、過去の平均値に置き換えましょう。

・特例の扱いを考える
また、異常値が無くても、顧客データの詳細から“特例”が見つかるケースもあります。例えば、「気前の良い新規のお客様が、一度に何十万円も購入した」「通販システム会社のトラブルで、フォームが使えない時間があった」「自然災害の影響で、商品が大量にキャンセルになった」など、今期限りで発生した特例があれば、除いておきましょう。過去数年のデータを見て定期的に発生しているのであれば、可能性として残しておいてもいいでしょう。

・絶対値でなく比率から考える
過去のデータから、来期の数値を予想することはそう難しくありません。しかし、数値を伸ばせるかというと、過去の売上結果という絶対値は動かしようがありません。
そこで考えたいのがデータの“比率”です。Dは顧客の地域、性別、年代、デバイスごとの売上データを持っていますから、これを活用しましょう。
例えば、65歳以上の顧客の売り上げが毎年同じでも、「デバイスの比率はスマートフォンが増えている」なら、高齢者のスマホ普及率が年々伸びていることを踏まえ、来期も売り上げが増えると予測できるはずです。データをさまざまな比率に分解することで、新たな可能性が見えてくることもあるのです。

最後に

以上、マーケティングにおけるデータ活用の概念をお伝えしました。大切なのは、データ収集前に「仮説を立てる」こと。立てる前に「ポイントを確認する」こと。立証するデータは「自分で作る」こと。この3点を理解し、データを使って分析してみましょう。考え方を改めるだけで、今までは気付かなかった可能性やリスクが見えてくるはずです。ぜひチャレンジしてくださいね。

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